商業bl感想『はだける怪物(下)』
はだける怪物(下) おげれつたなか
(2023.4.26記)
昨日買ったんですけど昨日すぐ読みましたね、積むとか出来ないです、待ちきれなかったので。
もうとにかく感情ぐっちゃぐちゃな状態なので分かりやすい感想を書けるか心配です、普通に語彙力のない、感想というのも烏滸がましい駄文を書いてしまうと思いますがご了承ください、だけど愛だけは伝われ!!!
上巻の流れからしてもやっぱり弓と秀那は会うよな…そこで2人が会って、それを機にかんちゃんが過去に向き合う=弓と話をしに行くっていう展開を予想してたけど、結局それはなかったな。
私自身、読んでる途中で、秀那がかんちゃんに「会えるなら会って、ちゃんと話せば良いじゃないですか」って助言をしたから2人は再会するんだと思ってたし、そのシーンがとても見たかったよその時まではね。
弓と再会したかんちゃんは何を思うんだろうとかどんな言葉を投げかけるんだろうとか。弓はそんなかんちゃんを見てどんな顔して聞いているんだろうとか。
でも結局かんちゃんは弓に会うつもりはなくて。
私が1番胸打たれたシーンでもあり、個人的にはだける怪物の中で最も濃密で大事なものが詰まってるシーンだと思うのが、耐えきれずに家を飛び出したかんちゃんを秀那が追いかけて公園のブランコで対話をするところ。
あそこにもう色々なものが詰まりすぎてて、ページを読んでるのも苦しくなって一旦本を置いてしまったところでもあるんだけど、おげれつ先生だからこそ描ける表情の変化や詳細なところ、コマ割りや秀那の言葉が本当に美しくて魅力的で引き込まれた。
弓の背中に刻まれた消えない傷、それを見る前は「林田さんが元恋人に暴力を振るっていた」という事実だけを受け入れ向き合ってほしいと思っていたけど、実際にその傷を目の当たりにすると秀那はやっぱり色々考えちゃうよね…そりゃそうだよね。
根性焼きって生涯消えないって言うし。
その時の「急に頭が冷えた 冷や水を浴びたみたいな」って表現はあまりにも的確だったし、自分が本当に "外側" だったと分かってしまった秀那を見てるの辛かったな。
でも分からないなら分からないってちゃんと言うし、分からないし関係ないけどあんたのこと好きだから支えたい…って言う秀那本当にかっこよかったし、これからかんちゃんを支えてあげてな秀那…となって涙腺崩壊したよね、、
それで最後。ちょっと私なりの考察なんだけど、弓が最後にかんちゃんに贈ったアルバム。
私最初高校時代の写真が詰まったアルバムかと思ったんだけど、もしかしたらアルバムは空白なんじゃないかな。
秀那から林田さんの部屋で弓さんの写真見ましたって聞かせられて、あぁかんちゃんはまだ背負って生きてるんだなって弓ならすぐに分かると思う。
かんちゃんのことをよく知っている弓だからこそ、かんちゃんのことが好きだったからこそ、弓はきっとかんちゃんに幸せになってほしいし自分に負い目を感じて生きていって欲しくないんじゃないかな。
この先一生恋人に暴力を振るうのを恐れたまま生きていくつもりだったかんちゃん、飾った弓との写真を見ることで、自分が過去に戻らないように、自分が好きな人を殴る奴だってことを忘れて昔みたいに笑える奴に戻らないように、新しく恋愛をしても自分はこんな人間だったと後ろからジワジワ刃物で刺すように念を込めるように。
でもそれってかんちゃんは自分のためでもあるって言ってたけど、かんちゃんのためではあっても、かんちゃんの幸せのためではない。
だから弓はかんちゃんに最後に空白のアルバムを贈って、そこに自分との写真を入れて欲しい、つまり壁から自分との思い出を剥がして欲しいと思ったってことかな〜と私的には考えてる。
