私が出会ったブラジル人
彼は授業中いつも「沈んで」いた。
カナダの語学留学で同じクラスだったブラジル人のおじさん。いつも明るく常に喋っていた。 日本のことも少し知っているようで私が日本人と分かってから結構話かけてくれた。
そんな彼は授業中はかなりの頻度で沈んでいた。
彼はどんなトピックスでも積極的に自分の意見を言っていた。
「I sink(沈む)〜…」
「I sink〜…」
「I sink〜…」
彼は何か発言するたびsinkと言っていた。
言いたかったのはI think〜=私は〜と思う。
のはずだが、
彼の発音はどう聞いてもsinkなのだ。
完全に沈んじゃってるのだ。
さすがに先生は訂正して「sinkじゃなくてthinkだよ。舌を噛むんだ。それじゃぁ、船が沈むと同じだよ。」と丁寧に教えていた。
sinkが間違いと分かり、自分のミスにすっかりウケているブラジルおじさん。理解はした模様。ミスしても明るい。いいことだ!
でもその直後にまた「I sink〜…!」
あー、また沈んじゃったよ。
あまりにsinkが直らないので我々のクラスでは彼の
sink=thinkだという共通認識が生まれた。
think
sink
日本人も苦手で難しい発音だけど
彼の発音は直らないし直す気が無さそうだった。
聞いてるこっちが毎回気になってしまう。
何より本人が気にしてなかったので、それで良しとされたわけである。
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