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バスケットボールのホームアドバンテージについて(spoana#6のLTに触発された記事)(20200217追記あり)

はじめに

過去数回LT発表させていただいたイベント,spoana (Sports Analyst Meetup)の第6回が2月16日に開催されました.スポーツのデータ取得や分析方法などについて,現場・ファンなどさまざまな立場から幅広く発表や情報交換をする素敵なイベントです.

私は#6には参加できなかったのですが,運営や参加者の皆様のツイート・ブログで内容をフォローしていました(今回はLT枠空いてたんですね・・・)

本題:バスケットボールのホームアドバンテージについて

LTの中でBリーグのホームアドバンテージ(HA)を取り上げていたものがありました.

スライド内にもあるように,Bリーグでは若干HAがあります.勝率はスライド内を見ていただくとして,得失点差だと大体1.0点前後のHAがあります.

これに触発されまして,数年前に各国リーグの得失点を半自動・半手動スクレイピングでまとめておいたデータがあったことを思い出したので,それを使って,

・ホームチームの勝率

・ホームチームの得失点差の平均

をリーグ・年毎にプロットしてみます.リーグはBリーグのほかに,代表チームのランキングが高い国のトップディビジョン,およびユーロリーグで計13リーグです.データをしばらく更新していなかった都合もあり,データは2010年開始シーズンから2017年開始シーズンまでです.

*データに関する注意事項:Bリーグは2年のみです.他のリーグはデータ取得にばらつきがあり一部の年に欠損があります.また,ホームとアウェーはチームの記載順で判定しており,中立地開催などは判定していません.データ元はflashscoreあたりを利用したような気がしますが,記録を忘れていました.

ということで,主結果です.縦横軸はそれぞれホームチームの得失点差の平均,および勝率です.

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赤左三角が日本(Bリーグ)です.NBAは紫十字で表されていて,平均勝率は0.594,平均得失点差は2.912(40分換算:2.426)です.他のリーグでは勝率が0.55から高いところでは0.7を超えるところもあったりするなど,各国の事情がかなり違うな,という印象です.強いチームがホームでの開催が増えるような大会形式だとホーム勝率が上がるのですが,リーグ個別の事情はちょっとまとめ切れていません(このデータを整理した時点ではぼんやり頭の中に入っていましたが,何せ毎年のようにころころと変わったりするものでして・・・)

リーグ・年ごとにホームとアウェーの得点の平均について検定をすれば有意差の有無が分かりそうです.直感ではありますが,50から100くらいでおおむね正規分布で分布する二つの確率変数の差が2.0以上ある,というのは多分有意差があると判定されるような気がします.時間があって興味が続いたら計算するかもしれません.

早速追記しました(20200217 20:00)

ホームチームから見た得失点差が0でないかどうか,は多分「1標本t検定」で検定できそうなので,得失点差をMATLABのttest関数に突っ込みます.(Qiita案件な気がしてきました) (# 検定周りはちょい不安があるのでどなたかご指摘いただけるとうれしいです・・・)

p値の大きい順に10個並べてみます.

キャプチャ

試合数が少ないのでp値が大きいリーグが多い中,500試合以上あるにもかかわらずわれらがBリーグは「HAによる得失点差が0である」という帰無仮説を棄却できなさそう(p=0.152と0.106),ということが分かりました.ただ,ホームの得点が多いのが開幕以来続いているので,長期間で見ればBリーグでも「HAが無いにしてはホームチームの点数が多いなぁ」と言えそうです.

p値の小さい順も見てみましょう.

キャプチャ1

アルゼンチンのリーグでは何が起こっているのでしょうか・・・.大会形式が特異だったようなの覚えがありますが確信持てないので,時間があって興味が続いていたら追記するかもしれません.

結論

・(プロ)バスケにはHAがあるっぽい.

・BリーグはHAが少なめ.

・ホームチームが7割勝っちゃうリーグもある.

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