教えることで自分が育つ
学校でも道場でも、先生として人にものを教える中で、子ども達や生徒と同じか、もしかしたらそれ以上に、自分が育ててもらっていると感じます。
これから「人に教える」という経験をする、もしくはしている人に多少なりとも参考になれば嬉しいです。
私は火曜日の「リアクション柏テコンドー」という道場で大人を対象にテコンドーの指導を行っています。
同時に自分自身まだまだ選手として活動してもいるので、
「指導をしながら選手として練習は大変じゃない?」
と言われることもあります。
確かに、単純に考えれば、今、指導している時間や当然練習メニューを考えたり準備したりする時間を自分の練習にあてれば、より選手として上達できるのでは。というのもわかります。
ただ、今こうして指導に携わるようになっての実感では、技術、体力、精神力、総合的なパフォーマンスとしてはより向上できていると感じています。
それは何でなのかな、って考えたときいくつかの要因が考え付きました。
・教えることで「理解」が深まる
これは、どの分野においてもそうだと思うのですが、今自分が持っている知識や技術を教えようと思ったら、自分の言葉にまとめ直せるほど教えようとすることについて理解していなければなりません。
特にスポーツや、武道の場合は、自分の身体感覚を言葉に変換して説明できないといけないので、より理解が必要になると感じています。
教えることができた技術こそが、自分がしっかり理解して体現できている技術といえるかもしれません。教え始めることで、そういう技術が増えてきました。
・自分の大事にしていることが明確になる。
これは、道場で指導をはじめて一番実感したことでした。
当然新しく入会する方は、テコンドーについて何もしらない状態で入ってきます。
そうやって一から教えていくうえで、どのような順序で教えればいいか考えたとき、自分の今持っている技術で何を大事にしているかが明確になってきました。
どんなに頑張ってもあらゆる知識や技術を網羅することはできません。
そうなったとき、自分がこの分野で、何を重視し、どんな存在を目指すのかが明確になっていることが、成功するためには大切だと思います。
人に教えることで、そんな自分が目指すべき方向性というものが、より定まってきたのを感じます。
・成長すると良い練習相手になってくれる
これは武道、格闘技の世界で弟子を作る大きなメリットではないでしょうか。
自分の技術を理解した弟子は自分自身の課題も鏡のように映してくれます。
そんな相手と一緒に練習することは、選手としても非常にステップアップに都合が良い環境だと思います。
このように、人を教えるということは、生徒や部下、弟子のためだけでなく、自分自身の向上にもつながっています。
今回はテコンドーの指導員としての話になりましたが、小学校の先生として、子どもからも気づかされることや、自分の成長のきっかけになるようなことをたくさんもらうことができます。
つくづく、良い環境に恵まれたと感謝しています。
これからも、多くの人を教える中で、自分自身も成長していきたいと思います。
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