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「歯科の治療をケチったら、人生をケチることになる」

 歯科でクリーニングを定期的に受けている。2か月に一度ほどのペース。
 以前に、虫歯治療でこれでもかというほどに歯を削られてしまったことにショックを受けて、虫歯になりたくない一心で歯科クリーニングを受けている。
 予防治療とも言えるのだろうか。お陰で目立った虫歯もなく過ごせている。ただ、お金はかかる。正直、そこが悩みでもある。しかし、歯のケアを怠ることで入れ歯やインプラントにすればもっとお金もかかるし、その方がショックは大きい。
 定期クリーニングでは、毎回同じ歯科衛生士の方が担当についてくれる。
歯科衛生士は優しい女性の方で、クリーニング前の少しばかりの会話が癒しの時間になったりする。
 クリーニング後、久しぶりに先生に歯を診てもらうことになった。
男性の先生。まだ若い方で経験も浅いのだろうか、おそるおそるやっている感じではあった。ただ、歯のチェックは丁寧にしてくれた。
 普段は歯科衛生士も先生もともに女性の方。男性に診てもらうことに少なからず不安と抵抗を感じた。でもその方は丁寧だった。最初に抱いていた抵抗はなくなった。
 丁寧であること。一生懸命であること。
 その2つは、人に認めてもらうために大事なポイントであると思えた。
 写真撮影では女性のフォトグラファーでお願いしますと言われる場合がある。マタニティフォトや小さいお子さんの撮影では、男性よりも女性の方が場も和むと思う。条件が合えば、そのような場所に男性の僕が撮影に行く。相手は少なからず抵抗に近いものを感じるかもしれない。それを補う何かを自分は持ち合わせねばならない。
 喜んでもらえる写真を撮ることはもちろんだが、丁寧と一生懸命。歯科で男性の先生から感じた姿勢を自分も見習いたいと思う。
 歯のクリーニングとレントゲン写真と先生の検診を終えた。会計は予想以上の金額となり辛かった。虫歯になって歯を失うよりは遥かにマシと言い聞かせて、支払う。
 それでも、あまりに治療費が高いので帰り道、ぼやきの意味で「歯科 高い」とスマホ検索した。検索トップ画面に出てきた気になる記事を読んだ。
「歯科の治療をケチったら、人生をケチることになる」
 生きていくために食べる必要がある。
 食べるために歯が必要になる。
 美味しく食べるには自分の歯が一番だ。
 自分の歯を守ることが人生を守ることにつながる。
 人生をつまらないものにしないためにも、仕事をがんばって、歯科のクリーニングも気兼ねなく行けるぐらいになろう。

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映像写真作家 小西隆博
はじめまして。写真と映像制作をしているフリーランスの小西と申します。文章作品にも力を入れています。作品はご自由にお読みいただけますが、応援したいというお志も大歓迎です。