結局、自分で首を絞めている。じゃあその手を緩めるのも自分しかいない
「まさかだけど明日の夜都合どうですか?」
10日、未読スルーが続いた。
彼からリスケ候補が出ずにいた。
こんなことは慣れっこなはずなのに毎回、ほんと毎っ回に落ち込むし、今度こそ飽きられたか…?と半泣きになる。
10日も経てば思案してる可能性よりも
そもそも会う話をしたことを忘れている方に天秤はおのずと傾いた。
落胆と焦りの狭間で、我慢ができずにいた。
私が何も気にしてませーんみたいなフリをして「週末の夜都合どうですか?」と送ったけど、当たり前に玉砕した次のLINEで、まさかの提案だった。
なんとか都合をつけるけれど急に決まったデートなのでタイムリミットは1時間半程度。
それでも会えるなら喜んでとしっぽをぶんぶん振ってしまう自分が情けない。
彼が提案した居酒屋は、私たちがこんな関係になるきっかけの居酒屋だった。
その時(まあいうなれば、付き合った日)以来にやってきたお店だったのでなんだかこしょばい感じがした。
お互い、家事を育児をしてやって出てきたことを話す。
彼は、家事も育児も役割としてしっかり担っているので気軽に出てこれるはずもないことをよく知っている。
「晩御飯は作り置きにしてるから朝に用意して出てきた。仕事が残業になりかけたけど、定時ダッシュしてきたよ。」
彼の少し疲れた表情。なのに、いろんなことを終えた先に私との時間があること。
私に寄りかかって座るカウンターの席。そのまま私に埋もれてしまえばいいのにって、なんか独り占めしたくなる感じだった。
私はこの日、珍しくお酒をセーブした。
体調が悪いわけではないがなんとなく家に帰ってから酔っている自分は良くない気がした。
ドタバタで決まって、私は夫にいろいろと「あとはよろしく!」と言って出てきた身だから、なんとなく家事の残骸がある気もしてた。
1時間はあっという間に過ぎた。
思い出深いお店なのに、そんな話はあまりせず
日常の話をしてた。
私が、最近仕事面白くないねん〜。って話をした。本当に面白くなくなってるのよ笑
たぶん、バーンアウトに近いのかなって。大きな案件がほぼ解決に向かっている。
私、年に一回くらいあるかどうかでこのバーンアウトがやってくる。前はたしか2年前だった。
すると、彼は
「うちに来ない?」っていたずらに笑顔で話す。
何度かオファーは受けてるけど、冗談だと思ってたし、いつかね〜なんて返事をしてた。
でも、この日は珍しく働き方のことまで聞けば教えてくれた。
彼とまた一緒に働ける、それは夢みたいな話。
毎日彼に会える、話せる。夢みたい。
思えば2年ほどは一緒に働いた。仕事のことだけじゃなくてどうでもいいことも話もいろんなことを毎日話していたなあって思い出す。
私のメイクが変わればわざわざ言ってくるし(正確に言ってくる)、新しい服を着ればそのことも言ってくるような人だったんやけど、その時は「よく気づく人やねんなあ」くらいだった笑
今思えば、だいぶ好き好きアピール出してたのに私はそんなことは微塵もないと思ってたんよね。
だってそれはお互い既婚者で子どもまでいるのだから。
話は戻るけど
一緒に働いたら、あとの未来がしんどいなあって即座に思った。別れたあと、私辞めるしかないなーって。また転職活動するんかよってのが重荷になる。あと、他の人と仕事とはいえ話してる姿や仕事とはいえ飲みに行ったりするのも、軽くヤキモチやいたり仕事のことでイライラしたりするのも面倒くさいなあって思ってさ。
近くにいるのにそれ故にしんどくなることもあるだろうなって思うと二つ返事はできなかった。
付き合う前に一緒に働いてたのと、付き合ってから仕事を一緒にするのは似て非なるものなの。
後者は理想だけど、私にとってはかなりリスキーなのかもしれないなあって思う。
「今より時給、倍出すからさ」なーんて、そんな偉いさんの立場でもないのに言ってくる彼がどこまで本気で私を引き抜こうとしているのかを探るのはやめた。
お店を後にする。
手を繋ぐ瞬間はいつもドキドキする。
好きでいてくれてるんだって実感できる。
行動として受け取れるから安心する。
この日は別々に帰る日だった。
送る道すらがら、どうしても今日のうちに確認しておきたいことがあった。
ねえ、今回みたいにリスケの提案がこない時ってあなたはどういう状況なの?笑
「予定が立ちそうにないと送るのは嫌だからなんとかできないかなって考えつつ、じゃあ具体的に日を提示できるかと言われたらできなくて、う゛ーーってなってるとき」
、、、子どもかっ!
