見出し画像

音楽トーク : 私にとってのMGMT

音楽トーク、第2弾です。
前回のBlurの記事を読んでくれて「いいね」を押してくれた人が結構いたので、調子に乗ってまた書いてみた🥳

今回は2月に新譜がリリースされた、MGMTについて語りたいと思う。



MGMTとは

アー写はどれも殆どあさっての方向を向いてます 笑


N.Y州ブルックリン出身のサイケデリックバンド。バンド名の読み方はMGMT=エムジーエムティー(旧バンド名 "Management" を略したもの)
メンバーは5人いるが、メインで活動しているのが、アンドリュー・ヴァンウィンガーデン(Vo,G)とベン・ゴールドワッサー(Key,Programming)の2人である。
デビュー当初から英米からの評価が高く、2ndアルバムでは全米チャート2位、全英4位を記録し、その年の「最優秀新人賞」にノミネートされた。1stアルバム「Oracular Spectacular 」は英・NMEアワードで『最優秀アルバム』を受賞している。


2ndアルバム「Congratulations」の凄さ

このジャケットを見ると
「ソニック・ワールド」というゲームを思い出します

今回MGMTについて書きたい!と思ったのは、およそ10年ぶりにこの2ndアルバム「Congratulations」をしっかり聴いて様々な気持ちが湧いたからなのだ。

私がMGMTをはじめて知ったのがこのアルバムが発売された2010年。フジロックに出るというので予習がてらに聴いてたのと、その頃に仲良かった音楽好きの人たちから「MGMTの新作ヤバイよ!!」という話を聞き興味を持った。

最初に聴いた感想は、「なんじゃこりゃ」
でした(笑)良い意味ではなく、本当に言葉通りの、理解し難い!!意味わからない!!という印象。一曲ごとの時間も長く、変調的なメロディ、サイケ特有の怠い感じもその頃の自分にとっては意味不明だった。
同時に1stアルバムも聴いてたので、ポップ要素満載でわかりやすい1stは凄く好きでよく聴いていた。

その後もたまに2nd以降のアルバムを聴くことはあっても、チョロッとくらいで、
「MGMTと言えばやっぱり1stが最高!!」
な感じだ。

ところがこの度、新作リリースをキッカケに2nd 「Congratulations」を聴き直したトコロ、
「え?こんなに良いアルバムだっけ?」
「あの曲もこの曲も知ってる!懐かしい!」
「てか2nd、最高傑作じゃね?」

本当に主観的な感想だが、そんな思いが次から次へと湧いて、軽く鳥肌が立っている自分がいた。

当時、私が「意味不明!」と叫んでいた転調する曲の数々が本当に素晴らしくて、ポップ、サイケ、ロック、ハウス、テクノ、様々なジャンルが散りばめられつつも曲として綺麗に纏まっていた。
中でも「Siberian Breaks」という10分を超える壮大なナンバーがあるのだが、これはアルバム随一の優秀曲と言っても良い。

2nd「Congratulations」に対してタワレコの紹介文には、

ベック、M.I.A.、ジェイ・Z、ビヨンセ、ノエル・ギャラガー、ファレル・ウィリアムス、ポール・マッカートニーなどからも絶賛


という記載もあるくらい凄いアルバムだ。
(⬇️この記事から抜粋)


当時理解できなくても、時間を超えて良さが分かることもある。また日々色々な音楽を聴いているうちに、耳が育ったということもある。
今回その事に気付けて本当に嬉しかった。


名曲「Kids」の思い出

MGMTの代表曲と言ったら、真っ先にあがるのが1stアルバム「Oracular Spectacular」に収録されてる『Kids』である。
子供のキャーキャー騒ぐ声から始まるこの曲は、アップテンポの縦ノリで刻まれるダンスチューンで、MGMTの曲の中ではチョット異色な存在である(と私は思う)

私は当時『Kids』のミュージック・ビデオをめちゃくちゃ観ていた。しかも公式ではなく、ファン(?)が作った非公式のMVに中毒的にハマっていた。

それがこちら。

最初は公式のミュージック・ビデオだと思っていたので、「MGMTってこんなKISSみたいなメイクする人なんだ」と、この踊ってる2人がメンバーだと信じきっていた (実際は全然関係ない人です 笑)
それくらい曲とマッチしているし、精巧に作られている。周りの評価もかなり良かった。


