論文が出版されました：「ソフトテニスのレーティング・ランキング手法の提案」
論文が出版されました．わーい．
主著者2名は卒業研究で実際に手を動かしてくれた卒業生(学年が違います)，最終著者が私，の構成です．テーマは「ソフトテニスの実力ランキングを作ろう」です．
ソフトテニスは部活での経験者も多く，わりとなじみがある競技だと思うのですが，大人やプロレベルになると(硬式)テニスの選手が増えてきます．それもそのはず，ソフトテニスは日本発祥で世界的にみると非常にローカルでマイナーな競技なのです．
そのため，競技団体の活動はどうしても限定的となり，適切なランキング手法の設計や公開までなかなか手が回らない，というのが現状のようです．
今回執筆した論文では，よく知られているランキング作成手法であるColley法に基づき，ソフトテニスの国内トップクラスの大会のゲーム単位(硬式テニスの「セット」に相当)の結果まで利用してランキングを作成する手法を提案しています．
この手法は，試合数があまり多くなく，選手間の試合数のばらつきも多い，という日本ソフトテニスのトップレベルの現状とよくマッチしており，予測性能も悪くない，という結果を論文中で示しています．
補足：試合数が少ないので，「勝利数」「得失ゲーム差」などの指標でランキングを作成すると，ランキングが重複してしまい結果を予測できなくなる試合が頻出します．提案手法では対戦相手と得失ゲーム差の両方を考慮しており，少ない試合数でも各選手・ペアに異なるランキングが付与されます．
本論文ではソフトテニスを題材としましたが，どのようなスポーツ・競技・ゲームに対しても適用可能な方法です．合理的で簡単なランキング作成方法にお悩みの方はぜひ参考にしてください．
これを含め，競技を問わないランキング作成方法とその検証について研究しています．