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[第026話]兎角この世は初志貫徹

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【初志貫徹】
読み:しょしかんてつ
意味:初めに思い立った志を最後まで貫くこと。「やる!」と決めたことを最後までやり遂げる、成し遂げることって、結構難しいと思っています。それでも人は挑戦し続ける・・。
(参考:日本漢字能力検定協会『漢検四字熟語辞典』)
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10年前、日曜日の朝。
テレビに映っている健康番組のレポーターを「名前は聞いたことあるんだけどな、どこで観たんだっけ?」と考えながら朝食を食べる私へ。

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おはようございます。日曜日の朝7時に朝食ですか。早起きですね。
健康番組観てるんですね。この番組、レポーターとして結構いろいろなお笑い芸人さんが出演されていますよね!今日のレポーターさんはどんな方なんですか?
「前に別の番組で観たのか、名前は聞いたことあるんだけど、よく覚えていない」…そうなんですね。

…でもね、今は信じられないかもしれないけど、あなた10年ぐらい経った頃にそのレポーターさんたちの単独ライブ観に行ってますよ。しかも2回。さらにそのうち1回は広島まで行ってるんですから。
「いや、何言ってるの?」という顔をしないでください。

なので、できればそのレポーターさんの顔、覚えておくといいと思います。何年後かにお見かけしたときに、「あの時の方?」と思い出すきっかけになるから。


11月下旬、物陰から活動をこっそり応援している #ヴェートーベン さんの単独ライブを観に行ってきました。楽しすぎて、しばらくは「楽しかった!」しか感想を伝えられなかったのですが、ライブからしばらく経ったので、記録の意味も含めて、感じたことなどまとめてみようかな、と考えた次第。かなり長文です。
アーカイブで初めてご覧になる方や、これからアーカイブを購入される方もいらっしゃるかと思いますので、ネタバレにならないように気をつけます。そういう方の楽しみは阻害したくないですから・・。

今回のライブ会場は、広島にある「 #広島WAKOゲバントホール 」というホール。以下の記事で、行った場所の3番目として紹介したところです。


1.こんにゃく、ライブ開催を知る

今年の半ばくらいに、お二人の地元である広島でライブがある!ということを知りました。思い起こせば、LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)でのライブを観に行ってから早くも1年。ちょこちょこ有観客のライブに行ったり、配信に参加したりしていたので、1年はあっという間でした。

そして今回のライブも、チケットは(基本的に)手売りとのこと。「会場300席分のチケットを完売して、満席にする!」というのが今回の挑戦。どんな結末になるのか、それを追う日々が始まりました。
「そういえば、お二人を知ったきっかけも、渋谷ライブに向けた挑戦をたまたま見かけたことだったし、なんならそれに刺激を受けて漢字検定も受けたんだよな」と、何となく思い出しながら・・。

とはいえ、普段は東日本にいるので、東京から新幹線でも4時間かかる広島は決して近いとは言えない距離。仕事が立て込んだことも重なり、「ライブ、行きたいけど行けるかな・・」と逡巡する日々がしばらく続きました。

2.こんにゃく、チケットを買う

逡巡していた私を、もう一人の私がこうせっつきました。

いやいや、去年広島に新幹線で行ってるじゃん。何を今更「行けるかな」って悩んでるのよ。新幹線で4時間なら行けない距離じゃないでしょう。また広島楽しんでくれば?

そうなのです。私は昨年も広島に行っていたのでした。しかも広島から帰ってきたその晩に、スーツケースをゴロゴロさせながらそのまま有観客ライブにも行きました。

というわけで、ホテルを予約し、チケットを購入することに。
チケットをお二人のどちらかから購入しようとも考えたのですが、なかなか予定を合わせることができなそうだったので、「だったらこっちがお二人のイベントの予定に合わせた方がいいよな」と考え、お二人のYouTubeの生配信に行ってみました。そしてチケットはその生配信の中で購入。チケットを買った話はこちらに書きましたので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

3.こんにゃく、安芸国に降り立つ

1年ぶりの広島。前回は暑い時期でしたが、今回は涼しい時期だったので、移動がとにかく快適(ただそれでも、東京よりは寒かったですし、朝晩は結構冷え込みました)。到着したのは深夜だったにも拘らず、広島駅は路面電車を待つ人でそれなりに混んでいました。
後から知りましたが、ライブの当日は近隣で King&Princeのライブがあったり、お笑いコンビ「バイきんぐ」の西村さんによるキャンプイベントがあったりと、それなりにいろんなイベントが重なっていたようです。キンプリも大人気グループですし、バイきんぐの西村さんもお笑い界やキャンプ界で有名な方。もしかしたらそういう事情もあって広島駅が混んでいたのかもしれません。なんて日だ

4.こんにゃく、テンションが上がる

会場の広島WAKOゲバントホールは、全体的に瀟洒な雰囲気を漂わせたとても趣のあるホールでした。席は全席自由でしたが、購入したチケットの関係で、私の席は割と前の方。席を確保し、ふと後ろに目を見やると、席はすっかり埋まっていました。
お客さんも、カープファンの方もいらっしゃれば、 STU48さんのファンと思しき方もいらっしゃり、いろいろな方のいろいろな「好き」がたくさん混じった熱い空間になっていました。

ところで、ライブが始まるまでの時間に流れていたBGMがとにかくカッコよかったのです。まるで戦士がラスボスに挑みに行くときに流れていそうな戦闘系のBGM。どなたの選曲かは分からないのですが、これから始まるライブに向けて、その場にいる人全員のボルテージが上がりそうな曲ばかりでした。
あの音源、どこかで売っているんだろうか?作業用のBGMとして使いたい・・。

5.こんにゃく、表情筋と腹筋を鍛える

ライブは、前説から始まります。客席を温め、ライブに関する諸注意などを説明されるのですが、今回前説を担当されていた方は元々芸人さん。緊張しているお客さんの感情がだんだん解れていくような感覚が伝わりました。
他人の緊張を解しつつ、笑いも交えながら伝えるべきことはしっかり伝える。私には真似できない高等テクニックです・・。

さて、 #ベートーヴェン (今日が誕生日だそうです)の名曲が使われたオープニングムービーが終わると本編に入ったのですが、このとき、お客さんの拍手とともに、こんな声が聞こえてきました。

おかえりーーー!!

