![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/38142722/rectangle_large_type_2_d383eaa9a089044071359d367c94e665.jpg?width=1200)
情報感度を磨いて最強の武器にしよう
日々仕事をしていて、切実に思うことがある。
膨大し続ける様々な情報に、油断すると知らない間に流されてしまいそうになる。
プライベートでの生活情報も巷に溢れかえっているが、ビジネスに限っても、刻一刻と情報量は膨大になる一方である。
しかも、これらの情報は玉石混交。
特にインターネットの急激な普及により、いわゆる“ゴミ情報、ムダ情報”も相当混じるようになった。
このような時代になると、自分のビジネス活動に有益な情報のみを発掘し、情報を有効に活用する能力(ある意味、情報リテラシーとも言える)がこれからのビジネスパーソンにとって最重要であることは疑う余地はない。
もちろん、分野やテーマに寄って差はあるが、情報を活かすか殺すかは、これからのビジネス活動ではますます深刻なテーマなのだ。
今から20年ほど前に、堺屋太一氏が、著書”知価革命”で、情報化社会の到来を予告していた。
アマゾンのブックレビューをそのまま引用してみよう。
世界と日本の「次なる社会」を大胆に予測し、日本中に衝撃を与えた話題の書。
本書は「脱工業化社会」の仕組みと実像を
探り明かし大きな脚光を浴びたが、
事実、世界は著者が提示した「知価社会」に向けて大きく動きだしている。
「知価社会」とはいかなる社会なのか。
これまでの工業社会のパラダイムとはどう違うのか。
―現代という時代の巨大な転換点と、その将来の方向性を見定めるための必読の書。
その頃は、私もサラリーマン経験10年程度の頃。
その言わんとすることが、すべてクリアになっていたわけではないが、衝撃的な本であったことをいまだに鮮明に覚えている。
今はまさにその時代がやってきたと実感できる。
一言で言えば、情報を制するものがビジネスを制する時代がやってきたのだ。
これは、大企業の経営戦略は言うまでもなく、中小企業の生死を決める要素としても、あるいは、ピジネスパーソン個人のパフォーマンスに関わる部分まで、すべてに当てはまることなのである。
先に説明した情報リテラシーの中でも、真っ先に磨くべきスキルは情報感度だ。
情報感度を私はこう定義している。
“自分(あるいは、自分の属する組織、チーム)が成果を挙げるのに必要な有益な情報を見つけ出し即実行するスキル”
私たちは、事あるごとに、
『チャンスの神様の前髪を掴まないといけない』
と教えられてきた。
これはビジネスに限ったことでもない。
私の今までにおける人生の実感としても、チャンスというのはほぼ皆平等に訪れている。
しかし、それを見逃している人が、どれだけ多い事か!
チャンスを発見して、即行動しないと、チャンスは当人が気付かないうちにするりと通り過ぎていく。
常に好奇心をもって、ボジティブシンキングである人が、前髪”をつかみとると確信している。
実際、そのような体験も数多い。
実は、情報もこれと同じだ。
さまざまな活動、実りにつながる『きっかけ情報』は皆平等に訪れている。
しかし、それを見逃してしまってはチャンスをつかむことはできない。
きっかけ情報をとらえることは情報の前髪を掴む事なのである。
では、どうやってそれを実現するかだ。
最も重要なのが“敏感なセンサー”を持つことだ。
ビジネスは情報を知るか知らないかで、仕事の結果が大きく左右される。
だから、知るということに、まずは全精力を傾ける。
当然、この中にはゴミの山から宝物を探し当てるスキルも含まれることになる。
このような敏感なセンサーを日々、磨き続けないといけない。
子供の頃を思い出して欲しい。
好奇心旺盛な無邪気な頃のことを。
誰彼なく、「あれ何?、これ何?、どうして?」と親や周囲を困らせていたときのことを。
センサーとは、実はこういうことでもある。
私の身近でも、情報感度が高い人は年配の方でも皆、いくつになっても好奇心旺盛である。
ワクワクするような人生をおくり、満喫されている。
ところで、社会に入る前の若者はどう考えればよいだろうか。
人生経験の浅い若者が多くのことを一朝一夕に身につけるのは困難だ。
だからこそ、感度を磨く第1歩として、少なくとも、『社会』に対する情報感度だけは、磨いて欲しいと思う。
理想で言えば、小学校低学年ぐらいから。
それは、環境問題、食糧の問題、温暖化の問題、戦争の問題など・・・。
ただ現実的には、今の日本の教育のしくみでは、大学1年生になった時が勝負だと思う。
受験勉強から開放されるこの時期がベター。
就職活動が近づいてきて、社会の勉強を始めても遅い。
それでも就職活動をきっかけに社会に関心を持つようになるだけでもまだマシだが・・・。
最悪なのは、会社研究に明け暮れ、半年も1年もかけて、最終的に到達できたレベルが、「個別の会社を多少は目利きできるようになりました」ではあまりにも寂しいし、もったいない。
最後に、もうひとつ付け加えておくと、現在はIT社会である。
IT環境の中で、どこに行けば、どんな情報に出会えるかも、よく把握しておく必要も忘れてはならない。
このことは、また後日、書きたいと思う。
(本記事は、ブログ「近藤昇の会社は社会の入り口だ」に、2010年2月6日に投稿したものです。)