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【現代短歌】群れたち(会社人)



袋から溢れかえったゴミたちが捨てた者より生き生きしてる



お昼明け上司の機嫌が直ってる今日も大谷が打ったみたいだ


首傾げスマホを肩と頬で持ち両手は何を抱えているの



今日もまた通勤列車で見かけた顔馴染みの全く知らない男



高熱でうなされている時に遠くからカネコアヤノの音が聞こえる



触ってみなよ心もね脳みそみたいにとんがってるよ



さんぽみち工事現場の歪んだ音にロックンロールの産声を聞く



あの人が仰ぐ団扇に肖って意外な香水の匂いにときめく



退屈がバレてはいけない式典で膨らむ鼻腔がわたしを裏切る



飛びそうで飛ばない埃のしぶとさに尊敬の意を込めふーっと息吹く



情報を詰め込みすぎて熱くなるコンピューターの人間味が好き



お医者さん治してくれとは言わないが僕の心に病名をちょうだい



じわじわと損なわれていく携帯の残バッテリーとわたしの休日



「喧嘩したんだ」とかわいいパンを選ぶ背広が似合いの上司



普段使わない筋肉を酷使する人間社会にため息をつく



ぞろぞろと雁首揃えてお前たちどこにも希望はなかったのかい?


上長に怒られている同僚の後ろ手サインで飲み会決定


テレワークやりたいことが多すぎてマルチタスクが加速していく


ブラインドタッチと言わずタッチタイピングというのよポリコレよ


「明日から来なくていいわよ」この人はプラダを着ていないだけの悪魔





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