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映画 シビル・ウオー アメリカ最後の日をカメラマン視点で見ると

久しぶりのアメリカ映画大作 「シビル・ウオー アメリカ最後の日」 を見てきました。
全米2週TOPだとのふれこみですが、さて。

多少のネタバレを含む記事になりますが、ご容赦を。

結論から言えば、「映画館で見るべき映画」に入れたいと思います。

タイトルについて物申す!

Civil War

アメリカ🇺🇸合衆国からカリフォルニア州、テキサス州を含む19州がが離脱、独立した近未来の話。

いきなりですが、邦題の
「アメリカ最後の日」は、
まったく意味を為していません。
観る前に頭から消しちゃいましょう!

劇中ではアメリカは終わらないし。。。
大統領が暗殺されることで内戦状態は終わるのかもしれませんが。

映画のトレイラーで出てきた、ワシントンD.C.の派手な市街戦のシーンは、映画の終盤のひとつの見せ場ではありますが、この映画の本質はそこではありません。ワシントンD.C.のホワイトハウスに至るまでのロードムービーだといえます。

STORY
分断の果てに内戦が勃発したアメリカ合衆国。連邦政府から19の州が離脱し、テキサス・カリフォルニアの同盟からなる西部勢力と、大統領が率いる政府軍による激しい武力衝突が各地で繰り広げられていた。

「我々は歴史的勝利に近づいている」と訴える大統領の主張とは裏腹に、西部勢力はワシントンD.C.から200kmの地点まで進攻し、政府軍は敗色濃厚となっていた。ニューヨークに滞在中の戦場カメラマンのリー(キルステン・ダンスト)と記者のジョエル(ワグネル・モウラ)は、D.C.陥落を前に14ヶ月の間一度も取材を受けていない大統領への単独取材を計画する。D.C.までの距離は車で1,379km。リーの恩師であるベテラン記者サミー(スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン)
と、取材中に出会った若手カメラマンのジェシー(ケイリー・スピーニー)も前線のシャーロッツビルまで同乗することとなり、4人はニューヨークを出発する。

プログラムのStory 紹介より



ロードムービーとしてのCivil War

この映画は「ロードムービーだ」と書いたのですが、アメリカ映画の典型的な「のんびりとした移動の途中で、メインキャストがちょこちょことアクシデントに巻き込まれるロードムービー」を想像していると裏切られます。

2人の対照的な女性戦場写真家をストーリーの中心に据え、ロードトリップが進行してゆきます。ベテランカメラマンであるリーを尊敬しながらも、彼女を超えようとし虎視眈々とグレイトショットを狙う若い野心家のジェシー。
リーの視点から語られはじめた物語は、やがてジェシーの視点にシフトしてゆきます。

ジェシーは旅の途中で、時には勇み足でトラブルに遭遇したり、アメリカ人同士の陰惨な虐殺現場で目撃した事で落ち込むのですが、そんな経験の積み重ねが次第に彼女のメンタルを強く鍛えてゆきます。



カラーv.s.モノクローム リーv.s.ジェシー

この映画の演出で面白いと思ったのは、2人の戦場カメラマンが撮影したショットです。
それぞれが撮影した静止画がムービーの流れの中でストップモーションとして表示され、彼女たちが何を目撃したのかが語られる仕掛けです。(カメラマンが主役の映画やドラマではありがちな、珍しくない手法ではありますが、ひとひねりが効いています)

ベテランのリーは望遠レンズのデジタルカメラでカラー撮影をしますが、ジェシーが使うのはモノクロのフィルムを装填した一眼レフ。
道具の違いが視点の違いや、カラーとモノクロの表現力の差など様々なコントラストがあるので、どちらが撮影したのかがすぐわかるように見せてくれる仕掛けになっています。そして、その仕掛けが終盤のホワイトハウス突入シーンで好対照のいい味を出してくれるのです。


世代交代のドラマ?

リーとジェシーの年齢差は20歳ぐらいかなと想像します。リーは、ベテランの戦場写真家であり、報道写真家であり受賞歴があるような代表作を持っているようです。

一方、ジェシーは、モノクロームフィルムに対してこだわりを持ち続け、戦場カメラマンを目指していますが、戦場での撮影経験も殆ど持たないアマチュアに近い経歴しかありません。
戦場での撮影経験が少ないので怖さ知らず。その分だけリーよりも果敢に、そして無謀に被写体に迫ろうとします。

そしてホワイトハウス内の攻防の中に巻き込まれた2人は。。。

ここから先は、完全なネタバレになりますので控えておきますが、どのような形で新旧カメラマンの世代交代が行われるのかは、映画を観て確かめていただくことをお勧めします。

この評論が映画鑑賞のお役に立てれば幸いです。

👋👋👋



「3期目の任期中に後悔したことは?」「FBIを解散させたのは懸命な判断でしたか?」「米国民への空爆をどのように考えていますか?」。大統領への質問を想定しながら車を走らせる一行はガソリンスタンドに立ち寄る。紙幣価値が生きているカナダドルで支払いを済ませ給油を
していたところ、武装した男たちが“略奪者”と呼ぶ男を拷問している様子を目撃。ジェシーは凄惨な状況に狼狽する一方、リーは冷静に彼らを写真に収めていく。何もできなかったことを猛省するジェシーは「同じミスはしない」と固く心に誓う。
翌日になり、敵勢力と武力衝突する民兵グループに密着。ジェシーは銃撃戦の模様を撮影することに成功し、リーからもその実力を認められるようになる。避難キャンプで一夜を明かした一行は、平時を装う奇妙な町で小休止したり、僻地で正体不明のスナイパーと軍人による狙撃戦に巻き込まれながらもD.C.へと近付いていく。その後、記者仲間のトニーとボハイに再会して喜んだのも束の間、民間人の遺体を処理する残虐な武装集団に遭遇。「お前は、どの種類のアメリカ人だ?」
と問いかける武装兵(ジェシー・プレモンス)の狂気を前に絶体絶命かと思われたが、サミーの転機により間一髪でその場を脱出することに成功する。
やがて西部勢力の軍事基地があるシャーロッツビルに到着した一行は、政府軍が降伏したことを知る。D.C.を防衛するのはもはや僅かな残党のみ。一行は進軍する西部勢力の後を追い、遂に大統領のいるD.C.へと足を踏み入れるのだった。

プログラムより



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