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レタッチ時代の「フォトコンテスト」審査基準について考える。

「富士忍野グランプリフォトコンテスト」で、第30回グランプリ(最優秀)賞に輝いた作品が「合成写真だ」との指摘が相次いだ。

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2020年 富士忍野グランプリフォトコンテスト
グランプリ:紅富士輝/永野敏昭

朝日新聞DIGITALの記事(参照)

SNS全盛の現在、画像処理ソフトによる合成や色変換はいまや当たり前である。思えば、ポジ(リバーサル)フィルムは、ほぼいじれないので撮ったままが写る。もちろんメーカーや製品ごとのカラーバランス特性や、現像時の増減感による露出の差は生じる。

フジのプロビア、ベルビア、アスティア、コダックのエクタクローム、コダクローム、といったように、フィルムを選択する時点で、ある程度見せたいトーンを選択し、そこから先は個人の技術と表現力に委ねられていた。

その後、個人でもカラーネガフィルムのプリントができる現像機(Lucky CP51他)の発売もあり、暗室でのカラーバランスの調整やモノクロと同じように覆い焼き、焼き込みをして、作家の意図を反映させたプリントが自室で作れるようになった。

そしてデジタルカメラやスマホと、画像処理ソフトやアプリ全盛の現在、もはやデジタルデータでは「何でもできる状況」になっている。その自由度を歓迎する方もいれば、もはや風景写真は「記憶色」ではなく「希望色」だと指摘する人もいる。

でも、もはやそんなことを議論する意味もないだろう。
新しい製品やテクノロジーを受け入れて、それを表現に活かしていくのは普通のことだからだ。


「フォトコンテスト」においては、応募規定でカテゴライズすればよいと思う。例えば、

1. JPEG撮りっぱなし部門

2. カメラ内フィルター使用や、トーン調整のみ部門

3. 規制なし。なんでもあり部門

1の「JPEG撮りっぱなし部門」は、その名の通り、撮影時の設定のまま瞬間を切り取った写真。

2の「カメラ内フィルター使用や、トーン調整のみ部門」は、各メーカーが搭載しているフィルターやカメラ内加工、また撮影した写真データ全体の明るさやトーンを画像処理ソフトで調整する。
個別にマスクを切って、レイヤーごとのトーン調整は不可。いわゆる撮影時に、フィルターをつけるようなイメージ。

3の「規制なし。なんでもあり部門」は、現在行われているような切り抜きや合成等、後処理も含めて最終的に一枚絵にした作品。

それらを前提に募集をかけて、どこに応募するかは作者が選べばよい。
写真、写真データ、画像、呼び方すら正解はないのだから。


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