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【2021 J1 第12節】 FC東京 vs 横浜F・マリノス プレビュー

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※この記事はマリノス視点で進行してきます。

チーム状況

・横浜F・マリノス
順位:4位 勝点:21 (10試合消化)

出場微妙:仲川

現在、公式戦13試合連続負けなし(リーグ戦2連勝中)と好調。
ルヴァン杯 AWAY 仙台戦(5 - 2)から中2日で今節を迎える。ルヴァン杯 AWAY 広島戦を中3日で控える。
・FC東京
順位:10位 勝点:15(11試合消化)

ルヴァン杯では負けなし首位を走るものの、リーグ戦では3連敗中。
ルヴァン杯 AWAY 徳島戦(1 - 1)から中2日で今節を迎える。ルヴァン杯 AWAY 神戸戦を中3日で控える。

チーム状況が対照的な両者。
マリノスはリーグ戦3連勝で名古屋・川崎との勝点を詰めたいですし、東京はホーム味スタで連敗を止めたいです。
無観客での開催となる今節。観客の後押しが無いという状況が選手のメンタリティ、バイタリティにどのような影響を与えるのかは試合を見る上で大事なポイントです。

予想スタメン

フォーメーション名

この記事に出てくる各ポジションの表記名は上図のものを使用します。
(※但し、各ポジション左右関係なく、両サイドの選手に言える場合はRやLの文字を省略して表記します。)

まずは予想スタメンから

スタメン

※選手名横の文字は利き足を表しています。(R:右利き、L:左利き)

・マリノス
4-2-1-3

リーグ戦前節のメンバーから2名変更。RSBには松原、CFにはレオセアラが入ると予想。
4/28(水)に行われたルヴァン杯では、リーグ戦スタメンで出ているメンバーから大幅に変更して起用、帯同していないメンバーも多く移動による疲労はないと思われる。
・FC東京
4-1-2-3

リーグ戦前節(鳥栖戦)と同じメンバーと予想。
リーグ戦ではスタート4-1-2-3で上手くいかず、後半から4-4-2に変えて巻き返すという展開が続いているが、中盤がガッツリハマる4-2-1-3のマリノスに対して、スタートから4-4-2で来るとは考えにくいので、今節もスタートは4-1-2-3と予想。
マリノス同様、ルヴァン杯ではリーグ戦を戦っている主メンバーから大幅に入れ替えて起用。こちらも移動による疲労、リカバリー不足はない選手が多い。

噛み合わせ

噛み合わせ

両チームとも最後方は1枚余る。この数的優位を生かせるか。
中盤は人数・立ち位置共にガッツリハマるので、『中盤の選手が動いて敵の陣形を崩す、誰が動くのか』がお互い重要になってきますし、皆さんに注目していただきたいポイントです。

4局面と時間帯

・自陣での攻撃 (東京の敵陣での守備)

マリノスがGKから繋ぐボールに対しては東京は前からくると予想します。

自陣での攻撃 東京ハイプレス

マリノス2CBにはディエゴ+もう一人(基本的には東だが明確な決まりはない)がプレス、中央で顔を出すマリノスDHには東京IHが捕まえに来ます。

この時にマリノスは森重(AC)の脇にポジションを取る選手がいるかが重要になってきます。AC脇にポジションを取ることで、東京のWGはマリノスの選手(AC脇の選手+SB)を2人見なければいけなくなるので、どっちにつけば良いのか迷いが生じます。
SBに食いつけば森重脇が開きますし、中を締めてくればSBがフリーでボールを受けることが出来ます。
森重はサイドには流れず中央に留まるため(東京陣内でも同じ)、森重脇を突く攻撃をマリノスは狙いとしてくると思います。

自陣での攻撃 東京ハイプレス2

また上図のように、東がマリノスのCBまでプレスに来た時にマリノスの2DHが並列の位置取りで2(喜田・扇原) vs 1(安部)の数的優位を作って前進するのか

東京の3トップ+東はプレススピードは速いもののコースの限定が上手ではないので、この前進方法は有効です。この時に森重が前に出て来れないようにマルコスが森重の注意を引くことも重要です。

