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私の知っている音楽と言うのは、予め知る事は出来ないものだった。ここでいう予めという区切りは、既知、未知の区切り。その区切りを超えるには金銭と行動が必要でこれはリソース。つまり膨大なリソースを割いて死にたい20代前半を乗り越えた。21歳の深夜、安アパートの水場で私はオルタナティブとはなにかを考えて、その日、入門者だった私は《SONIC YOUTH》を初めて聴いてアルバムの余韻に浸っていた。
いま、余韻というのは、Youtubeで現れる保険や健康器具、発泡酒などの宣伝が入り込む。では、テレビに夢中だった時代に、多感な子供がテレビ番組から感銘を受けて遠いなにかに思いを馳せたのは、それはコカ・コーラ社の提供によるものなのか、家電メーカーの資本によるものだったのか?一体、Youtubeと何が違うのか。
ビニール(ヴァイナル)を求める。予想再生される《次のおすすめ》には決して現れない自分の探し求める未知の1曲を求めるには、きっと知識が必要だと盲信する。それには神話が必要で、それはこうだ「どんなにネットワークが発達し、あらゆる音源がオンデマンドで、そしてリソースを割かずにすぐにアクセス可能だとしても、きっと埋もれた一つの自分だけが紹介出来る一曲がある」それは言い換えれば、積み上げた金屑のような私のリソースの山に、誰か称賛してほしかっただけのこと。そして、気がついたら私だけが世間から更新出来ないでいる。
Current Favorite/Dominique Guiot