菊池成孔氏がTwitterやめた。
菊池成孔って、20歳くらいの時に知ったんだけど20年以上前だ。
今だに大げさに言えば菊池成孔氏との出会いはトラウマだった。
その当時、埼玉県で一番大きかった与野の書店「書楽」
CDやレコードも販売していて、本も県内一充実していたし、当時としては珍しくあちこちに椅子がおいてあり本当にじっくり本を選ぶ事が出来た。ここに月に1回くらい行って、本やCDを買うのが大好きだった。
当時も今も音楽本を買うのが好きで(読むとは言っていない)そこで見かけたのがスペインの宇宙食。表紙をみただけで、氏のただならぬ才気が頭に刺さった。橋本一子が専門学校教師をやっていた時に、菊池氏がその生徒で「彼のトークは当時から天才的であり、ただそのほとんどが嘘なので、嘘9割の”キューちゃん”。って呼んでいる。」というエピソードを知ったのは最近だが、
嘘9割である。
自分も9割とは言わないが、7割くらいの人間だった。変なところで通じ合ったのか、本を手に取って数ページ立ち読みした。確か木更津だったか千葉のブルース感ある歓楽街のようなところでの幼少期のトラウマ話だった。癖があるといえば雑だが、面白かったし、どこか通じるものがあったのだが才気が眩しく負けたような気持ちになりその本は買えなかった。以降、DC/PRGで再会してぶっ飛んで、東京大学のアルバートアイラーやM/Dなど結局、氏の本を楽しく読むことになるのだが、その最初期の1冊「スペインの宇宙食」は知ってから20年以上気になる1冊だけどずっと避けてきた。それを先月から平行して読み進める1冊として現在読書中本棚へ入ることになった。
しかし、本や音楽の創作結果だけのファンの自分は彼がTwitterやっていたとは知らなかったし、追ってもいなかった、ただ時々出る本やCDを聴いていただけだった。
事はこうだった、
M/DのAmazonレビューから粘着クレーマーのようなアメリカ在住の日本人とやりあいがあり、自信のサイトで大反論したこと、町山智浩氏絡みでTwitter炎上させ、結局はTwitterアカウントを消し撤退した。今だに氏の才能、特に物言いは私の本当はなりたかったかのような姿と結果に見えるのだが、この炎上を芸能ニュースを見る中年の目で読んだ時、少しだけ氏がこの逆境でも周囲を言葉でねじ伏せるのを期待したのだがアカウントが消えていたのを見ると、あのいつもの多弁もただのスピードを喰った結果だったのかと、少しだけ誤解して残念な気持ちになった。私はねじ伏せて欲しかった、あの連投と文字量とそこからわきあがるリズムとユーモアで。
最近の氏の喋りのベストテイクはジャズ喫茶・四谷いーぐるでのYoutube講演かな。面白かった。