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独自スタッツでB1リーグ2019/20シーズン 各チーム評価をしてみた.

ここに至る文脈

1年くらい前から,Play-by-play単位で各選手の貢献を定量的に評価できないかな?という実験をしていて,noteやTwitterで途中経過を流しています.

(再掲)

通常のスタッツはプレイが終わったときにそれに関与していた選手のみに数値が付与されますが,提案手法では

・コート上の5人に分配すること

・対戦相手を考慮すること

の2点を目的としています.各選手は攻撃・守備2つの評価値を持っており,攻守それぞれのプレイの勝敗で評価値が調節されます.1プレイの勝敗は以下と定義しました.

・攻撃側の勝利:ボール保持が得点で終わる(フリースローも1本で1勝とする).またはオフェンスリバウンドを獲得する(フィールドゴール失敗+オフェンスリバウンド獲得で1勝1敗とあつかう).

・守備側の勝利:ボール非保持が無失点で終わる.

定義上の既知の課題:3ポイントもフリースローも同じ勝利数としているので,ロングシューターが不利になりやすい指標です.

また,同時出場の時間帯が非常に長い選手の組み合わせでは貢献が適切に配分されません.この点では,既存のスタッツ同様,チーム戦術に影響を受ける指標です.

(再掲終わり)

最初は個人単位の評価に使える手法を考えており,上記note記事もそうしていました.しかし,選手起用の方針に個人評価が大きく影響を受けて要るっぽく(通常のスタッツもそうではあるのですが),提案手法はどうやらユニット(コート上5人の組み合わせ)の評価のほうが適切そうだぞ,と思い始めました.

成果物

ということで,1プレイ以上あったユニット(1名でも異なれば別ユニット)すべてについて,攻守の評価値の和を横軸(右が高評価)に,プレイ回数を縦軸(上がプレイ数多)に取ったグラフを示します.

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大半のユニットのプレイ数は100以下です.(評価値)x(プレイ数)が一定となる等高線を黒点線で補助線として引きました.

これのチーム別のものを以下で示します(ので,18枚も図が並びます!).縦軸と凡例を変更したので,A東京(東地区1位)を例として説明します.

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横軸は評価値,縦軸はプレイ数(対数軸に変更),色付きのマーカがA東京の各ユニットです.プレイ数が最も多いユニットを便宜的に「ファーストユニット」と呼び,紫星で示しました.実質的にチームの成績に影響を与えていそうなユニットのプレイ数は100=10^2以上が目安でしょうか.

また,ファーストユニットとの共通の人数ごとにマーカ種を変えて図示しました(青四角→水色下三角形→緑上三角形→黄色丸→赤丸).A東京はセカンドユニット以降の評価値(約0.7~0.8)がリーグ最上級であり,かつ4人共通のユニット(青四角)が非常に少ないという特徴があります(この後の図を見るとわかります).

また,Giniはユニットごとのプレイ数に対するジニ係数です.小さいほど均等,1に近いほど特定ユニットが寡占していることを示します.

上図を解釈すると,「ファーストユニットはそこまで強力ではない(評価値約0.4)が多くのプレイ(1457/8171)を消化している.高評価(評価値0.5以上)なセカンド以降のユニットがそれぞれ200~500プレイで他チームと差をつけている」となります.

以降,リーグ終了時点の各地区順位順に示します.チームへのコメントはあったりなかったり,データを見ただけで書けたり書けなかったり,です.

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宇都宮:A東京よりもプレイ数がシェアされており,ファーストユニットがそもそも特に強力.4人共通のユニットも強力かつプレイ数も多い.レベルの高い6~7人のローテーションでどのユニットでも優位に立って勝つ構成.

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千葉:上位2チームと比べるとユニット評価は若干低め.

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SR渋谷:多数のユニットがまんべんなくプレイ(ジニ係数0.6以下はSR渋谷,秋田,三遠の3チーム).ユニットの組み合わせ306は最多でファーストユニットの277プレイは最小.ファーストユニットでも1試合当たり1分程度しかプレイしていない計算(本当かな?).

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秋田:SR渋谷同様の均等配分型.ファーストユニット,および4人共通の一部のユニットでの評価が苦しい.

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北海道:

(ここから中地区)

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川崎:2つの高評価ユニットがほぼ同数のプレイ数でファースト・セカンドユニットを構成.1名を入れ替えた5ユニットで大半のプレイを賄う.ジニは高め.主力選手のケガが怖いですね.

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三河:

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富山:ファーストユニットから選手が交代して評価が下がらないが上がってもいない.

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新潟:強烈なファーストユニット寡占型.ジニ係数が最大(0.746).かつファーストユニットから選手を替えると評価が下がってしまうのが苦しい.ファーストユニットからの交代は1人ではなく2人を多用している.

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横浜:

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三遠:ジニが小さいが,積極的にまんべんなく起用しているというよりは,いろいろな選手を起用せざるを得ない事情,という印象.

(ここから西地区)

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琉球:一番右上の下三角が実はファーストユニットかもしれない.

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大阪:こちらも,一番右上の下三角が実はファーストユニットかもしれない.

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滋賀:ファースト,セカンドユニットは高評価かつプレイ数多だがその後が少し離れている印象.

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京都:リーグ最多プレイ数(2309)のユニットを擁する.ちなみに総プレイ数は8409なので,京都の試合を見ていると11分近くこのユニットを見ることになります.

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名古屋D:ファースト・セカンドユニットがほぼ同数かつ多いプレイ数であるのは川崎に近いものの,残念ながら評価値が高くないことが順位に反映されているか.

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島根:ファースト・セカンドユニットは頑張っているけれどもベンチメンバーの事情が苦しい感じ.

余談:チャンピオンシップ(があったら)展望

ここは完全に予測で私見なわけですが,この評価からすると今シーズンチャンピオンシップがあったら,宇都宮が優勝候補筆頭だったのかな…と思います.ファーストユニットがそもそも強力なうえ,そこから1~2名選手交代したユニットも実戦を十分経験していることから,特定選手の不調やケガに左右されにくいチームだったのではないかな?と想像します.#ただし,今シーズンブレックスの試合は1試合も観れていませんでしたが!

というわけで,長文お疲れさまでした.来シーズンは最後まで予測や評価を楽しめますように.

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