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🏇「馬のこころ Horse Brain, Human Brain」 からの忘備録①
こんばんは、乗馬ライダーで乗馬ライターの「じーちゃん」です。
乗馬の経験値を上げるため、馬と長距離を駈けるエンデュランス馬術競技参加を目標にトレーニングを始めました。
馬のことを良く知りたいと思い
Janet L. Jones, PhD. 氏の著書
" HORSE BRAIN, HUMAN BRAIN
The Neuroscience of Horsemanship "
の日本語版
「馬のこころ 脳科学者が解説するコミュニケーションガイド」
を読み始めました。気になったこと、なるほどと思ったことを忘備録を兼ねてnoteで要点をまとめておきたいと思います。
日本語版書籍
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著者 ジャネット・L・ジョーンズ (Janet L. Jones, PhD)
ウマの調教や騎乗者の指導に脳科学を取り入れる認知科学者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で認知科学の博士号を取得したのち、知覚、言語、記憶、思考に関する神経科学を23年にわたって教えてきた。大規模な厩舎で長年ウマの調教を行い、その後、調教関連の事業を自ら立ち上げて軌道に乗せる。何百頭もの若いウマや問題のあるウマを調教しながら、ハンタ一、障害飛越、ホルター、レイニング、ウエスタンプレジャーなどの競技大会に出場してきた経験を持つ。
本書の著者は著者紹介にもある通り、騎乗者+認知科学者であり、馬の脳科学、認知科学をベースにして馬の調教や騎乗者の指導法に単なる経験則ではなく科学的な分析法を導入することを提唱しています。
この本の構成はI〜Vまでの5章だてで、
I 人間社会に生きる動物たち
II 周りの世界を感知する
III 人間のためのウマになるよう学習する
IV 注意、感情、そして計画
V ホースマンシップは知識だけではない
となっています。
I では、著者とウマの関わり、ウマの進化と脳科学、などについて書かれていますが、(大変失礼ながら)導入部分は冗舌な表記、表現が多くて、まわりくどくて疲れました。💦
しかし、気になった記述を抜き出しておきます。
ウマの《本能的な恐怖》というまとめの個所です。
以前、私も自分のnoteで、馬が驚くものに関する記事を書いたのですが↓
この本の著者は以下のようにまとめていました。
なるほど、と思う部分もありますが、本文を読まないと分かりにくいものもあるかもしれません。ご興味のある方は是非、購入してお読みいただければと思います。
自然選択によって、ウマは次のようなものに恐怖を抱くようになった。
動きを制限されること
閉じこめられること
暗闇、狭い通路
急な動き
聞き慣れない音
捕食者
群れからの孤立
本文を読むと詳しく書いてあり、納得できるのですが、これだけではわかりにくいですね。
以下は、自分の理解した内容です。
ウマは被捕食者なので、トラやライオンなどの捕食者を恐れるのはわかると思います。動きを制限されることや閉じ込められることを恐れるのも、捕食者から逃げられなくなるので理解できます。暗闇や狭い通路も同じ理由ですね。
急な動きや聞き慣れない音を怖がるのも、捕食者から逃避できるようにする備えと考えると納得できます。
「群れからの孤立」は、「寂しくなるから?」ではなくて、ちゃんと理由がありました。草原で食事をする際に、ウマはリーダーの馬と行動を共にしたり、複数頭で集まり、しかもお互いに違う方向に頭を向けながら草を喰むんですね。そうすれば、己の死角から狙ってくる捕食者に集団としてより早く気づくことができるから集団行動を好むという本能なんですね。
そういう本能を備えた動物なので、単独行動になると不安になってしまう、と。
結局、馬が恐怖を覚えるものは、すべて捕食者に対する恐怖に根付いたものなのだと言う理解で良さそうです。
自分の記事を読み返してみて気づいたのですが、ウマが怖いものって、人間も怖いよねでした。
人間だって拘束されたり、閉じ込められたり、狭い通路とか怖いですよ。暗闇で聞き慣れない音や急に動くもの(ネズミとか蛇とかGoキブリとか)があったら驚くし怖いし、そんな所にひとりでポツンと放置されたらホラー映画の世界です。💦
自分に置き換えてみれば、ウマが怖いものはよく分かる気がします。
この章で強調されていたのは
ウマが進化の過程で獲得した脳や身体の変化は非捕食者が生き延びるために必要なものだったこと。また、現存するウマは人間によって人為的に選択的に交配され、穏やかさや従順さを備えて人間に役に立つように家畜化されたウマの子孫であると言うこと。
次の章から馬の知覚と脳の働きに関する解説がはじまるので、面白くなってくるのですが、次の記事にしましょう。
なお、無料試し読みのページがこちらにあります↓
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