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こんな日に思い出すのは、彼女のこと。

彼女は、80歳をいくつか過ぎている
彼女は、今でいうワンオペをしてきている
彼女は、ピアノの奏者でもあり今も現役

彼女は、やりたく無いことはやらない
というかやれないらしい

彼女は、あっけらかんとしていて
怪我したことさえ忘れることがある

この前は、友人とお茶するために
大阪日帰りをしてきている
流石に、翌日疲れたわと言う



ストレッチトレーナーとして、彼女の担当になって5〜6年が経つのかな?

セッション中よく話題となるのは、人生観というやつだと思う。私は、彼女が過ごしてきた時間のうちまだ半分にも満たないけれど

「あゝ分かる〜」

お互いケタケタ笑っていることがほとんど。

この前は、ゴールは決まっているよね。
皆んな同じで、死ぬということ。

「本当、そうよね。
私でもやりたかったこと沢山あるわ」

と仰るので、今からそれできないですか?
できるものもあるのではないかと問う。

「えぇ〜今はもうできないわ」

と笑っていた。

やりたかったことはなんでしたか?
なんとなくだけれど、明確に聞かない方がよいような気がして、言葉を引っ込めた。

「並ばないと買えないんですって〜」
と言い、さらりと袋を手に握らされる

セッションする日以外に、お顔を思い出して頂けるって有り難いことだなとしみじみ。


今日みたいに晴れた日は、彼女のことを思いだす。

「くよくよしたってしょうがないじゃない。
ねぇ?だって忘れちゃうもの」

「もう覚えてられないのよ。あはははは」

と、口にする。

太陽みたいというよりは、青空みたいな彼女だなと思う。

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