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HKK入院日記 9日目 妻🐼帰る

骨盤骨折した男の入院日記です。
ここまでの内容
→38歳(男)がニセコのスキー場にてスノボ中、立木に衝突
→左骨盤を骨折
→入院、手術(札幌徳洲会病院)

Day9 2019.3.7(木)リハビリ三日目

7:00 起床
昨夜飲んだ眠剤のおかげかよく寝れました。
傷口からの痛みが少し減った気がします。

10:10 リハビリ
O本先生登場。マッサージをしてもらい、車椅子に乗る。まだ車椅子に座るのにも補助が必要。リハビリ室に移動。自分でも漕ぐ。車椅子は重い。10mでも進めば腕がだるく痺れてくる。それでも自分の力のみで進めていることに喜びを感じます。

リハビリ室はとても広々としていて、入院患者や外来患者が各々リハビリに励んでいる。理学療法士、作業療法士もたくさん在籍しているようで、1人につき必ず1人きちんとついていました。

自分と似たような症状、下半身に怪我をしている人に目がいきます。みな真剣。自分の倍は年齢を重ねているであろう女性が軽やかに足上げ運動をしていて驚きました。

O本先生「では立つ練習をしましょう」

わし「立つ!?」

今日もO本先生はグイグイです。

両サイドに手すりのついた歩行器に車椅子をつけ、手すりを持って歩きます。

車椅子に浅く腰をかけ、両手で手すりを持ちます。両手と右足で体を持ち上げて、手すりに捕まって立つことができました。

広々としたリハビリ室を見通す。自分の身長まで視界が上がると景色は全然違って見えます。

リハビリ室は病院の最上階。窓からは札幌ドームが見えます。その向こうには雪の積もった山脈が聳え、めちゃくちゃいい景色です。

わし「眺め、すごいキレイですね」

O本先生「今日はちょっと霞んでるんでまだまだですね」

わし「...」

O本先生「次はもっと晴れてるといいですね」

わし「じゃそれでお願いします」

歩くといっても左足には体重をかけられないので、右足と腕の力のみで体を支えます。右足で自重を支えている間に左足を前に出し、両腕で自重を支えている間に右足を前に出します。この力の掛け方、その順番が難しい。感覚的に覚えるまではゆっくりゆっくり進みます。それでも、少しでも一歩は一歩です。必ず前に進むことができます。それが嬉しい。

この左足を前に押し出す動き。これが難しい。10日間まったく力を入れていない足は自分のものではないみたいに重く、言うことを聞かないのです。ウググググググと踏ん張ってようやく左足を少し前に出すことができます。

そうしたら両腕に力を入れて、右足を左足の前に進める。

頭がクラクラします。ただ立っているだけで。ほんの数メートル進んだだけで。10日間歩くことをサボっていただけでこんなにも人は歩けなくなるのか。

数メートルだけ進んで今日は終了。車椅子で自室へ戻る。

*これは後日リハビリ室の1階下から撮影した写真

12:00 昼食
今日はベッドに腰掛けてご飯を食べる練習。フラつく上半身をなんとか落ち着けながらベッドに腰掛けてごはんを食べる。

妻🐼も病室で弁当を一緒に食べました。久しぶりに2人で座ってご飯を食べることができました。妻🐼の嬉しそうな顔を見て自分も嬉しくなる。

リハビリが始まって、少しずつ、でも着実に回復に向かっている実感が湧いてきました。本当に少しずつだけど1つ1つをクリアしていかないことには何も達成できないのだと身を以て知る。

どんなに頭で分かってる気がしていても分かっていなかったことでした。

0.1だろうと0.00001だろうと0との差はとてつもなく大きくて。0.1回ずつでもいつかは必ず10回となり100回になります。でも0回は0のまま。あらゆる物事は1つ1つの積み重ね。複雑なことも単純なことの積み重ね。分解すると1つ1つになる。つまりこれはあらゆる物事に言えて。どんな作業でも1つずつやれば必ず達成される。そう実感できました。そしてその気持ちでリハビリと自主トレをがんばろうと思えました。

15:30 妻🐼帰る

仕事を休んで札幌滞在し看病してくれていた妻🐼もこの後の飛行機で東京へ。もし妻🐼がいなかったらと考えたくない大きな存在。

術後痺れる左足を何度も何度もマッサージしてくれました。数十分置きに何度も何度も。

感謝してもしたりないです。頑張って早く元気になろう。

妻🐼「ちゃんと水飲めよ」

わし「はい」


その後、今まで浴衣タイプだった病衣が上下セパレートのものに変更。

喉元の管、両手の管、心電図も取れてあれよあれよと何とも繋がっていない状態に!ものすごく動きやすい!

そして尿管カテーテルも取れることに...!

昼担当のY田さんが手慣れた手つきで管をスルスルスルと引っ張って抜いてくれました。もうこれはなんと言えばよいかまったくわからない感覚。ヒヤヒヤするようなゾクゾクするようなゾワゾワするような。できればもう二度と味わいたくないです。

とにもかくにも、尿の感覚を取り戻す。カテーテルをつけたままというのは、ずっと排尿しているような妙な感覚で、それに慣れきってしまうと適切な排尿ができなくなるらしい。自力で車椅子に乗れるようになれば、もう尿瓶も必要なくなる!どんどんベッドから解き放たれていく感覚でした。嬉しい。

続く


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