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フィルムカメラで紡ぐ日々の風景

フィルムをまた一つ撮り終えた。
ハーフサイズで撮影しているから、一本のフィルムにつき70枚ほど撮影が出来る。

フィルムの最初あたりに映る場面は、その写真を見てやっと思い出せるようなもので、一枚一枚じっくり見ていると、人生の濃さに感慨深くなる。

何も無かったように感じる日でも、必ず何か変化を起こしている。

6月の休暇に、
奈良県の奥地・天川村にあるコテージに宿泊した。

昼間は木々の温もりが、
夜は光ひとつない暗闇が私を包んだ。

そうして迎えた朝、川と森を見ながら、
コーヒーを挽いていた。
(上)
マザーリーフの子株に水をやる。
この子たちも今では、
30cmを超える立派な株に成長した。

(下)
デスクの上でコーヒーを淹れる、
ありふれているが素敵な風景。
ツツジが盛んに咲き始めた頃。
歩けば歩くほど色々なツツジと出会い、
その度に癒された。
家にもツツジが居て、
切り取ってポットの先に挿してみた。
生活に、ワークブーツを導入した。
雨の中でも登山の中でも、
私の足回りを十二分に支えてくれた。

半年経った今、たくましいシワが表面に刻まれ始め、
風格を増してきている。
ツツジに加えて、
春とはまた違った花々が、
野や山を彩る。
この時は、地面全体が笑っていた。
気を引く花が咲いていると、
少し切り取って、部屋に飾ることもあった。
ゆずジャムの小さな空き瓶に挿すのが恒例。

ナチュラルな部屋に、
ひと時の新奇さが与えられた。
6月へ宿泊した村へ、また訪れた。
この時は確かアユが旬の時期になっており、
鮎の塩焼きが旨いお店「亀清」に行き、
そして洞川温泉に入った。
村民の方は暖かかった。

この暖かさを、街の中でも活用できないだろうか?
日が早く昇る夏は、
まだ光が黄色いうちからコーヒーを淹れていた。
満足に目覚めた自分は、より仕事に励み、生活に励んだ。
ハスの花と、
夏に飛来する白い鳥(シラサギ?)。

両者は似通っているから、
お互い何か秘密のやりとりを行い、
口裏を合わせて現れているのではないか、
とよく考えた。
いつも部屋から見える風景。
緑に囲まれ、包まれ、抱かれる日々。

カメラ:OLYMPUS PEN-FT
レンズ:F. Zuiko AUTO-S 38mm F1.8
フィルム:Kodak ColorPlus 200

撮影機材

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