保育園 園長先生の仕事 ~利用者負担額(保育料)の管理~

以下の記事、続きです。

利用者負担額は、応益負担ではなく、応能負担で金額が定められます。
「応益負担」は、利用者が受けた利益に応じて負担が決められる、という一般市場と同じ話です。

ジュース一本を得たら、ジュース一本の利益に応じた負担を求められる。
それは、ジュース一本を得た人によらず、誰でも同じ負担額です。

一方、応能負担は、その人の支払い能力に応じて負担が決められる、というパターンです。

保育料(利用者負担額)の場合、「支払い能力」は、市民税によって決定されます。市民税が高い人は、負担額が高く、極端な話、市民税非課税の方は、利用者負担額(保育料)はゼロ円です。

その金額は、私たち、民間法人が決めるのではありません。
行政が決定します。

私たちは、提供したサービスに応じた対価を受け取るわけですが、その一部を保護者から保育料(利用者負担額)という形で受け取り、残りの金額を行政から給付額等として受け取ります。

その総額が、私たちの提供サービスに対する対価として計算された総額になる、という流れです。

家庭により、また保育の必要な時間数等によって、利用者負担額が個々で変わります。

行政からの決定通知に従って、私たちは保護者の方に金額請求を行います。

ここで、決定された金額の変更が頻繁に発生する等、業務が多忙化してくると、保護者から徴収する金額、その徴収した金額を記録する経理上の金額、および、行政が指定した総額として利用者負担額、この3つの金額が一致しない、ということが生じます。

経理的にも経営的にも、決して正しいことではありません。
この3つの金額は完全合致が求められます。

ただ、利用者負担額の決定は、過去にさかのぼって変更されることも頻繁に生じます。特に在籍園児数の多い園では、その確認作業は膨大になります。

正しく、保育園を経営するために、園長先生の仕事は、こうした数字との闘いも非常に大切なのです。

今回、11月の利用者負担額計算は、非常に困難を極めましたが、結果としてすべての数値を合致させることができました。

この中には10月以前の清算も含まれているため、そのあたりを丁寧に抜き出して、12月分の保育料一覧として利用することが求められます。

これも非常に大変なこと。
数字との果てしないにらめっこが続きます。

園長先生という業務の一旦、想像いただけるでしょうか。

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近藤敏矢
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