GKから繋ぐ以外の自陣での攻撃、例えば東京がロストしたボールやマリノスがある程度前進した時は両WGを一列下げての4-1-4-1またはLIH東が一列前に出ての4-4-2ブロックに切り替えます。
この時のマリノスが狙いたい場所は、敵陣での攻撃と同じなので次の項目でまとめて書きます。

・敵陣での攻撃 (東京の自陣での守備)

自陣での攻撃のフェーズの最後に述べたように、東京は4-1-4-1や4-4-2ブロックで守備をしてきます。

東京のファーストブロックを崩すためにマリノスが狙いとするべきところは、東京の左サイドです。

敵陣での攻撃

4-1-4-1または4-4-2でゾーンを組んだところから東はボールホルダーにプレスを掛けてきます。この時にアダイウトンは中を締める意識が低く、東が前に出てきた瞬間にできるアダイウトンとのギャップ(東京4-1-4-1時)は東京のウィークとなりそうです。マリノスがそのギャップを狙うのか、誰が突くのかは注目です。

マリノスのCBに東が食いついてくれれば、喜田がそのままギャップを突けば良いのですが、東(東京のIH)に『まずはマリノスのDHにつくという』タスクが与えられているのであれば、上の映像のように喜田が最終ライン(2CBの間ではなく脇)に降りて東を前に釣り出す必要があります。この時にギャップを突くのはマリノスの場合はSBになるかと思われます。

東を釣り出すことができれば良いので、森重とマッチアップするであろうマルコスを降りて来させてボールを捌かせる形も良いですし、中盤はガッチリハマるはずが、マリノスの中盤の選手が自由に動くことで東京の中盤の選手には『俺は誰に突けば良いんだ』という迷いが生じます。
そこから東京の守備が崩れていくので、誰が降りて誰が高い位置を取るというのを流れの中で人を変えながら行うことも重要です。
これなら森重にマンマークで付かれて自由にプレーできないマルコスがイライラすることもないですしね。

上の映像は一例なのでエウベルを経由していますが、東京ゾーン守備時のアダイウトンのポジショニングが修正されていなければチアゴや喜田から一発で東の裏にボールが入る展開もありそうです。

4-4-2ブロック時はアダイウトンは一列落ちてLSHの位置に入ります。4-4-2ブロック時でもアダイウトンは中を締める・絞る意識が低いので付け入る隙はありそうです。

相手のライン間に侵入したところからサイドを変えたり、同サイドに人数を掛けて崩すのかは注目ですが、東京は敵のニアゾーンランに対して東京CBはゴール前に入りクロス対応をするので、チャンネル(CB-SB間)を埋めるのはIHの選手となります。
そのため距離的、視野的(IHの背後から走り込んでくる選手)に対応が遅れるシーンが目立ちます。
またニアゾーンを取られると東京のDF陣はゴール前に人をかけるのでマイナスが大きく空きます。ここの一連の流れは東京のウィークとなります。
マリノスはニアゾーンランをはっきりとやりたいですし、クロスを入れる選手は東京GKとDFの間だけではなくマイナスを見れていると決定機が増えると思います。

またシンプルに大外からクロスを上げるのであれば、マリノスの左サイドから上がるクロスはファーを見れていると得点につながるかもしれません。
東京LSB小川は逆サイドからのクロスに対してファーを大きく空けて中央に寄る傾向があります。マリノスは左からのクロスに対して大外に飛び込む選手はいるのか注目です。

・敵陣での守備 (東京の自陣での攻撃)

東京はGKから繋ぐ、ロングボールの割合は半々ですが繋いでくるのであれば、
AC森重をフリーにさせないこと
東京の右サイドに誘導
が重要です。

敵陣での守備1

■森重が最終ラインに降りない場合

森重が最終ラインに降りない時は、比較的楽にボール回収するチャンスです。

マルコスorレオが森重を監視して、もう片方がボールホルダーの東京CBにプレスに行きます。この時、東京の2CB vs 1(マルコス or レオ)の数的不利ですが、東京CB間のパスコースを消しながらプレスに行くことが重要です。
これができないと東京に後方の数的優位を利用され、マリノスの守備は後手を踏んでしまいます。
『レオがどこまでコースの限定をしながらのプレスができるのか』ここはかなり重要になりそうです。

