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キャッシュレスからの退行

ここ2ヶ月くらい、一部の例外を除き、キャッシュレスとは距離を置いている。
例外の事を先に述べると、高速道路のETC料金とプロテインの定期購入、小口の積立投資以外は現金で済ませている。

現金決済に退行して最も嬉しかったことは、厚かましい勧誘から容易く逃れられることだった。
あちら側は、札束を不器用にひらひらさせる私を見て、スマホひとつで決済(と会員登録)が可能なメリットを、伝家の宝刀のごとく振りかざすものの、こちらはスマホをその用途で使っていない。
「スマホを(その用途では)持っていない」と告げると、この衝撃的事実を受け入れられないといった顔付きで、口を開けたまま動かなくなる。
口が開ききったタイミングを見計らい、私はそそくさと逃げる。
スマホ=決済手段という前提条件を生活から消し去ったゆえに、起きた一幕だった。

では不満なところは何か。
現金主体の決済では、このご時世だと、ポイントの恩恵には浴せない。
生活インフラの料金がポイントを生み、実質無料でコーヒーが買えたり、スイーツが貰えたりするだろう。
しかし自分の場合、キャッシュレス乱用時代からポイントカードの類は持っていなかった。
ポイントを貯めて買いたい物が、思い浮かばなかった。
つまり、不満なところは無かった。

輝く朝日と、
煙を吐き出すコーヒー。

家計簿の付け方も変わった。
変わったというより、家計簿を付けなくなった。
月の初めに給与を全額引き出し、1000円札8枚くらいをポーチに突っ込んでおいて、その束の太さ細さの具合で、どれだけ消費しているか判断するようになった。

今のところ、人と会わない日は0円で暮らす日々が続いている。
そうなるまでに、幾らかお金を掛けたのはもちろんだが。

部屋の心地よさにはまり込んで、コーヒーを淹れ、ラジオで音楽を聴き、窓辺の花を見、日に当たりながら本を読んでいると、首尾よく時間は流れていく。
すっかり流れが決まった日々だけど、本のテーマや花の成長は常に真新しく変化している。

こういう日々を大事にしたいから、毎日を生きようと思える。
決済機能の退化とそれに伴う0円生活は、自分に合った暮らしを教えてくれる。

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こにたん
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