「一万円選書」当選物語:序章後編
私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。
今回は私が「一万円選書」に応募・当選して本が届くまでのお話です。
前回のnoteはこちら。
なんとなく知っていた「一万円選書」にノリで応募してみた。
私は「一万円選書」については以前からなんとなく知っていました。きっかけはなんだったかよく覚えていないのですが、確か母からの情報だったと思います。
私の両親は本好きで、子供の頃は毎週のように図書館に連れていってくれましたし、誕生日プレゼントは必ずと言っていいほど「私がほしい本」でした。本好きな性格、というのは、両親からの贈り物だと思っています。
そんなこんなで、なんとなく知っていた「一万円選書」。応募してみようと思ったのは、数年前の秋、ちょうど仕事で心身ともに疲れ切っていた時。
私は14歳のときからずっと日記をつけています。ただ、毎日という訳ではなく書きたいとき、書く気力がある時に。疲れ切っているときには数ヶ月単位でブランクが空くときも。
当時の日記を引っ張り出してみると、「一万円選書」に応募したであろう時期の記録はまったくなく、「一万円選書」に当選してからのことは記録が残っていました。きっと応募はノリだったのだと思います。でもこのノリは、ある意味自分から外へのSOSだったのかもしれません。
応募も忘れた頃に届いた当選通知
そんなこんなで応募した「一万円選書」。ある日、こんなメールが届きました。
メールを開いた時は、現実感が全くわきませんでした。ネットで「何回か応募してやっと当選した!」というような声を目にしていたので、「初めての応募だし、まあ当たったらラッキーかな・・・」と思っていたくらいです。そしてそのラッキーが回ってきたのでした。これぞビギナーズラック。
(ちなみに私は、チケット完売のイベントのキャンセル待ちに登録することも多いのですが、それで繰り上げ参加できたこともあります!完売でも満席でもあきらめないで!)
「カルテ」に頭を悩ませる日々
さて、「一万円選書」当選者は、いわた書店さんに「自分のための本」を選んでいただくために、「カルテ」を記入して送る必要があります。私が受け取ったカルテの内容はこのようなものでした。
ポイントは「好きな本」ではなく「印象に残っている本」というところ。すきではないけれど、記憶に残っている本というのもあるはず。「好きな本」だけならまだ簡単だったかもしれません。自分の半生を振り返り、うろ覚えな本の名前を調べたり、自分なりの感想をまとめたり、この設問だけでもだいぶ時間がかかりました。けれど、それはとても濃密な時間でした。
その他、パッと答えやすいものもありましたが、どれも立ち止まって深く考える・考えたくなるような質問ばかりでした。
結局、悩みに悩んだ私は、納得するまでカルテと向き合うため、いわた書店さんに頼んで、カルテの返送を締め切りより半月ばかり遅らせていただいたのでした。
いわた書店さんからの返信は、電車で読んではいけない。
そして師走のある日、私のカルテを読んだいわた書店さんから、返信が届きました。私がそのメールを読んだのは、仕事帰りの電車の中。とにかく疲れていたせいもあるのかもしれませんが、メールを読んで私は思わず涙しました。
内容は人それぞれでもあると思うので、詳細はあえて伏せますが、そのメールには、いわた書店さんだからこそのねぎらいの言葉や温かい励ましの声が詰まっていました。いわた書店さんが私のために選んでくれた10冊の本のタイトルとともに。
いわた書店さんからの返信は、絶対に電車で読んではいけません。当選者からのアドバイスです。
そうして北海道から10冊の本が届いた。
選んでいただいた本は、既読のものがあれば差し替えていただけるとのこと。私は全て初見の本だったので、送料込みで一万円とちょっとの代金を即入金し、本の到着を心待ちにすることにしたのでした。
そして息も白く染まる年末。北海道から私の自宅に10冊の本が届いたのです。
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次回以降のnoteでは、いわた書店さんに私が選書していただいた本一冊ずつご紹介していきます。マガジンでまとめて読めますので、お楽しみに。