退職の仕方研修
はじめに
多くの企業が直面しているのにも関わらず、あまり表立って語られることのない「退職」。なんとなく触れてはいけないような感じがしたり、ときには感情的な問題につながってしまったりします。
ただ、アーリークロスとしては、卒業生ともいい関係を継続していきたいと考えています。触れにくい論点ではありますが、あえてのそこのスタンスを明確にしておいたほうがスムーズにいくと思い、先日、社内で共有しました。今後は退職の仕方研修として、入社時研修にも組み込む予定です。
採用活動においても、入社時(オンボーディング)の話だけでなく、退職時(オフボーディング)のことを明確にしておくことは、企業としての誠実性を示すことにつながると思うので、ここで共有しておきたいと思います。
退職する人への基本スタンス
退職者が一定数出るということは、避けられないことだと思っています。弊社ではできない経験を積み、キャリアアップやキャリアチェンジするために転職すること。独立や起業志望者が一定の経験を積めたと判断して独立・起業すること。家族の転勤や介護そのほかライフステージの変化に伴い退職することetc。これらは会社がそれらを否定できることでもありませんし、避けることもできません。これらは一定数必ず発生する退職です。
会社としても私個人としても退職していく人ともいい関係を築いていきたいと考えています。人情として、一度は仲間として迎え入れ、一緒に働いたメンバーとはいい関係でいたいと思っています。また、いい関係でいれることがお互いにとってメリットもあると思います。いい関係を継続できれば、仕事やプライベートの相談ができたり、仕事を紹介しあえたり、一緒に仕事をしたり、将来またどこかのタイミングで入社してくれるかもしれません。実際、当社でも独立や退職したメンバーに業務委託で仕事を依頼したり、繁忙期にアルバイトに来てもらったり、逆に仕事を紹介してもらったりしています。
私も前職を辞めて10年以上経ちますが、当時の上司や同僚に仕事やプライベートの相談をしたり、仕事を紹介してもらったり、逆に紹介したりということがあります。前職のOBつながりでできたネットワークもたくさんあります。ビジネスパーソンにとって、このような人脈をもつことができるというのは非常に価値がありますし、人生にとってもかけがえのない財産になります。ぜひ弊社を退職していくメンバーにもこのようなつながりを持って、次のステージへ行ってほしいと願っています。
避けられない退職について触れましたが、もちろん、会社の力不足による退職もあると思います。採用フローの不備に伴うミスマッチ、オンボーディングの不備に伴う退職、働きにくさを感じての退職については、会社としてしっかりと改善していかなければいけません。これらは人事部を中心に日々の1on1、退職時のインタビュー、月々のGeppo等を通じて情報収集を行い改善していかなければならないと考えています。課題にあがったものについては日々対応をすすめていますが、今後もまだまだ出てくると思うのでぜひ声を上げてください。少しづつかもしれませんが、法人を設立してからのこの5年は常に改善を続けてきたと思っています。今後も改善点はのびしろだと考え、前向きに取り組んでいきたいと思っています。
退職に感じる難しさと向き合い方
退職についての基本スタンスは前述のとおりなのですが、一方でそれだけでは割り切れない感情があることも確かです。退職者が出ると、社内がなんとも言えないネガティブな雰囲気になったり、不安になる人が出たりします。
恐らく、なんとなく感じる寂しさや(決して裏切っているわけではないのですが)裏切られたような感覚、そしてその感情を誰かにぶつけたくなる気持ち、そういったものがあるのではないかと思っています。実際、私自身も頭ではわかっていても毎回寂しい気持ちになります。
一方、退職する側もそういったリアクションを察して、慌てて会社を去ろうとしたり、なんとなく距離をとるようなスタンスになってしまう人も出ているように感じます。なんだか距離を感じたままサヨナラしている事例もあるように思います。
これらは双方にとって非常によくないことだと感じています。
人生100年時代となり、70歳、80歳まで働くことも当たり前になりつつあります。働く期間が長くなることにより、複数の会社や複数のキャリアを歩むことが当たり前になってきています。1社で定年まで勤め上げることが美徳とされた時代とは大きく変化してきています。逆に、弊社の事例でもある通り、辞めた会社と取引したり、再就職したり、業務委託で一緒に仕事したりと、辞めたあともいい関係を築くということが可能になっています。
会社を去ることは、「関係の終わり」ではなく「新たな関係への変化」と捉えるべきなんだと思います。
お願いしたいこと
送り出す方へ
いくら頭でわかっていても、一緒に働いていた仲間が去ることは寂しいことだと思います。しかし、社外にいっても関係は続きます。ぜひ寂しさを乗り越えて新たなる決断を応援をしてあげましょう。また、退職後も一緒に仕事ができる方法がないか、次の職場と協業できないか等、未来に、新しい関係へ目を向けましょう。
「アーリークロス出身者ってすごいね!」そんな評判が世間に知れ渡ることは我々にとっても大きなプラスです。アーリークロスにいけば成長できる、すごい人材になれる、そんなイメージをもってもらえることができればうちのブランド力も強くなります。次でも大活躍できるように応援しましょう。
送り出される方へ
いい関係性で卒業することができれば、アーリークロスとの人脈はきっと大きな財産になります。困ったときに声をかけられる人、相談できる人がいるということがどれだけ有り難いか、社外にいってからこそ強く感じるはずです。ぜひ退職後も声をかけられる関係性で卒業をしていってください。
人との関係性は、最後の印象に大きく左右されてしまいます。どんなに在職中に活躍していても、最後の印象が悪いと、その印象に引きづられてしまいがちです。そのため、特に退職を伝える前から退職日まではしっかりといい印象で卒業できるように引き継ぎやコミュニケーションをいつも以上に注意深くやりましょう。
また、うちの卒業生のことは誰であろうと応援しますので、職位に関わらずぜひ私のところにも挨拶に来て下さい。「あそこの代表なら知ってるぜ」と言える関係で卒業していってください。「アーリークロス出身者ってすごいね!」そんな評判が響き渡るような活躍を期待しています。
機会があれば戻ってくることや副業等で関わることも前向きに検討してもらえると嬉しいです。
おわりに
入社時にやめることの話をするなんて縁起でもない、と思われるかもしれません。しかし、いつか終わりが来ると思うからこそ「今ここ」を大事にできるんだと思います。仲間とのかけがえのない時間を大切にしていきたいですね。
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