これまじでどエモくて泣けることするな弓…っていう感想が大前提で話すんだけど、弓にとってかんちゃんといえば暴力を振るって怖い顔をしていた時のイメージの方がもう強くなってると思うんだよ。
だからこそ当時は心に薄く残ってる学生時代のよく笑うかんちゃんに戻って欲しいと思ってた、ただかんちゃんの笑顔が見たくて待っていたんだ。
それに対して弓は「かんちゃんは俺に未来の話をしてくれたけど俺はかんちゃんが "昔みたいに" 笑ってくれることばかり考えてた」って言ったの、苦しいけど本当にその通りだと思った。
でも今ではそれが逆転してかんちゃんが過去に囚われてしまっている。
そんな状態を救い出せるのは秀那と弓の2人しかないんだよね。
弓だからこそ出来ることもあるし、秀那にしか出来ないこともある。
この後弓がもう一度かんちゃんが笑ってるという事実を知って俺にはもう出来ないと前置きしつつ、「よかった…」って涙を流すシーンが1番泣きました。
殆ど思い出せなかったかんちゃんの笑顔がここでは鮮明に思い出されてて、2人で海に行った思い出が蘇ってきて、本当にもう辛い苦しい泣く泣く泣く。
それを考えた上での公園のシーンとアルバムだったら本当に素晴らしいと思うしかんちゃんがやっと救われたような気もする。
大まかな内容の感想としてはこんな感じかな?
あとは個人的に好きな点とか気になった点を述べていきたいと思います!!
やっぱり弓とかんちゃんの話をしてしまうんだけど、個人的にかんちゃんが秀那に「俺は弓のことはよく知ってるつもりだ分かるから話すべきじゃねぇと思ってる」「話し合って俺が謝ればあいつは笑って いいよ、友達に戻ろうって言うはずだから」「そんなの俺が楽になるだけだ」って言ったところが苦しかったな。
なんかでもそれが私(読者)でも容易に想像出来てしまうんだよな。
弓はもう恋人として好きではなくなってもかんちゃんと一緒に居る時間は楽しかったって思ってたし、錆びた恋でもかんちゃんの暴力に対して笑って謝ってたりしてたし。だからかんちゃんが謝れば弓は笑って許すだろうし、それをかんちゃんが分かった上で弓に会いに行ったところでそこに意味なんかないんだなと思った。
あとは、弓と秀那が路地裏で話すシーンで2人で弓が「かんちゃん顔厳ついでしょ」って揶揄うんだけど、実際そうだけど、笑うと結構雰囲気変わるって秀那が言うところ。
描写は無かったけどきっと弓は笑ったかんちゃんの顔を思い出したと思うし、その後弓が秀那が居なくなった後1人でしゃがんで顔を覆う所、タバコの煙と一緒に消えていったそっかぁが本当に切なくてやり切れなくて、あぁもうこの2人が元に戻ることはないんだなって知らしめられた気がするな。
2人がこの先再会することはなくても、きっと弓はかんちゃんがどこかでまた笑えてることが嬉しいと思うし、かんちゃんもバイト点々としてた弓がきちんと自立して新しい恋人も見つけて幸せにやっていってることが何より嬉しいと思うな。
2人がこれから前を向いて歩けるといいな。
そのためには、かんちゃんには秀那が、弓には真山が必要だし、寄り添って支え合っていけるといいな。
長くなってしまった…こんなに長く感想書いたの初めて…おげれつ先生素晴らしい作品をありがとうございました…
後日談とか本当に見たいです、心から大好きです。
こんなに苦しくて泣いた作品は初めてです。
最後幸せになれたはずなのに私は欲張りなのでもっと4人を見たいと思ってしまっています。
ぜひよろしくお願いします。
そしてみんな読んでくださいこのシリーズを…!!!
ハピオブに次ぐ大好きな商業になりました、結局おげれつ先生…!笑
https://x.com/konanenohonne/status/1654684703621013505?s=46から引用
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?