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ミニエッセイ「私とブヌン語」
私とブヌン語の出会いは、23歳の時。修士論文のためブヌンのお年寄り達にインタビューをしようと、南投縣信義郷の村に1ヶ月滞在しました。
そこの民宿のご主人が、最初から「ブヌン語でお父さんはタマ、お母さんはティナ、というんだ。だから僕もタマと呼んでね」と色々教えてくれたのです。そこからどんどんブヌン語の世界に惹き込まれました。
なにせ村民は99%がブヌン族。村民の殆どはブヌン語で話し、そしてそのことに強い誇りを持っていました。
私が自作のブヌン語テキストを作っていると知るや、隣村からそれを見に来て添削してくれる人。非売品のブヌン語辞書をドサリとプレゼントしてくれる人。私が一つ質問すると、寄ってたかって「タケバカではこう言うぞ」「でもイシブクンだとこう言うよ」などと教えてくれる人々。
ブヌン語が、皆にとって、ものすごく大切な文化なのだということを、ひしひしと感じた日々でした。以来、ほぼ毎年ブヌンの村に通い、ちょっとずつ語彙や表現を増やしているところです。
とにかく、ブヌンの人たちは自尊心が高い。ブヌンこそNo.1!だと思っている人が多いと思います。私もよく「サニー(私のブヌン名)も、色が黒くなって、目を二重にしたらちゃんとブヌンになれるのにねえ」と言われます。余計なお世話じゃ!と思いつつ、それだけ自民族に誇りを持てるのって幸せだろうな、私達はそこに惹かれるんだろうな、とも思うのでした。
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