「アイの歌声を聴かせて」感想。
塚口サンサン劇場で2022-08-20と2022-08-24の2回「アイの歌声を聴かせて」(以下「アイ歌)」を観ました。都合19回の鑑賞となります。
この映画、本当に見事で公開当時は「とにかく観てくれ!」と言いまくったのだが私の発信力(ありていに言えばフォロワー数w)が弱すぎてそれほど影響を与える事が出来ず、望んでいたほどの大ヒットには遠く及ばず「一部の熱狂的ファンがリピーターとなって何度も観た」作品であり一般には殆ど知られず終わった作品だと思います。
内容的にはAIと主人公ら高校生との交流を描くジュブナイルSFなのですが、これがもう王道中の王道を突き進む見事なジュブナイルSFであり、同時に青春群像劇であり、感動作品であったと言うわけです。
まあこのあたりの内容の見事さが実に予告編では伝わりにくい作品だったのも事実w 個人的に
「予告編で内容が伝わりにくい映画No1」
作品だと思っているくらいで(^_^;) それくらい予告編からは作品を観終わった時の感動と多幸感は全く予想出来ない見事さだったのです。
この作品、本当に作品レベルとしては「君の名は。」に匹敵する内容・クオリティ・感動だと思う。
そういうと「何を大げさな」と思う人も居るだろうし実際に「アイ歌」をご覧になった人の中でも「君の名は。」とはレベルが違うと思う人も多いと思います。
しかし個人的にハマった度合いと、個人的に感じた作品のクオリティの高さから言えばやはり私は「アイ歌」と「君の名は。」は互角と言える作品だったと思います。
観た回数で言えば「アイ歌」が19回で「君の名は。」が30回と、回数だけだと負けているんだが、そもそもロングランして凄まじい上映期間だった「君の名は。」と比べても詮無いこと。
脚本の見事さ、演出の見事さは互角だと思います。
上映時間も「アイ歌」が108分、「君の名は。」が107分であり、いずれも2時間を切る中でこれだけ濃密な内容を描いていて、それでいてダイジェストに感じさせない脚本と演出は両者ともに見事だったと思う。
例えば「アイ歌」の前半の授業の様子を劇伴だけで描くパターンは「君の名は。」の「前前前世」で2人の入れ替わりライフを描く演出同様、時間短縮の見事な手腕の代表例だったと思います。
「君の名は。」も予告編では明確には語られていない後半部分が驚きと感動を呼んだのですが「アイ歌」も予告編では全く分からない後半の驚きと感動があってこの点も似ていると感じた次第です。
いずれにしろ「観てもらえさえすれば良さが分かるのに」って作品の代表例ですが、そもそも一般に広く知れ渡ってない点はいかんともし難く、アニメ版の「ジョゼと虎と魚たち」や「ペンギン・ハイウェイ」「リズと青い鳥」「若おかみは小学生!」などなど「傑作だ!」と思いつつ大ヒットにまでは至らなかった作品ともども本作の「アイ歌」も大ヒットに至らなかった残念さが半端ない作品でした。