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「相続の時の使途不明金問題ってなに?③」


はじめに

相続の時に使途不明金問題が起きてしまった場合、遺産分割協議にも影響をすることをお話ししました。

では、実際にそのような問題が起きないように、または起きてしまった場合にはどのように対処すればよいのでしょうか?
今回は使途不明金問題が起きないように、また起きてしまってもトラブルが最小限になるような対策についてお話します。

生前からできること

まず、家族とは言え通帳を管理する以上、管理について書面を取り交わしておきましょう。特に、ご本人からある程度自由に使ってよい、ということを言われていたのであれば、そのことについての書面も取り交わしておきましょう。

その上で、使途については記録をしておき、出納帳などをつけておくことが考えられます。
またご本人が認知症になってしまった場合などに備えて、任意後見契約を締結しておくこともお勧めしております。

すでに認知症になり、判断能力が失われてしまっている場合、お金の使い道がご本人の意思に基づいていたかの確認ができません。
そのため、法定後見制度を利用して、裁判所の監督の下で財産を管理することが考えられます。

亡くなったあとからできること

上記のような対策をせずにご本人が亡くなったあとで、使い込みを疑われてしまった場合についてみてみます。

財産を管理していた相続人は、他の相続人に対してできる限りその使途を説明する責任があると考えられています。
そのため、請求書、領収書などの書類を探し、その使途について説明を行うことが大切です。

また領収証がないものについても、記憶を呼び起こして、出来る限り特定することが大切です。

同時に、被相続人本人の当時の判断能力に関する資料(診断書やカルテ、介護認定に係る資料など)を集めておきましょう。
これらを踏まえて、他の相続人と協議することが大切です。

もっとも、双方が感情的になってしまい、冷静な判断・協議ができないことも多々あります。

そのため、このような使途不明金問題が生じてしまった場合には弁護士にご相談をいただき、一緒に解決策を検討することが大切です!

なお、使途不明金問題についてはこちらにもまとめています。
ご参照下さい。


まとめ

いかがだったでしょうか。
使途不明金問題はここ数年で非常に多くご相談を受ける分野の一つです。
これは認知症の方が多いこと、後見制度を利用せずにご家族がお金を管理している場合が多いことが影響しているとも考えられます。

今後も増える可能性はありますので、出来る限り対策をしておくことが大切です。
そのため、速やかに弁護士にご相談をいただくことをお勧めします。

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