時代を超えて「いいもの」が遺る理由−外山滋比古さんの訃報に寄せて
考えるのは面倒なことと思っている人が多いが、見方によってはこれほど、ぜいたくな楽しみはないのかもしれない。
−『思考の整理学』あとがきより。
1.本棚にあった著者の生きた証
『思考の整理学』(1983)を著した外山滋比古さんが96歳でお亡くなりになりました。
この本のタイトルを一度は聞いたことのある方も、または実際に手に取ってみた方も多いのではないでしょうか。
訃報を聞き、私はすぐに本棚にあった『思考の整理学』を手に取りました。著者の外山さんの不在を実感できないままに