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結婚は孤独への処方箋にはならないそうです

結婚しているが故に陥る孤独というパラドックス

こんにちは。1月は投稿をお休みしてしまいました。ごめんなさい。
今月からは月に1本ペースで書くことが…できるかなできないかな😅

いつか結婚相談所を作るのが目標なので、それまで細々とでもコンスタントに続けていきたいです。

さて、今回のテーマはこちら。「結婚は孤独への処方箋にはならない」についてです。

あれ?そうなの??

という感じですよね。実際、現在のまたは将来の孤独を恐れて結婚に走る人は多いと思います。私もそうでした。

ですが、最近読んだこちらの学術書によると、結婚しているが故に孤独に陥ることもあるということなのだそうです。どういうことなのでしょうか?

孤独と孤立を区別する

上で紹介した本は、イスラエルの社会学者エルヤキム・キスレフ氏によって書かれました。イスラエルは出生率が3.0近くある、日本以上に「結婚すべき」「子どもを持つべき」という規範の強い国です。

氏は、世界中で結婚する人が減っていること、すなわち、シングル人口が増加していることを受けて、

「大人になれば結婚をすることが当たり前」
「結婚をしてこそ一人前」

という風潮がある社会に疑問を投げかけています。そして、シングルがどうすれば幸せにシングルでいられるかどうかをこちらの学術書によって模索しています。

氏によると、まず、

  • 「孤立」とは他人との接触が少ないこと

  • 「孤独」とは「孤立」と結びついた主観的感覚

であるとし、両者を区別しています(p. 95)。つまり、「孤立」は状態であって「孤独」は感覚なので、結婚をするなど社会的紐帯を持っていても「孤独」を感じることはあるとしています。

結婚は孤立を促進する

そして氏によると、結婚をすることで家族以外の紐帯が少なくなり、人は「孤立」に対して対処ができていない状態になりやすくなるそうです。

書籍内ではしばしば「欲深い結婚」という言葉を引用し、結婚のリスクを説明しています。

伝統的な家族の単位は、サポートと専心的な配慮を提供するものと期待されているが、自分たちの核家族のなかで内向きになり、その外にいる人々に背を向けやすくなる。
しばしば、「欲深い結婚」(greedy marriage)と形容される現象がこれだ。

エルヤキム・キスレフ. 「選択的シングル」の時代 30カ国以上のデータが示す「結婚神話」の真実と「新しい生き方」 (p.193). 文響社. Kindle 版.

つまり、結婚をして家族に専心的なケアとサポートを提供するほど、社会的ネットワークが減少し、孤立しやすくなるというのです。

現在筆者は乳児を育てていますが、ケアを必要とするメンバーが家族にいる故に外出の機会や友人と交流する機会がかなり制限されていると感じています。なので、家族という紐帯を持つことが孤独につながるということはかなり納得ができました。

育児だけではなく介護でも同様の孤立に陥り、孤独を感じる人は多いことでしょう。

結婚しているが故に孤独に対処する機会を奪われる

一方で、エルヤキム氏は幸せに生きているシングルへのインタビューを通じて、彼らが友人や趣味志向を同じにする人たちのネットワークからさまざまな恩恵を獲得し、孤独に対処している様子を描いています。

そして、結婚してネットワークが内向きになっているが故に「結婚したことのある人」はそれへの対処方法を失いがちだとも述べています。

以下の図は、上記の本の中で氏が提示している「結婚したことのない人」と「結婚したことのある人」の生涯にわたる孤独感の程度です。

出典:https://president.jp/articles/-/71794

「一度も結婚したことのない人たち」の方が、人生の終末期では孤独に悩む割合が少なさそうです。

上記の内容はこちらの記事で詳しく読めますので、お時間のある方は是非ご覧ください。

結婚していようが、いまいが、結局最後は一人

ここまで読んで、『おひとりさまの老後』という本の一節に書かれていた言葉を思い出しました。

結婚してもしなくても、みんな最後は一人になる。(p.12)

…だそうです。

特に、女性の方が平均寿命が長いですし、結婚していても人生の終末期には女性は一人になる可能性が極めて高いです(2007年に刊行された上記の本の情報ですが、65歳以上で55%、80歳以上で83%だそうです)。なので、女性は特にシングルで生きることへの備えが必要です。

人生の終末期には一人がやってくる。結婚は孤独へのソリューションにならないばかりか、孤独に対処する時間を失わせる。だとしたら、私たちはどうすれば良いのでしょう?

では、孤独への処方箋とは?

そのヒントは、本稿で多く引用した『「選択的シングル」の時代』にも、先の『おひとり様の老後』にもたくさん書いてありました。端的にまとめると以下の内容になります。すなわし…

  • 友人を作る

  • 社会活動に参加する

  • 仕事を楽しむ

…などなどでした。

孤独への処方箋に関しては、最近はそれを専門的に研究した本も出ています。

来月はこの辺りの本を読んでみようと思いますので、結婚を考察するのに役に立ちそうな内容ならまたまとめますね^^

まとめ

今回の内容を簡単にまとめます。今回は以下のことを論じていきました。

  • 孤立は状態。孤独は感情。結婚していても孤独を感じることはある。

  • 結婚しているが故に陥る孤独もあるし、結婚は社会関係資本を減らしがち。結婚することで将来の孤独に備えられなくなる可能性が高い

  • 特に女性は、人生の最後に一人になる可能性が高い。結婚していようがしていまいが孤独に対する備えは必要。

長い長い人生、最後まで幸せに生きたいですよね。それでは、また次回…

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