お店で買うのが好きなのだ
子供の時から服は好きだけれど、服を着ることが好きになったのは、随分大人になってからだった。お店に入ってするルーティーン、一番に目に入ってくる、一番派手な服を手に取ること。もう、誰が着るんだろう、どこへ着ていけばいいのだろうという服は、確実に鏡の前で自分にあてている。そして、割かし、服に負けない自分に笑ってしまう。テロテロ素材でネオンカラーの水玉シャツ、まぶしいくらいロイヤルブルーのコート、弱そうなチンピラ風和柄のシャツなどなど。私の勝負に乗ってくれる素敵な店員さんがいれば、さらに楽しい。お店の人とは、つい話し込んでしまう。ブランドについて、お勧めの着こなし、お洋服の素材やお手入れ方法はもちろんのこと、気がついたら、服じゃなくて音楽やお笑いの話で盛り上がっていることも・・・。なぜか間に服があると、人と話やすい。服は鎹です。こうやって手に入れたお洋服たち。長く一緒に入れるように、お手入れして、湿気と虫から守り、季節の変わり目にはクリーニングでプロのお手入れ。勝負には勝ったけれど、日々服の僕として生きている。時々、平民がお姫様を嫁にもらってしまったみたいだ・・・と思うことも。いつになったら気兼ねなく、マスクも無く、買い物ができるようになるかわからないけど、いくつ年を重ねても、服と人との出会いを大事に、楽しく生きていきたい。