AFCアジアカップ2023を予測してみた
概要
日本は全体1位の評価で優勝最有力候補
アジアで24チームの大会はやっぱり…
本編
来週(1月12日)にAFCアジアカップが開幕します(2024年開催なのに大会名が2023なのがちょっとめんどい).これまでの大会同様張り切って予測しましょう.
直近の大規模大会はもちろんワールドカップですが,大陸選手権であることと大会形式から,EUROの方が特徴が近いと思います.
ソースコードを流用有効活用して今大会の予測に臨みます.ちなみに,EURO2020はかなり予測精度が良かったようです.
データは2023年11月21日までまとまっているものを拝借します.
2019年2月2日から2023年11月21日までのA代表の国際試合4359試合を利用して各国代表の実力評価を行いました.直近の試合ほど重要視するような重みを利用しています.重みの値は過去のワールドカップの予測精度に基づいて決めました.ホームアドバンテージも算出しています.
各国評価と展望
早速実力評価と順位です.
横軸は得失点に基づくレーティング値(定量的実力評価値)です.対戦チーム間の差のみ意味があり,最下位評価の香港を0としています.カタールにはホームアドバンテージ(赤棒)が加算されています.日本は頭一つ抜けた1位評価で,その後を韓国,イラン,オーストラリアが追う展開はここ数年変わっていません.レーティング差と予測勝ち・分け・負け率の関係は下図です.
レーティング差が1.0だとほぼ負けは無く,引き分けですらかなり珍しい実力差です.3位の実力評価が最も高いのは日本を含むD組で,これはいわゆる「死の組」なのでしょうけれども,日本とベトナムのレーティング差は約0.8もあります.(参考:元日に対戦した日本とタイのレーティング差は約1.0.ホームアドバンテージを含まない)
提案手法とFIFAランキングを比較します.FIFAランキングはその差から(予測勝率)+0.5x(予測引き分け率)の値を算出できるので,これを比較します.
左は日本がそれぞれのチームと対戦した時の(予測勝率)+0.5x(予測引き分け率)の値です.(これの簡便な言いかえ用語ないだろうか…).上位チームとの予測値は両手法で一致していますが,サウジアラビア以下では提案手法が予測勝率が大きいことがわかります.可能性として,
提案手法が上位チームを過大評価している
FIFAランキングが下位チームを過大評価している
のどちらかです.FIFAランキングは試合を行わないと更新されないので,自分としては下位チームの試合数不足または対戦相手のバリエーションが乏しいことを疑っています.右図がレーティング算出対象の試合数ですが,下位チームは試合数が少ない傾向にあります.サウジアラビアやカタールは試合数が多いですが,FIFAランキングでは試合ごとにランキングポイントを交換する方式なので,地域外のチームとの対戦が増えないと実力評価がうまく働きません.
どちらにしても,グループステージはほとんど波乱が起きそうにありませんので個別の展望は割愛します.
24チームから16チーム決勝トーナメントに進む(予測のプログラミングが面倒くさい)方式です.これもEURO2022に近いですね.
大会を通したシミュレーションを3000大会分行い,最終成績を集計しました.
優勝確率が高い順にソートしています.日本が優勝確率約30%で堂々の最良評価です.上位国はGS敗退の可能性が非常に低く,ここでの3試合をどのようにマネジメントするかがその後の成績に影響しそうです.イラク,ヨルダンあたりは組み分けがアンラッキーな感じ.GS突破確率が0.2以下の国が4つもあるのは,やっぱりアジアで24チームは実力差が大きすぎるな…という印象です.
参考までに,EURO2020の予測です(工作の都合上ソートしたものが無くてすみません)
GS突破確率は低くとも0.2以上で,これは拡張した甲斐があったよね,ということになります.
とにかく,ワールドカップ以降好調を維持している日本代表,2011年以来の戴冠なるか,に注目です!