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部屋から椅子とデスクを無くす
いつの間にか椅子に座って過ごす生活が遠のき、座る際に使う物として、部屋には座布団がひとつある。
デスクは知人が引き取ることになり、折りたたまれてクローゼットの中で眠っている。
椅子は家族と共用だったので、家族が使っている。
窓際のスツールには座れるものの、今は眼鏡やハサミを置くなど、小棚としての風格が付いてきた。
あぐらや正座を試してきたが、「半跏趺坐(はんかふざ)」の姿勢が最も安定するように思う。
これは、片足を反対側の太ももの上に乗せる座り方で、骨盤が前傾するから姿勢も安定する。
背筋にも1本幹が通る感覚になり、目も覚める。
「瞑想」という厳かな意識を用いずとも、ただ片足を太ももの上に乗せ、背筋を伸ばすだけでも効果はあると思う。
朝座れば頭が整理され、夜座れば頭が落ち着き、睡眠導入になる。
この姿勢で、よく芝生や草むらにも坐禅をするようになった。
急速に、土と一体化する感覚が味わえるから、"草むら座禅"に勤しむ日々だ。
座布団の前には、自作のテーブルが構えている。
脚を少し切り落としてサイズ調整を行い、ちょうど良い天板の高さで読書、執筆、パソコンに向かえるようになった。
つまり、デスクと同じ用途を果たすようになったのだ。
臨機応変にカスタムし、アップデート出来るのは、自作物ならでは。
デスクや椅子という、いわば二大立体物が部屋から排斥され、部屋の雰囲気に威圧感は無くなり、自然らしい優しさが含まれるようになった。
ひとつ減らすごとに、縛りもひとつ減る。
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