茶殻リサイクルシステム
こんにちは!デザインこねこの長嶺きわです。
先週の火曜日にメルマガの配信予定だったのですが、 インフルエンザにかかってしまい、本日配信させていただきます!
先日、湯河原でお打ち合わせがあり、 帰りに、十二庵さんに寄りました。
2022年の全国豆腐品評会で1位になった「香りのよせとうふ」と、 油揚げの中にチリビーンズが入ったお惣菜を購入しました。
「香りのよせとうふ」は豆腐の甘味が感じられて、 何もかけずそのままでも美味しかったです! 油揚げの方はトースターで焼いていただきました。
中に入ったチリビーンズ自体がとても美味しく、美味しいおつまみになりました。
茶殻リサイクルシステム
今回も、SDGsをテーマに、 17の目標から一つ一つを実施事例やイラストを交えながらご紹介していこうと思います! 第5回目は、目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」 です。
今回のテーマ:SDGs 目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」 持続可能な開発に向けてグローバル・パートナーシップを活性化する
「茶殻リサイクルシステム」の誕生
伊藤園が製造する「お~いお茶」などの緑茶飲料は、日本の荒茶生産量の約4分の1を取り扱うほどの規模で生産されています。このお茶は、急須で淹れたような味わいを実現するために、茶葉から直接お茶を抽出しています。その結果、毎年数万トンもの茶殻が国内の工場から排出されており、その有効活用が大きな課題となっていました。
茶殻は水分が85~95%と非常に多く、また温かいため、すぐに腐敗してしまうという特徴があります。そのため、これまでは主に堆肥や飼料として活用されてきましたが、茶殻の量が増える中で、他の方法で活用できる方法が必要になってきました。
茶殻を日用品や工業製品の材料として使うためには、通常、乾燥させる必要があります。しかし、茶殻10トンを乾燥させるには約500リットルの灯油を使い、その過程で約1.3トンの二酸化炭素が排出されてしまいます。これでは環境に負担がかかるため、乾燥なしで使える方法が求められました。
そこで伊藤園は、腐敗を防ぎながら、乾燥工程を省き、水分を含んだまま茶殻をリサイクルできる「茶殻リサイクルシステム」を開発しました。このシステムにより、茶殻の有効活用が飛躍的に進み、環境負荷の低減にも大きく貢献しています。
企業との共同開発で生まれた商品
「茶殻リサイクルシステム」を利用して共同開発し、環境負荷を軽減する革新的な製品が生まれています。
・「さらり畳」 共同開発企業:山中産業株式会社
「お〜いお茶」600ml ペットボトル
約3,000本分の茶殻を使用(6畳間の場合)
おばあちゃんの知恵袋(畳に茶殻を撒いて掃除する)から誕生した「お茶入り畳(さらり畳)」は、畳の専門商社と共同開発した日本古来の"もったいない精神"を現代風にアレンジした畳です。
「茶配合ボード」を畳床に活用しており、緑茶成分の働きによる消臭性などにより、快適な住まいを創造していきます。 実際に、販売店が煮魚などの気になるニオイを茶配合ボードと一緒に入れる実験を行ったところ、ニオイが大幅に軽減されたそうです。
茶殻の有効活用、木材の使用量削減といった点で環境に配慮した地球にやさしい畳であり、全国の畳店などで好評発売中です。
・人工芝(茶殻入り人工芝充填材)「Field Chip G(GreenTea) 」共同開発企業:ミズノ株式会社
「お~いお茶」600ml ペットボトル 約38万本分の茶殻を使用
サッカー場1面あたり(サッカー場1面:約8,000㎡)
子どもやスポーツ選手などに安心してご使用いただけるように、茶殻を配合した国内製造人工芝充填材 Field Chip G(GreenTea)を開発。
Field Chip G(GreenTea)は、黒ゴムチップの充填材と比較して、ゴム臭が無く、表面温度の上昇を約7℃抑制します。また、茶殻にはお茶の樹木(植物)が吸収した二酸化炭素が蓄えられているため、茶殻をリサイクルした本製品は、サッカー場1面あたり大気中にある約4.3t-CO2の二酸化炭素を削減している計算となります(※1)。なお、約4.3t-CO2はサッカーボールに換算(※2)すると約12,000個分になります。
(※1) ヤナコHCNコーダー MT-700HCN型(ヤナコ分析工業㈱製)により炭素量を測定
(※2) 直径70cmのサッカーボール(体積 約179,594cm³)を用いて、理想気体(標準状態)で計算
・茶殻入り名刺 共同開発企業:北越コーポレーション
「お〜いお茶」600ml ペットボトル 約1本分の茶殻を使用
100枚あたり(名刺:91mm×55mm)
多層抄き紙の中層に茶殻を配合したお茶の香りがする名刺です。
伊藤園の全社員が使用している伊藤園オリジナルの名刺だそうです。
・茶殻入り段ボール 共同開発企業:レンゴー株式会社
「お〜いお茶」600ml ペットボトル 約2本分の茶殻を使用 1ケースあたり
中芯原紙に茶殻を配合した段ボールです。茶殻を配合することで古紙独特のにおいを低滅し、かつ限りある資源である古紙の使用量を削減することができました。
段ボールからは、ほのかに茶葉の香りが漂い、好評だそうです。
いかがでしたでしょうか?
今回ご紹介した伊藤園の【茶殻リサイクルシステム】は、SDGsの目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」としてご紹介しましたが、他にも以下の目標とも関連しています。
目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」
目標11「住み続けられるまちづくりを」
目標12「つくる責任 つかう責任」
伊藤園はSDGsが制定される前の2001年からこの取り組みを開始しており、企業として環境に対する責任を早くから意識していました。このように多くの企業が、SDGsが制定される前から積極的に環境対策を行っていることは素晴らしいことだと思います。その取り組みがSDGsの普及によってさらに広まり、今後ますます多くの企業が持続可能な社会の実現に貢献することを期待しています。
また、伊藤園と協力企業との共同開発商品が、茶殻のリサイクルから発展した新しい事業となり、未来に向けて広がっていくことに大きな可能性を感じました。
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