見出し画像

「君たちはどう生きるか」映画を見てから小説を読んで納得したこと。


まずアニメーション映画「君たちはどう生きるか」を見ました。


私は AIM(あいみょんファン)なので
あいみょんの声優っぷりを楽しみにいきました。
最初、誰が誰の声をやっているか公表されていませんでしたので
ヒミの声が あいみょんと気づくまで時間がかかりました。(声優として良かったという意味です)

ヒミ(CV あいみょん)


アニメーションは難解と事前に聞いていましたが、

難解でした。

宮崎駿監督の芸術だと思いました。


今までのジブリ作品は日テレに納品するための商業映画。
視聴者がみんなで楽しめる娯楽映画でした。

「君どう」は芸術でした。完全な宮崎作品。
テレビ局(日テレ)のお金が1円も入っていないからやりたいことが初めて出来たのです。

芸術は 鑑賞する人によって 解釈が変わり、作者の意図ははっきりわかりませんし公表もされません、芸術ってそういうものです。
売れそう、ウケそう、なものを考えて作ったら もうそれは芸術ではなく
商業エンタメですね
。宮崎駿監督は商業エンタメはもう飽きて、本当に自分が表現したい世界を表現してみたかったのでしょう。

作中で、空襲で亡くなった母ヒサコから贈られた小説として「君たちはどう生きるか」が登場します。

主人公・まひとが 小説「君どう」を読み泣くシーンがあります。
亡き母ヒサコへの思いなのか、小説の内容に感銘を受けて泣いているのかはわかりませんでしたが、この小説が宮崎駿監督に「君どう」を作らせる原動力になったことは間違いありません。
小説の「君どう」を読んでくれと宮崎監督が言っているようなものです。


まひと


岩波文庫「君たちはどう生きるか」

遅ればせながら小説「君たちはどう生きるか」を読ませていただきましたので、読書メモに残します。

吉野源三郎さんが書いたこの小説が発売されたのは
1937年
軍部が2.26事件などのクーデターを起こして日中戦争を始める年です。こんな時期によくこんな小説が出せたな・・と思います。

主な内容は、主人公コペル君が学生生活でちょっとした事件を起こし、おじさんが交換ノートでいろいろ教えてくれるという、たぶん小学生や中学生が読むための道徳の小説でした。

読みながら、私の小学校の頃、このようなことを教えてくれる人がいれば人生は変わっていたなと思いました。


以下読書メモ(小説ネタバレあり)

  • 子供のうちはどんな人でも、自分を中心に「天動説」のように物事を考えているが実際には「地動説」が正しい。自分は全体の中の1つにすぎない。実は大人になっても自分中心な考え方から抜け出せない人のほうが多い。

  • 優れた芸術文化に接したことがない人に、作品の良さをいくら説明してもわからせることはできない。自分自身が生きて見て、そこで感じた様々な思いを基にして初めて理解できる。常に自分の体験から出発して正直に考えろ。

  • 「自分の労力」のほかに何一つ生計を立てる元手を持っていない人 が大ケガや病気をしたらどうなるのか、なのに体を壊したら一番困る人たちが一番体を壊したすい境遇に生きている。粗悪な食事、環境、翌日に仕事の疲れを残さないなんて贅沢なことはいってられないのだ。

  • あのときああすれば良かった、こうすれば良かった、後から悔やむことがたくさんあるけれど、「あの時ああしてほんとに良かった」と思うことだってないわけじゃない。「おばあさんに声をかけて荷物を持ってあげられなかった」という小さな後悔があったことが今では良かったと思える


日本が戦争に突入していき、全国民が日本万歳・戦争万歳なブームで おかしな流れになっていく中で こんなに科学的で文化的で道徳的な人たちがちゃんといたんだなと思いました。

戦前のほうが令和の今よりまともだったのではないかとすら思いました。

コペル君のような純粋な心をもった少年には戻れないけど。
おじさんの手紙は50代(たぶんコペル君のおじさんより年上)のおじさんの心にジンジン響きました。

小説の世界観、コペル君とおじさんの話、を知った上で
もう一度映画を見てみたいとも思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
文章は自分のために書いていますが「スキ」は励みになります!


いいなと思ったら応援しよう!