『失敗を語ろう。「わからないことだらけ」を突き進んだ僕らが学んだこと』
マネーフォワードの辻さんの新著が出た。ご献本いただきありがとうございます。ほんとにいい本です。
辻さん
僕が辻さんと初めてお会いしたのは、恐らく6-7年前。博多での税理士向けの講演に辻さんが来られたときだったのではないかと思う。僕の所属は福岡支部だったけれど、当時はまだ珍しかったMFクラウドユーザーだった僕に博多支部の先生が声をかけてくれたのだった。
初めてお会いしたときの印象はいい意味でITスタートアップの社長っぽくないなということだった。人懐っこく気さくで、誰とでも明るく楽しく接する姿が印象に残っている。講演も素晴らしかったが、その後の懇親会での様子が記憶に残っている。いい意味で尖った印象を相手に与えず、参加した税理士の先生方のハートを掴んでいく姿が印象的だった(もちろん僕も掴まれた一人だ)。
僕が自己紹介をすると名前を認識してくれていたみたいで嬉しかった。クラウド会計の機能の話や将来こんな風になっていったらワクワクするねみたいな話をしたと思う。
それ以来福岡にいらっしゃるタイミングで相談に乗ってもらったり、マネーフォワードのイベント等でご一緒させて頂いている。税理士法人の設立記念パーティーにも来ていただいた。ありがたい限りだ。
僕が語るまでもないがマネーフォワードはすごい。2012年の設立から10年足らずで東証一部の上場企業になっている。時価総額は3,000億円を超えている。
奇しくも同じく2012年に僕も創業している。僕が七転八倒している間にこれだけの会社を創り上げるのは本当に尊敬するとともに自分の力不足を呪う。(ご本人に言うと謙遜されるだろうが)辻さんは天才経営者だ。
失敗を語ろう
前置きが長くなったがその辻さんの本が出た。本書『失敗を語ろう』では、辻さんとマネーフォワードの失敗遍歴が生々しく綴られている。特に創業メンバーとの別れ、仮想通貨事業の撤退のところは読んでいるだけで胸が締め付けられるような苦しさを感じる。こういことを経て人や組織は強くなるんだということが追体験できる。失敗したMVVC発表会の話は、辻さんでもこんなことあるのかとほっこりした笑(本人たちは笑い事ではなかっただろうが…)。
辻さんでもこんなに失敗することがあるというのは本当に勇気がもらえる。天才でもこんなに失敗を経験するんだ。まだ結果も出てないスタートアップが多少の失敗でへこたれて要る場合でない。ビビってないでもっとチャレンジして世の中を良くして行こうぜ。という辻さんからのエールであろう。
「おわりに」の
失敗は挑戦した人にしか経験できない貴重な学びの経験だ。挑戦をすれば、必ず一部は失敗をするだろう。しかしそれは単なる失敗ではなく次の成功へのラーニングなのだ。
はまさにその通りだと思う。全てのチャレンジャーに是非読んでほしい本だ。いいことだけ書いた成功談よりも本書は沢山の人を勇気づけることができると思う。ありがたい。
全ての責任は経営者に
ここからは僕の勝手な想像、感想なので話半分に読んでほしい。
本書の中で印象的だったフレーズで
起業の動機は「強烈な憤り」だった
とあるが、「憤り」はエネルギーになる。
きっと本書の失敗談に出てくる困った相手に対しても相当に「憤り」を感じたはずだ。本書ではマイルドに書いているが、本当は「F〇〇K」等のもっと激しい言葉で罵りたいほどの憤りや怒りを当時は感じていたと思う(上場企業の経営者なのでそんなことは書けるわけないけれど)。
しかし、経営者は全ての責任は自分にあると考えなければいけない。辻さんは誠実な経営者なのできっとこの原則を貫いているはずだ(本書の端々にもそれを感じる)。とても厳しいことだが、経営者は相手に対してどれだけ腹が立っても「全ては自分のせい」だ。逃げ場がなく、苦しく、恥ずかしく、辛い。きっと体験した当時は、人に話をすることや、ましてや本にして出版するなんてことは考えられなかっただろう。
では何故いま失敗談をまとめた本を出せるようになったか。相手に対してではなく自分に憤りを向け、それをエネルギーに変え、成長し、圧倒的な結果を残すことができてきたからではないだろうか。そうして、辻さんは全てを赦せるようになったんだと思う。
『復讐する時、人間はその仇敵と同列である。しかし、許す時、彼は仇敵よりも上にある。』byフランシス・ベーコン
本当にすごい。僕はまだ復讐しようかなと思ってるので(笑)、許せるように頑張ろう。
おわりに1
思い返すと、上場の前後くらいから辻さんの顔つきに「凄み」が出てきたように感じた。悪い意味ではなく、修羅場をくぐってきた男の迫力やオーラみたいなのを感じた。その背景にはこんなあれこれがあったんだと思うと感慨深い。
グーグルフォトから恐らく初めて会ったときの写真(2015年)が見つかったので記念に。二人とも若い。
おわりに2
大変恐れ多いことに本書の中で当社税理士法人アーリークロス、私、花城の名前を挙げて頂いています。嬉しくて親族のLINEグループに写真とって送ってしまいした。是非手にとってご確認ください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?