《医師が解説》 ついにマイナ保険証への囲い込みが始まった！ さてどうする？お勧めの対策は？
フリーランスの医師でライター、ドクターＸもどきのGちゃんと申します。
2024年12月2日から政府は健康保険証の新規発行を停止し、マイナンバーカードに保険証の機能を載せた「マイナ保険証」に一本化したことになります。
平たく言うなら
「マイナ保険証使わないなら、もう保険証は発行も送付もしませんからねー！
マイナが嫌なら資格証明書を取りにきてくださいねー！」
ということなのだろう。
今後、医療機関で保険診療の診察を受ける場合には以下のいずれかになる。
①マイナ保険証を使う
②健康保険証を持参
③資格確認書の提示
ただし、１年後の2025年12月2日以降は全員が健康保険証は使えなくなるため
①マイナ保険証
②資格確認書
のいずれかを提示する必要がある。
従来の健康保険証は有効期限内であれば最長1年間は使うことができる。マイナ保険証に登録していない人は2日以降も健康保険証を持参すれば、所定の窓口負担で保険診療を受けられる。
さて、自分はマイナカードも出はじめの頃に作ったし、マイナ保険証の登録も早めに手続きした、デジタル庁から表彰を受けてもおかしくないくらいの患者の鑑だ。
しかし、マイナ保険証にしてから後も、念のため紙の保険証は大事に財布に入れて行動している。
というのは、可能性は低いが、マイナ保険証では保険診療が受けられないという事態の発生が予想されるからだ。
「え！そんな事じゃ困るじゃん」
（ 最後のセクションで、対策にも触れてありますので、全部読んでくださいね）
では、説明します。
マイナ保険証が使えない状況3選
①読み取り機が（使用でき）ない
②マイナ保険証が破損
③保険証情報が確認できない
①そもそも自費診療専門のクリニックでは、読み取り端末そのものを置いていないことがある。また、読み取り機の故障、電子カルテとの接続の不具合なんてこともある。
そもそもマイナ保険証に反対する電子カルテを導入していないようなクリニックでは、「端末を導入しないので紙の保険証か資格確認書を持参してください」とお願いしている場合もある。
端末がなければ、カードは読めない。
②これは極端なケースだか、強い物理的な衝撃でマイナカードが破損したりして機能しなくなれば、データの読み取りができなくなる。マイナカードそのものが使えなくなるのだから、保険証情報も照会できなくなる。
水没させたり、強い磁気で壊れたりするのか実験していないので、わからない。だが、熱で曲がってしまったり、折ってしまったりすれば壊れそうだ。
③は、①の端末にも②のカードにも問題がないのに、読み取りが出来なかったり、通信ができなかったり、情報が取れないことがあるのだ。
説明が前後してしまったが、ここでマイナ保険証の仕組みを説明しよう。マイナ保険証というのは、おかしなことにマイナカードのICチップには保険証情報は入っていないのである。
マイナ保険証の読み取り端末にマイナカードをセットすると、本人確認のためにパスワード認証するか顔認証するか聞いてくる。そもそもパスワードが間違っていたり、顔認証に問題があれば、照会ができないから使えない状況が発生する。
マイナカードには、当たり前だがマイナンバーは登録されている。しかしマイナンバーは保険証の資格情報ではない。
ナンバー情報を送り、保険資格を照会（問い合わせ）して取得する作業が必要なのだ。
なぜ、いちいち照会するシステムなのだろう？
これは、資格情報が変わることがよくあるからだ。
例えば、結婚や退職で資格情報が変わる。また、保険証の有効期限が来れば変わる。国民健康保険証は自治体が発行するので、転居したら発行する組織も変わる。
だから、もともとの旧来の紙の保険証の場合でも、電話をかけて発行者へ資格の確認を行うような事務作業が必要な場面もあったのである。
だから医療機関としては、患者さんがマイナ保険証を使ってくれれば、
「もしもし、保険証番号12345のヤマダタロウさんの有効期限を確認したいのですが」
と電話せずに、受診するたびに資格確認ができることになるので、とてもありがたいシステムのはずなのだ。
だが、この照会がトラブルを起こす可能性がある。大規模災害時のデータ通信の不具合、サーバーのトラブル、保険資格を登録する際の入力ミス、など読み取り機以外の問題でも資格情報が取得できないと、マイナカードは保険証として機能しないのだ。
さて、そんな不測の事態に対応する戦略は？
マイナ保険証と資格証明書の2個所持をお勧めしたい。
そもそも、大規模災害レベルまで行かなくても、怪我や事故でマイナ保険証が使えない可能性はあると考えよう。日本国内では、「保険証が提示できないなら治療できない」と言うことはないかもしれない。
だが、治療を受けた後に資格が証明できない場合には、健康保険診療の10割、つまり通常の窓口の支払いが3倍から10倍になってしまう可能性はあるのだ。
最後にとっておきの保険証情報をバックアップする方法を！
マイナ保険証の手続きを済ませた方は、スマホ📱に「マイナポータル」というアプリが入っているはず。
これにログインすると、マイナ保険証のデータが読めるし、そのデータをpdfファイルとしてダウンロードできる機能があるので、ダウンロードしておきましょう！
pdfのデータとマイナンバーカードを提示できれば、pdfデータが資格証明書として利用できるので、医療機関の読み取り端末が作動しないときにも安心です。😉
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