・・そうか。
広島は、お二人にとってのホーム。東京でしかライブを観たことがなかった私はすっかりその感覚が抜け落ちてしまっていたのですが、広島の方から見れば「広島に帰ってきた!!」という思いが強いのは至極当然のことなんですよね。ライブ序盤で、すごく印象的な言葉を耳にした瞬間でした。

ネタ中はほぼずっと笑いっぱなし。基本的にはセンターマイク1本と自分の言葉、そしてそれを笑いに昇華するセンスが漫才師の武器。それらを自在に操る姿・・。圧倒されます。
特に今回は広島での開催ということで、広島の方に馴染みの深い内容をネタに盛り込んだ漫才もありました。昨年の渋谷でのライブでは観られなかったネタが観られたのも地元でのライブならでは。お客さんの中から「あ〜、あるある・・」というような反応が出ていました。
それから、今回もお客さんの好きなアーティストやスポーツで即興漫才を披露されていました。何回も即興漫才を見ているのですが、相変わらず私はあの漫才がどのように頭で練られているのか分かっていません。

ところで、今回の企画にゲストとしていらした方が #広島東洋カープ#矢崎拓也 選手。赤字のロゴが入ったユニフォームで登場した時に、「現役のプロ野球選手じゃ・・。オーラがすごいけぇ・・」と感じました。
矢崎選手は謙虚で実直な人柄の中に、自分の役割(主には投手としてのピッチングでしょう)を飄々とこなすプロ意識が垣間見えるような素敵な方でした。ヴェートーベンさんからの質問に時にはユーモアを交えて回答するところも魅力でした。
私の野球偏差値は2。ですが、このライブをきっかけに、来季はカープと矢崎選手のことを応援したい!と思ったのでした。そのためにはまずルールをきちんと叩き込まないといけないのですが・・。

6.こんにゃく、思いを巡らす

ライブのネタ中に知ったのですが、広島のライブは満席だったそうです。何より、お二人の「会場300席分のチケットを完売して、満席にする!」の挑戦が結実した瞬間を見られたことがすごく嬉しかったです。
アーカイブで見ていても笑い声が聞こえ、拍手が響き渡りますし、熱気が伝わるような感じがしています。

さて、渋谷のライブでもあったのですが、広島のライブでも最終盤にお二人からの熱いメッセージ、「伝説の5分55秒」なるものがありました。渋谷でのライブでの悔しい思いがバネになった話、たった一人でライブチケットを手売りして渋谷公会堂を満席にした「路上の師匠」さんのお話・・。そして最後にはこんなメッセージが伝えられました。

何歳からでも挑戦できる。
挑戦している姿を、大人が子どもたちに見せていこう。

私もそうですが、歳を重ねるにつれてだんだん保守的になっていくことがあります。それはきっと、今までの知識や経験が、失敗することを想定してブレーキをかけるから。
何もやらないでいることは、ある意味一番の安全策になるんですよね。

このライブの前後、私は仕事で「変えるべきところは変えていかないとね」という話をしていました。もちろん前例は前例で大事なわけで、それが「変えるべきところ」の検討材料にもなってきます。私にだって、その「前例」があったからこそ、今の仕事をやってこられたという経緯があります。
だけど、前例をすべて踏襲することが、今回も最善の結果をもたらすとは限らない。だったら最善の結果を出すためにも、変えるべきところがあるなら変えていこう・・と、大体こんな感じの話です。

変えるべきところを変える、これもある意味「挑戦」です。どこをどう変えるのか、変えたとしてどんな結果が考えられるのか、変えていくためにはどんな準備が必要なのか・・。
いろいろ考えて、最終的には「変えない」という結論になったとしても、それは「挑戦の結果」であり、失敗ではないと胸を張れるんじゃないかなと思います。

最近、ちょっと大変そうな仕事を引き受けました。上司に「こんにゃくさん、これやってみる?」と聞かれたのですが、せっかく白羽の矢が立った以上、やってみよう!と思ったのです。
結果はどうなるか分かりませんし、正直あまり専門知識もない分野です。でも、あの時のライブが、挑戦する力になりました。
がんばります。

いろいろな思いを胸に、私は広島を後にしました。スーツケースには、行く時にはなかったライブで買ったグッズのTシャツが増えました。
また、どこかでライブをされるのであれば観に行きたいと思います。Tシャツを着て。

最後に、矢崎選手のお話。
ライブ10日後に #東京ヤクルトスワローズ への移籍が発表されました
。どうやら「現役ドラフト」という制度で移籍が決まったらしく・・。
野球偏差値2の私でも、このニュースにはびっくりしました。ライブの時には全く想像していなかったですし、移籍する可能性のことも全然考えていなかったので。
ライブのカメコタイムにカープのユニフォームを着ている矢崎選手とヴェートーベンさんを撮影した写真が残っているのですが、なんだか貴重な写真になっています。
ですが、どのチームに移籍しようと、来季は矢崎選手のことを応援していこうと思っています!


10年前の私へ。
ほら、さっきテレビに映っていたレポーターさん、ぶち面白いじゃろ?

(2024/12/16)


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