VRChat内の展示会「パラリアルトーキョー」に見る博覧会的祝祭空間 #Vケット
昨今のご時世により、仕事やプライベートでイベントを作っている身として、イベントのオンライン化、バーチャル化に関心を持たざるを得なくなりました。そのテクノロジーの一つであるVRも、cluster内の勉強会で登壇してみたり、そのためにアバターを作ったり、少しずつ触っています。
ソーシャルVRの中核的なプラットフォームであるVRChatについては「入るとセクハラされる」というイメージがあり「気になるけど怖いなぁ」と思っていたのですが、今回、一緒に入ってくださる方がいたので、VRChatに初チャレンジ。
はじめて訪問するワールド(ひとつづきの3D空間、というべきか)として選んだのは、ちょうど会期中だった「バーチャルマーケット(Vケット)」でした。
「バーチャルマーケット」は、VR法人HIKKYが主催する、世界最大のVR空間内のイベント。同人系即売会イベント+企業ブースのバーチャル版、といったところでしょうか。3Dアバターをはじめとした、VRChat内で使える3Dの素材が展示されていて、BOOTHなど販売サイトへの誘導があり、購入が可能になるということです(なので即売はできない)。VRChatで実際どう見えるか、スケール感はどうかなどを試すことができるということでした。
私は今回、はじめてVRChatに入ったため、デフォルトのロボットみたいな格好をしており「バーチャルマーケットに着ていく服がない!」と言っていたので、まずは「アバターショーケース」というワールドに行きました。アバターショーケースはショッピングモールのような空間で、ショーウィンドウに多数のアバターが展示されています。中には、実際に試着できるものもありました。私は、無料配布しているこちらのアバターを使わせていただき、その後のおでかけを続けました。
会期終わりも迫っていたので、あまりたくさんは回れなかったのだけど、VR内イベントのエコシステムを体感したく、企業ブースが集まっている「パラリアルトーキョー」はどうしても見なければと思い、行ってきました。
パラリアルトーキョー、名前がいいですよね。「パラリアル=並行現実」ということで、平行世界の東京の姿をVRに投影しているのが伝わります。あと、なんか聞き覚えのあるフレージングかと思ったら、パリにある現代美術センター「パレ・ド・トーキョー」をもじったのかなとも。パレ・ド・トーキョーは1937年のパリ万博の際に建設されたもの(東京との関連って何かなと調べてみたところ、特に関係はないそうです)。パラリアルトーキョーに、現在のVR内でできる表現を詰め込んだ、博覧会的装いを感じました。
ここからは写真多めでお送りします。まずはエントランス。
数々のスポンサー。テクノロジー企業のほか、セブン&アイ、TOHOシネマズ、伊勢丹、WEGOなども。
エントランスでまず目についたソフトバンクのブース。ビッグサイトのビジネス系展示会にも近い意匠を感じました。
そして、展示してあるアバターと一緒に、自分が強制的に踊らされるというのはVRやアバターを用いているならではの体験だと思ったり。実際のリアルの展示会ではそういうの難しいですよね。しかし、身体性が希薄なので自分自身では踊った感じがあまりない。
パラリアルトーキョーは、なんといっても東京のランドマークをギュッと詰め込んだ空間! 少し歩けば映えに当たる! ちょっとスケールの小さめな土産的キッチュ感だったり、「あぁ、きっと一昔まえ夢見てた未来なんだろうなぁ」だったり、そういう感覚を覚える、ぐっとくるものがありました。
セブンイレブンは再現度が高い。モデリングしたり、写真を貼り付けたり。そして(リアルの)グッズも展示・販売(ECサイトへの誘導)がされている。
WEGOは3D衣装を展示・販売している。
伊勢丹では、服や靴などの3Dモデルが展示・販売されていました。パネル展示に描かれたイラストが、現状のVRカルチャーと遠い感じのテイストで興味をひきました。しかし文字が小さくて、VR空間内における展示UXなどについても考えたり……。
とらのあなVR店では、実際に本を立ち読みすることができて面白かったです。
そしてこれは、コトブキヤさんのフィギュアの紹介ブース。どうやらフィギュアの販促のようなのですが、展示してあるフィギュアに近づくと、VR内でさらにVR空間に入れて、そのフィギュアが等身大のスケールで存在しているのを体感することができる。これは展示にありかたとしておもしろいなと感じました。
最後には、スタッフロールや支援者の方々のお名前の紹介など。これ、今見ると新国立競技場なのかな?
他にもたくさんのブースに訪問して、はじめてのVRChatを存分に楽しみました! しかし、結構身体がツライ。酔うのもそうだけど、眼前にディスプレイがあるのがキツイ。現実の展示会も疲労するけど身体は動かせて運動になるから、そことは違う悩ましさ。
それで、昨日はこういうnoteを投稿して、たくさんの反響をいただいたんです。
Vケットが楽しかったので、日曜にVRoidはじめて触ってみて、余暇にできる限りの検証して、火曜の夜にこのnoteを書くというスピード感、我ながらうまくやったのではなかろうか。VRoidとclusterの両プラットフォーマーにこの意見が届いたし、アバター作ろうとした初心者や、xR関係者、ソフトウェア開発者までいろいろな方の議論のきっかけとなれたんじゃないかな、と思っています。
はじめは「セクハラされるのが怖い」と思っていたVRChat。実際行ってみるととっても楽しかったし、作ってみたいものも湧いてきたから、もっと誰もが楽しめる環境になるといいな、と願うばかりです。