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人を好きになれないのはなぜ?ドラマ作りを学んだから分かる、「王子様」が現れない理由

「なかなか人を好きになれない」と悩んでいる方は多いと思います。

恋愛ドラマの主人公はとってもかっこよくて魅力的で、ドッキドキしちゃうのに、どうして現実世界にいる男(もしくは女)はこうなんだ?と思ってしまいますよね。

さらに、「やっと好きな人が出来ていい感じ!」という時に限って盲目になってしまい、結局は精神を削っただけで幸せになれず終了というのを繰り返したり。

そんな方は、ドラマのマジックに惑わされているのかもしれません。決して、恋愛や婚活の才能がないわけではありません。

考え方次第で、人を好きになることが出来ると思います。

私がそう思う理由を、今回は元シナリオライターという経歴を活かしてお伝えしようと思います。

ドラマの「面白さ」の中身

ドラマが面白いのは当たり前です。面白く作っているからです。

じゃあどうすればドラマが「面白く」なるのでしょうか?

簡単なポイントが2つあります。1つ目は振れ幅を持たせること、2つ目は葛藤を与えることです。

①振れ幅

起承転結だとか三幕構成だとか、物語の校正の基本を聞いたことがある方は多いと思います。

物語の基本の流れは、こんな感じです。
【起】ある日、「何か」が起こって、
【承】いつもとは違う状況が続いて、
【転】さらに「大事件」が起こって、
【結】最初の時の自分から何かが変わった自分が残る。

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日常の自分が、いつもとはちょっと違う状況になる、さらに大事件が起こる、というのがポイントです。

この違いの差、出来事の大きさ、つまり「振れ幅」の大きさが面白さにつながります

例えば有名な映画のストーリーでいうと、下記のストーリーを思い返してみてください。

豪華客船にたまたま乗り込んだ貧乏な青年が、孤独な貴族の女性と出会って恋に落ちるが、二人を乗せたタイタニック号は氷山に衝突し…

タイタニック

お金がすべてだった実業家が、ひょんなことから6日間の契約で雇った娼婦に恋をしてしまう。しかしそれを面白く思わない彼のビジネス仲間が邪魔をしてきて…

プリティ・ウーマン

日常からの振れ幅が大きくて面白いです。

これらは分かりやすい例ですが、どんな映画もドラマも、この振れ幅を意識して書かれています。

恋愛ドラマだと特に、最終的に主人公やヒロインが超魅力的にみえるように、絶対に恋に落ちるように、この振れ幅の中の出来事をわざと起こしているのです。

恋愛だと、「アンチから入る」という手法もよく使われるのですが、これは恋に落ちる2人の第一印象を最悪にすることです。

ドラマの冒頭で、例えば街中でコーヒーをこぼされて謝りもしなかった相手にイライラしながら出社したところ、会社で新しい上司を紹介され、「この人…さっきのアイツ!!」みたいなパターン、よくありますよね。笑

これも振れ幅を利用して、その後のストーリーで見せる相手の魅力を引き立てています。

②葛藤

次に、ドラマの中の主人公は必ず常に葛藤しています。問題が解決したと思ったらまたすぐ次の問題が起こります。

観てる側は、この葛藤の行方を想像したり、解決した時の爽快感を味わったりするのが面白いのです。

これは①とも繋がるのですが、物語を書く上で、ライターは主人公を葛藤させるために数々の出来事をぶつけます。

あえて主人公に「困難」を与えるのです。①の映画の例でいえば、氷山との衝突、同僚の邪魔などです。

物語の中は、葛藤を起こす出来事の連続です。観てる側は、そのハラハラドキドキが面白いのです。

ハラハラドキドキ、大ピンチ!という中で、ヒーローのように自分を救ってくれる主人公が、かっこよく見えるのは当たり前です。

また、例であげたタイタニックとプリティ・ウーマンという名作ラブストーリーには共通点があります。それは男女の身分の差です。

貧乏な青年と貴族女性、実業家と娼婦、このような身分の差が葛藤になり、これを乗り越える過程を見せられるとまた面白いんですよね。

王子さまは現れない

ここまで、ドラマの面白さのつくり方についてお伝えしてきました。

伝えたかったのは、ドラマは、観る人がハラハラドキドキして面白いように綿密に作られているということです。

そして、そのハラハラドキドキの上に、主人公の魅力が立っているということです。

つまり、作り物です!(当たり前ですが)

だから、現実世界に王子さまは現れません!

日常生活で突然、悪の組織にさわれそうになったところをイケメンに助けられるなんて出来事は起こりません。

大好きなアイドルがひょんなことから親戚になってなぜか自分の家に転がり込んで……来ません!

言い方を変えれば、現実世界で目の前にいる人は、非現実的な何かが起こればヒーローやヒロインになりえるかもしれないけど、何も起こらないからドキドキしないのです。

また、ドラマではよくある「身分の差」恋愛。これが面白いとされてドラマでよく使われる設定であるという時点で、非現実的なことであることを証明しています。

みんな分かっている通り、身分の差恋愛は現実世界ではなかなか実現しません。

特に結婚相談所では、自分を理解し、自分と釣り合う相手にお見合いを申し込むことが成婚の1つのカギであると、先輩方の発信から読み取ることができます。

ドラマは壮大な作り物です。

恋はドラマ

王子さまは現れないはずなのに、たまにドラマの中に落ちたような感覚になる時があります。

恋です!

私は、恋はドラマだと思っています。

恋はドキドキハラハラを見せられて落ちるドラマ、そういう意味での「面白さ」、ある種の作り物なのだと思います。

「吊り橋」効果とよく言いますが、スリルを味わいながら一緒にいた相手に恋愛感情を抱きやすくなるというのがあります。脳がドキドキを恋愛感情とすり替えるとか。

恋は日常生活と少し離れた、ドキドキハラハラの延長にあるのです。

ドキドキのきっかけが、外見の良さだったり、甘い言葉だったり、何かの出来事だったりするわけです。

ハラハラのきっかけが、連絡が来ないことだったり、なかなか会えないことだったり、ライバルがいるかもしれないことだったりするわけです。

恋はとっても楽しいですが、ドキドキハラハラの中でちゃんと相手の本質を見極められるかが重要です。

恋は作り物だから、恋が終わった後に愛が残るかどうか。恋した相手に、愛すべき要素があるかということです。

恋愛がうまくいかないと悩んでいる方は、ドキドキハラハラに惑わされて、相手の本質が見えていないまま恋をしてしまっているのかもしれません。

結婚は現実

恋がドラマなら、結婚は現実そのものだと思います。幸せな現実です。

婚活は、恋活とは全く違います。だから恋愛がうまくいかなかった方も、意外と婚活はうまくいったりする可能性が大いにあります。

だってハラハラドキドキする必要がないから、冷静に相手の本質を見ることができます。

本質を理解したあとの愛情から、恋が始まる場合もあります。

ドラマは面白いけれど、現実世界で葛藤したいですか?

ドラマの面白さの中身は、振れ幅と葛藤、ハラハラドキドキ、言い換えれば心の乱れです。

私は、ドラマを見るのは大好きだけど、現実世界では穏やかに、不安なく、小さな優しさを感じている方が幸せだなぁと思います。

氷山にぶつかりたくないし、同僚に邪魔されたくないし、相手とすれ違いたくない!

ドラマのマジックに惑わされている方は、現実の良さに目を向けてみるのも良いかもしれません。

自分が理想とする生活を自分自身で築いていく中で、隣にどんな人がいてくれたら嬉しいだろうか。

そういう考えを持って相手と向き合うことが、現実世界の婚活での大切なことなのかなと思います。

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