【現代短歌】ローファイでいきましょ
冬は好き、夏は嫌いで秋も嫌い、春は好きだが見たことがない
さみしさを紛らわすために磨いたさみしさでできた顔と身体よ
生まれ変わったらしまうまのお尻みたいに間抜けになりたい
『loveless』を聴いて雨に降られたから5月10日はマイブラ記念日
色彩を欠いた惣菜コーナーに魔法が貼られたから見てしまう
こんなことから始まるのね恋っていつも私の死角に潜んでる
採れたてのスイカみたいに思い切り腹式呼吸で生きていこうよ
限りなく宇宙に近い世田谷で目を閉じて僕のインナージャーニー
中秋の命日にひとつぶの団子●「月並みね」って、言っておくれよ
飛んで火に入る夏の虫 飛べないわたしは、わたしは、ただの弱虫
体重はりんご3個分だったけど今は抱かれてみないと不明
明日は2人でピクニックだから下手な口笛吹いてもいいよね
わたしってこんなにひどい顔だっけ、鏡よ鏡、ウソだと言って
あいつもこいつもあの人も男はみんなシュレディンガーの童貞
安売りをしたくてしてるわけじゃない自分じゃ価値がわからないだけ
長生きの秘訣は「さっぱりわからんね」110歳まで生きたら言える
白線の上をぴょんぴょん飛び跳ねるあの子はこの街の調律師
日傘ってきれいな影をくれるからうれしくなって出掛けてしまう
ほくほくの目顔で下手なビートルズあなたってほんとわかりやすい
ローファイでいいのよ全てローファイでローファイでいきましょローファイで