また東京の右サイドに誘導ができればベストです。
理由は2つあります。

1つ目は、RSBに入ると予想される岡崎は本職CBの選手なので、タッチラインでのボールの受け方、体の開き方はまだ不十分ですし、プレスを掛けられると前方にロングボールを蹴ることが多いです。マリノスは岡崎を狙いとしてプレスを掛けて、ロングボールを回収する永井への縦パスを前を向かせない守備で奪えると良いです。

2つ目の理由は、東京の攻撃は左偏重なので左サイドにボールを運ばせず、東京の攻撃を機能停止させるためです。

東京サイド指数

61や37といった数字は攻撃の試行回数を素にした指数です。上図を見れば左サイドに攻撃が傾いていることがわかります。東京のLWGにはアダイウトンという圧倒的な個をもった選手がいますし、そこからのディエゴとの連携は脅威です。個に依存する東京の攻撃にとっては、攻撃の起点にするためにこれ以上ない選手です。

マリノスはここにボールを出させなければ良いわけです。「右サイドに誘導してもマリノスは逆の大外が大きく空くし、サイドチェンジされてよりスペースがある中でアダイウトンにボールを持たれる方が怖い」と思うかもしれませんが、ここに正確なサイドチェンジを出せる選手は東京には森重しかいません。森重にロングボールを蹴らせなければ良いのです。

敵陣での守備2

■森重が最終ラインに降りる場合

上のアニメーションのように森重が2CB脇(東京の右サイド)に降りて、対角または前線へのフィードを狙います。マリノスは降りる森重に対してしっかり寄せて対角へのフィードを蹴らせないようにしたいです。

対角へのフィードが蹴れなければ、森重は近くで繋ぐという選択をしたいのでしょうが、東京のIHはまず敵の裏(SB裏)を狙うような動きをするので、中盤に東京の選手がいない場面もあります。マリノスは森重が無理に蹴ったボールを回収できれば、大きなスペースができる中盤を使いショートカウンターでゴールまで迫ることが出来ます。

・自陣での守備 (東京の敵陣での攻撃)

東京の左サイドにボールを持って行かせるなと言っているものの、90分通してそれは無理なので、東京の左サイドでの攻撃の特徴をいくつか挙げたいと思います。

1.大外アダイウトンがボールを持つと東 or ディエゴが敵SB裏に抜ける

2.ディエゴがライン間に降りてくる

3.ディエゴはボールサイドに寄って関わる

4.東のカットインクロス

ざっくり分けるとこんな感じです。
1.基本アダイウトンは幅を取りボールを受けます。この時に東かディエゴが裏抜けしますが、アダイウトンは東の裏抜けよりもディエゴの裏抜けを使います。ディエゴ vs チアゴの面白いスピード勝負が見れるかもしれません。

2.ディエゴがライン間に降りてきてボールを受けます。ここからディエゴはなんでも出来てしまうので、マリノスはライン間に降りてくるディエゴにはボールを出させないように中を締める事が重要です。

3、4は関連性がありますが、ディエゴがサイドの攻撃に関わることによってゴール前にはRWGしかいない状況になります。サイドで崩し切ることができるのであれば良いのですが、崩せない時にクロスを上げても中に人がいない。守備側からすると守りやすいです。RIHがクロスに飛び込んでくる場面を東京はもっと増やしたいですね。これが長谷川監督が鍵と言っているIHの得点にもつながるのではないでしょうか。

サイドで人数を掛けてくる東京に対して、マリノスも同様に人数を掛けて守りたいです。
エウベルのプレスバック
サイドで関わるディエゴに誰がつくのか
アダイウトンにスピードに乗らせないためにどういう守備をするのか
ここらへんが重要になってきます。

セットプレー

東京は全得点のうちセットプレーからの得点が23.5%を占めていて、脅威です。

・東京 CK攻撃

東京CK攻


・東京 FK攻撃

東京 FK攻


・東京 CK守備

東京CK守備


・FK守備

東京FK守備


以上が東京戦のプレビューとなります。

最後までお読み頂きありがとうございます!!

リーグ戦3連勝といきましょ〜🇫🇷


データ引用元

・Football LAB


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