このMVの何が良かったのか今でもよく分からないけど、ダンサンブルかつ奇妙な雰囲気に惹かれたのだと思う。

ちなみに公式のMVもホラー要素を感じる作りになってます。これはトラウマレベル😅


フジロック2010

私がはじめてフジロックに行ったのが2010年。

2日目・ホワイトステージのヘッドライナーとしてMGMTが出演した。
2008年に1stアルバムをリリースし、デビュー3年目でこの位置に立てるのは物凄い早いと思う。
超スピードの出世頭だ。

もちろん客入りは満員御礼(入場規制もかかってたと思う)会場の熱気が凄く熱かったのに対して、ライブはなんとも涼やかで癒し溢れるものだった。それは彼らの音楽性によるところも大きい。

みんなが大好きな名曲「Kids」ではドミノ倒しになり死にかけたのも今では良い思い出‥(*´-`) 周りにいた全然知らないフジロッカーたちが「起きろ!起こせ!」って助けてくれて、一種の絆を感じた。

アクトも観客も最高で、私の中ではフジロックベストアクトの1つである(フジロックは2010,11,12,15の4回のみ参加)

ちなみに、1曲目にやったのが「Brian Eno」という曲なのだが、MGMTの裏(グリーンステージのトリ)はROXY MUSICであり、これは何かのメッセージなのかな?と思った(ブライアン・イーノは元ROXY MUSICのメンバー)


意図的なブッキングをするSMASHさんも皮肉 笑


新譜「Loss Of Life」について

MGMTは2013年に3rd「MGMT(セルフタイトル)」、2018年に4th「Little Dark Age」のアルバムをリリースしている。
実は私はその2枚のアルバムを最近まで聴いたことが無かった(フジロックでアレだけ熱狂的なライブを経験したのに😅)
色々な諸事情があり、音楽を聴く時間がめっきり減ってしまったのだ。

その2枚のアルバムを初めて聴いたのは、2022年。
その年にライブアルバム(N.Y.のソロモン R. グッゲンハイム美術館で行われたギグの音源)を出しており、それをキッカケに過去作も聴きはじめた。

3rd「MGMT」は初めて聴いた時は、「え?これがMGMT!?一体何があったの?」と驚いた。それまでのポップ路線は封印されダークでサイケな作風に変貌していたのだ。
でも、よく考えたら彼らはサイケロックを軸にしているユニットだ。そして元々はアート学生(芸術家になる勉強をしている人)であるのだから、作品が一つの芸術表現と捉えるなら納得する。

4th 「Little Dark Age」は原点回帰と言われている。1stのポップさが蘇り聴きやすい。
世間的にも人気が高い作品だと思う。

そして今年6年ぶりにリリースされた5枚目のアルバム「Loss Of Life」はこれまでやってきた彼らの音楽の集大成とも言えるアルバムなのではないかと思う。ポップさもあり、ダークなサイケデリックさもあり、なんと言ってもMGMT特有の清涼感がある。
1曲目と最後の曲が繋がっているのだが、
そのメロディや歌声は、これまでを振り返るリフレクションのようにも感じた。



おわりに

およそ14年の活動期間に対して、オリジナルアルバム5枚は少ないのかな。

彼らは2nd 『Congratulations』に対しては「誰も気に入らないと思う」と発言したり、新作『Loss Of Life』についても「長期間かけて、特に苦も感じずに制作できた」と話しているのを聞いて、この人たちは世間的なウケやセールスを気にしてないのでは?と感じた。
(デビューアルバムで成功を収めてしまった所以もあるのかもしれないが)

ミュージシャンとして活躍する以上、成功したいと思わないアーティストはいないと思うが、MGMTからは野心のようなものを感じない。
それが良い意味で作品を豊かにしていると思う。

そんな超自然体な彼らが、今ライブをしたらどんなステージになるのか。次なる楽曲はどんなものになるのか。今後も活躍が楽しみである。


以上、私にとってのMGMTでした。
ダラダラと話し、まとまりのない文章ですみません🙇‍♀️
最後までお付き合い頂きありがとうございました😊

また次回(があれば)の音楽トークをお楽しみに!!

いいなと思ったら応援しよう!