明け方の神戸の街を歩いて思うこと・・・
常時海外にいた頃と比べると、最近は、地元神戸の街の味わいが変わって来た。
私は、時々、自宅からオフィスまで歩く。距離にして約2.5キロ。普通に歩いて、25分程度。たまに、朝日を眺めたり撮影したりすると合計で1時間近くなったりする時もある。
同じ道を通るのが好きな人もいるが、私はどちらかと言うと、どこへ行っても海外でも、できるだけいつもの道とは違う道を歩きたいタイプだ。それは、普段は見かけないものに出会うことが多いからだ。特段、ルーチーンを私は気にしない。
そんな訳で、私は時々、オフィスへの道中で遠回りをする。
どの季節でも早朝の街は面白いのだが、秋の今、結構、居心地よそさうに色んな人たちが、大人数ではないが、早朝から活動している。
自宅からポートライナーに乗って三ノ宮駅で降りるというルートも私の好みだ。
三ノ宮駅から、海側にフラワーロードを下って行くと、オフィス街があり、洗練された都会の雰囲気がある。そこを通ってオフィスまで歩くと、ビジネスモードが一気に高まる。
その一方で、山側から歩くと、全く別の神戸だ。歓楽街がそれなりにあり、日中も人は多いし夜もにぎやかだ。神戸はコンパクトな街で、様々な顔が同居する。JRの線路を挟み、山側と海側のコントラストが面白い。どちらも神戸である。
ガード下の商店街も早朝に歩くと、人通りがなくひっそりしていて、感じるものが全く違う。
山側を歩く時に、最初に出会うのが大抵深夜族の若者だ。新しく出来た広場で若者がたむろしている。自分が今の大人感覚で、彼らを見れば、夜更かしも過ぎると注意の一つもしようかとも思わなくはない。しかし、自分の学生時代をオーバーラップさせれば、皆同じ道を通るのかと妙に納得したりする。
三宮や元町のそれなりの商店街も早朝は、当然ひっそりとしている。そんな中、荷物運送のトラックが何台か荷下ろししている。こういうエッセンシャルワークの仕事は常に身近で感じていたい。
田舎での早朝の静寂感は私は大好きだが、こういった神戸のようなちょっと都会の早朝も、昼間や夜とのギャップの中での、静けさがたまらない。
しばらくすると、人々の活動が本格的に始まり、通勤の人達が、始業時間に遅れまいと、一目散にオフィスに向かう。東京や大阪ほどではないにしても、日本人の会社員の通勤ラッシュもどきに遭遇する時もある。
私の仕事柄、今のところは、早朝から仕事している人、活動している人との接点はあまりない。
子供の頃、農家の両親は、日の出とともに仕事していた。
私も今でも朝は早い方だが、こういうひっそりと静まり返っている時に、ひっそりと仕事する感覚も嫌いではない。いつかそんな仕事をしてみたいと思う、今日この頃である。
早起きは三文の得とよく言われるが、夜型一辺倒の人には、ぜひ、早朝の身近な街を知ってほしい。そうすると、別の社会が見えてくると思う。
以上