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“誰が聴くか”は大事だが“誰に聴いてほしいか”も重要

コロナ禍発生以来、私が経営するブレインワークスでは、この約1年で、200回以上のオンラインセミナーを運営している。

そして、私も結構な回数、スピーチした。
色々なやり方を試すことや仕組み創りも目的であったので、オンラインセミナー考えられることはどんどん試行している。

多くの講師にも登場いただき、とても充実した新鮮なセミナーが展開できている。
今後も、まだ、つながりのない方々も含めて、世界中の様々な分野で活躍される多様なスピーカーに登場していただく予定である。

20年以上前から、オンサイトセミナー(いわゆる会場セミナー)を数多く企画運営してきた。だからセミナー運営や講師のプロデュースなどに関しては、十分な経験とノウハウがある。

ただ、これほど短期間に多くの講師の方と集中的にかかわったことはかつてなかった。
総勢200人以上の方々に登場いただいたことになる。おかげさまで、経営者、専門家、大学教授、外国人、ビジネスパーソン、シニア、学生など多様なスピーチを提供できている。
こういう方々と、オンラインセミナーの企画と講師依頼を進めてきた中で、結構、新鮮な発見が幾つかある。

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スピーカーの殆どの方が共通して意識されていることがある。
それは、自分の話を誰が聴くのか?である。
当たり前の話だが、一般の人の理解としては、セミナーで話するときは、目の前に人がいることが前提だ。
そうすると、会場セミナーであっても、ホテルの講演会であっても、聴講者の顔と反応を確認しながらのスピーチが基本だ。私は、オンラインセミナーと区分して、人前で直接話する形態をオンサイトセミナーとしている。

セミナーで、誰かに対して話をする時、実に色々なパターンがある。聴く相手をイメージをして話の内容を準備する方が的は絞りやすいし、話の組み立てがスムーズだと考える人の方が多い。

例えば、私が、経営者に対して話するのと、大学生に対して話するのではセミナーの内容はかなり違う。
ただ、大学生に対しての話を聞きたい経営者もいるだろうし、経営者向けのセミナーを聞きたい大学生もいるだろう。聴き手も多様だ。

経営者向けセミナーに大学生が混ざっていると、講師のこちらとしても気になるし、会場に集まった聴講者も大学生の存在を意識するだろう。
結局、長年オンサイトセミナーをしてきて思うのが、聴講者も聴講者の存在と反応も意識して、講師の話を聞いているということだ。

では、オンラインセミナーであれば、スピーカーはどういう感覚だろうか?

今どきのオンラインツールは、日々、機能アップされるのと、提供するサービス会社によって、使い方や仕様が違う。一概には言えないが、基本的には、聴講者はお互いに誰が聴いているかは分からない。ただセミナーのテーマで想像はできる。

テレビであれば、紅白歌合戦を誰が視聴しているかは、そういう類の調査データを見ればある程度察しはつく。

オンラインセミナーでもライブは特別だ。
録画という事になると、オンサイトでもオンラインでも録画になった段階で扱い方は一緒だろう。

もちろん、オンサイトの場合は、オフレコ前提であれば、ライブでのその場限りになる。だから、内容もスペシャルになる可能性は高い。

逆に言うと、オンラインが気軽にできるようになった時代に、オンサイトに求められるスペシャル感は高まっていると思う。

オンサイトセミナーを主催するときに、事前に聴講予定者が誰か知りたいという声は意外と多い。
個人情報の問題があるので、最近は、このあたりもなかなか難しくなっているが、経営者主体なのかシニア主体なのか学生なのかは、概ねお伝えしている。

オンラインセミナーも似たように考える人もいるが、私は全く逆の発想も取り入れてセミナーして来た。それは、誰に聴いてもらいたいかである。

感覚的なものではあるが、オンラインセミナーでは基本的に視聴している人の顔は見えない。だから、仮に視聴している人の特性を知っていたとしても、本番はイメージで話することになる。顔は見えないのだから。

だから、私はその延長線上で、今聴いていなくても、いつか聴いてもらいたい人に向けて、話してきた。
そうすると、自分の話の内容にかなり、今までになかった緊張感と楽しみが芽生えてくるのである。
誰が聴いているかも大事だが、誰に聴いてほしいかにトライするのもぜひおすすめしたい。

以上