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HKK入院日記 1日目その3

担当医「ドクターヘリで札幌の病院に行きます」

そう告げられました。ドクターヘリ????もう驚きです。診察室に妻🐼も呼ばれます。PC画面にはバキバキになった骨の画像が表示されていました。

「うわ、この人すごい折れてるのよく分かるなあ、これ」

と思いながら自分のはどうなってるんだろう?と待っていると担当医が

「これ、koni氏さんのです」

「!!!!!!!!!!」「これわしのなん??????」

そこに映っていたのは自分の腰の骨、骨盤でした。
バッキバキでした。

CT画像はPC上で360°確認することができます。(後日CD-ROMでデータもらえましたけどWin専用の独自アプリごともらえました)

左腸骨(骨盤のおわん型上部)が分かりやすく折れています。割れてずれているような感じでしょうか。左足のはまっている寛骨臼という受け皿の周辺部分もどうやら折れて(割れて)いるようです。

担当医「骨盤骨折の場合、緊急手術が必要な可能性があります。その場合ここだとできません。ヘリ移送できて手術可能な札幌の病院が見つかったのでそこに行きます。」

「き、緊急手術...」

この辺りで事の重大さに気づき血の気が引きました。

「こりゃおおごとじゃ...。」

保険証をここに持ってきてもらわないといけない。自分の荷物を札幌まで運ばないといけない。妻🐼の荷物もあるし着替えやらなんやらどうしようどうしよう。と一気に考えなければいけない事が噴出してきます。

ここではツアー同行の友人2名にかなり助けられました。
本当にありがとう。

骨盤骨折は骨折の中でもかなり緊急度の高い危険な骨折だということを初めて知りました。移送後の病院にて改めて細かく説明を受けました。

骨盤の中には内臓がまるっと入っています。太い動脈や神経、脊髄に繋がる箇所でもあります。そうした骨以外の部分が傷ついていると大出血に繋がります。もしそうなってしまうと後遺症の可能性や、最悪半身麻痺や命さえ危うくなる骨折なのです。医療関係勤務の友人に骨盤骨折したと伝えるとみなかなり心配してくれました。重症度を知っているからですね。

妻🐼も「骨折するなら腕とか足とかのほうがよかったわー」

わし「・・・・そうね」

妻🐼はスキー靴のままだと重くてヘリに乗れないので病院からスリッパをいただいて同乗することになりました。

症状がはっきりわかるとだんだんと気分が悪くなってきます笑

病院からヘリポートまでまた救急車で移動します。ヘリポートに到着後数分してヘリが到着しました。病院の医師からドクターヘリの医師に引き継がれ、また移動です。ベッドからベッドへ。そして体をがっちり固定。ヘリは爆音なので遮音用のマイク付きヘッドフォンを装着します。何かあればマイクで伝えます。ババババババババババとけたたましい音と共に北海道の雄大な自然の上空をランデブーです。さぞかし素晴らしい景色だったんだろうと思います。ベッド上に固定されているのでそんな景色は全く見えませんでした。

揺れが患部に響きます。ドクターヘリ内では痛み止めの注射(麻薬的なもの)を処方(静脈注射)してもらいました。

倶知安から札幌まではバスだと3時間くらいはかかるのですが、ヘリだとなんと20分でした。早すぎ。幸いにもこの日はとても天気が良く、ヘリの飛行には問題ありませんでした。1日前は風もあり雪も降っていたので飛ばなかったかもしれません。ドクターヘリのスケジュールが空いていたのも幸運でした。

あっという間に病院のヘリポートに到着し、またベッドからベッドに移動します。痛い。

受け入れ先は札幌徳洲会病院でした。ここに運んできてもらえたこと。それがかなりの幸運だったことを後で思い知ることになります。

今回の骨折自体はもちろん不幸な出来事なのですが、その中で数々の幸運に恵まれたような気がします。不思議でしたがとっても救われました。

救急チーム?数名がベッドを囲み、もう一度レントゲンとCTを撮影する流れになりました。またベッドからベッドへの移動です。もう勘弁してくれという痛みです。ほんまに痛いんよ。

レントゲンとCTの後だったか前だったか覚えてないのですがベッドに寝たまま上着を脱ぎ、院内着(薄いパジャマ生地の浴衣)に着替えさせてもらいます。とにかく左側を動かすと痛いのでどうにか右側を下にして体を浮かせるような感じで着替えさせてもらいました。とにかく動けません。腰を固定すると人間ほんとになんにもできなくなります。寝たきりです。上半身と右足は動かせますが手の届く範囲しか自由が無くなります。

点滴も始まりました。心電図も始まりました。血中酸素濃度を測るプラグも指先に付いていたように思います。身体からさまざまな管が伸びていきます。

何時だったんだろう。事故から2時間か、3時間か。時計の無い部屋でした。

手術室のような立派な照明が天井についている広い部屋に1人ポツンと待機しているとついにあいつが、やってきました。

そう、尿意です。

続く

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