「一万円選書」当選物語:#6『今日の人生』
私が「一万円選書」に当選するまでとその後、選んでいただいた10冊の本について紹介していくシリーズ物note。今までのnoteはマガジンにまとめていますのでよろしければどうぞ。
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6冊目は益田ミリ『今日の人生』。
どんな本かなと思ったら、中身は主にマンガでちょっとびっくり。ピンク、きみどり、水色、そして真っ黒なカラーページに印刷された見た目も美しい本。本の中では、イラストレーターのミリさんが、いろいろな「今日」を彼女の目線で切り取って伝えてくれる。
お盆に帰省して父親とケンカしたまま家に帰り、行き場のない思いを抱えながら、この夏も、親がいる夏も永遠ではないと気づいた「今日」。
疲れ切っていたとき、自分を元気付けてくれた曲を思いながら、この世にある様々な作品に触れることは、自分の世界の「てすり」をつけているのだと感じた「今日」。
ふと耳にした中学生たちの「感覚が昭和っぽいよね〜」という会話のあからさまな「上から目線」にもやもやした「今日」。
ああ、こんな「今日」、自分もあったかも。自分の「今日」はどんな「今日」だったかな。
文章を読むのも、音楽を聴くのもちょっとしんどい。そんなときにでも静かにぱらぱらとページをめくるとなんとなく大丈夫になる。そんな1冊でした。
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ありがとうございます。いつかの帰り道に花束かポストカードでも買って帰りたいと思います。