何か送ってくださいよって思わず言ってしまった。勝手にだけど、仕事の調整してたりあえてこの日はやめとこかなってリスケに対応できるよう配慮してたんですよ、勝手にですけどね。
たしかに今回は本当に偶然が重なったのも事実。でも私が一言送ってなかったらたぶんこの偶然すら生まれなかった。
私は何か一言もらえたら安心するし、今月無理なら無理でそっか残念だなあって思うけど仕方ないことだしね。何度も言ってるけど、スルーされてる生殺し感がしんどいと伝える。
ごめんねって謝る顔がずるい。
結局許してしまう。
でも、やっぱりわかってなさそうだと思ったので意地悪なことを言ってしまった。
あなたは別に私から連絡が来なくても「飽きられたかな」とか「どうでもよくなったかな」とか思うことないでしょ?心が乱されるようなこと、ある?
「乱されるかあー、、、。でも、どうしてるかなーとか会いたいなあとか思ってるよ」
見事に質問をスルーしつつ(アリかナシかでいうと無いんだろうな、羨ましいわ笑)、最適解を出してくるあたりは賢いよねえ
でも
この質問をした時に困った顔をしてた
目を細めて苦笑いする表情は時々私が意地悪などうしようもないことを言った時にする顔だ
プラトニックな理由を問うた時もこの表情だったから、きっと彼にとってはキツい質問なのかな
プラトニックの本当の理由を話すのもだいぶ時間を要したから(私にとっては長らく本音を聞けずにいたと思ってる)、リスケの再提案できない本当の理由はもっと根深いところにあるのかもしれないなあって夜風に吹かれながら、分かりもしないことに自分なりに折り合いをつけようとしていた
「あとそれと…」
「残業してるとやっぱり仕事のことをメインで考えてしまうし、上が働いてる中で切り替えるのが難しくて…」
(黙って聞いてみる)
「今日は定時退社するぞって周りにもある程度宣言してから帰らないといけない風潮なのと、仕事はいくらでもあって…」
(そろそろ我慢できなくなる)
「だから、今回みたいに急に仕事の調整がついて帰ります宣言をして、ある程度上司たちにも了解じゃないけれど疎まれない範囲でやろうと思うと…」
思うと?なに?
思わず聞いてしまった
「平日に休みを取るのがなかなか難しい」
「子どものことで突発的に休みも取るから」
「週末は子供達と過ごしたい」
うん、わかってる。
引き抜かれて転職したとはいえ、まだまだ新参者の立ち位置なのも分かる。
天下りのジジババが多い職場なので、残業せずに帰るのは風当たりがキツく感じるんだろうね。
家族のことで休むのは当たり前。
共働きだし、週末に家族がきちんと揃うタイミングで家族と過ごすのも当たり前に大事。
それは私も同じ。
いろんな「分かる」がある分、私と会うことがどこの位置にいるのか、彼にとってはすごく低い位置にいてる気だけが先走る。
頭と心は繋がってるようで別々に働く時がある。
連絡くるまではそっとしておいた方がいい?
婚外関係じゃなくて友人に戻る?
もうこの関係、辞めにする?
寂しい会いたいでも…。
もう
めんどくさくなってきた。
そんな言葉が喉元まできてしまっていた。
冷静さがあと、1mmでも蓋をずらせば言葉として出てきてしまう。
ふぅとため息をついて私から出た言葉
こっちから打診するのはありなの?
どうしていいか分からなくてうずくまってるくらいなら、私が打診したことにイエス、ノーだと答えやすいのかな。
「それはOK。むしろ助かる!」
「会えないとは言いたくない。でも会えないかもしれない。でも、もしかしたら会えるかもしれないを探してる時だから、提案してもらえると答えやすいかな」
よし、今回は私の冷静さが勝った。
今までの経験から、感情的に放つ言葉は取り返しがつかないことを知っている。
私だけが主語になると関係は破綻する。
私だけが寂しい
私だけが我慢してる
私だけがいつも無理してる
私だけがすぐ動けるようにしている
でもそれは
私が彼に会いたいからそうしてる行動であって
彼から「そうしてくれ」と指示されたことは今まで一回もない
結局、自分で首を絞めている
じゃあその手を緩めるのも自分しかいない
私の本音は、まだまだ彼と一緒に過ごしたいんだった
冷静さの蓋がずれていくのをギリギリで止めたのも私だった。
私たちはプラトニックで月一会えるかどうかの関係性。会ったとしても3時間くらい、年間にしたら12回程度かあ。
LINEは連絡ツールであって、コミュニケーションをとるツールではない。
濃度が薄い薄い中でいつまで続くか分からない
やっぱり身体の関係がない分、何を旨み(言い方w)にして付き合っていくのか正直わかんなくなりつつある
正直なところ、彼の存在は上書きできない位置にまできてしまった
ミモザのハンカチをぎゅっと握りしめて
彼を見送ったのもなんだか愛だなとお酒が入っていないのに酔ってしまうくらいに、実は冷静さを欠いていたんだよね、きっと。
来月はどうなるのかな🎋💫
もうしばらくは一緒にいれますように
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