第一・第二もみじ作業所 企画・販売グループ「ぷくぷくマンボウTシャツ」ができるまで
着ているだけでなんだか楽しい気分になれそうな、コロナも逃げていきそうな「ぷくぷくマンボウTシャツ」は、第一・第二もみじ作業所「企画・販売グループ」の仲間たちが、商品企画から販売までを手掛けています。始まりは、なんとTシャツになる絵の候補を描く絵画教室の企画から! Tシャツができるまでの長いながーい道のりを、なるべく短くまとめてお伝えします。
社会福祉法人もみじ福祉会
1980年1月に広島市で初めて無認可作業所を開所してから、障がいのある人たちが地域の中でふつうに生活ができるようさまざまな「居場所」をつくりつづけている。「はたらく」「くらす」「ささえあう」場所として広島市内に9つの事業所を展開。人が人として、笑うように生きるための営みが形づくられている。
第一・第二もみじ作業所(法人本部)
広島県広島市中区吉島2丁目1-24
TEL: 082-243-0331 FAX: 082-243-0497
E-mail: info@fukushi-momiji.or.jp
HP: http://fukushi-momiji.or.jp/
「企画・販売グループ」ってどんなところ?
第一・第二もみじ作業所は、「はたらくこと」をまん中におきながら、仲間一人ひとりにあった仕事、時間、環境づくりを一緒にすすめている生活介護事業所です。60名を超える仲間たちは、仕事内容によって5つのグループに分かれて活動しています。こんこんでも取り扱いをさせていただいている、テント生地のポーチやバッグを製作する「さをり・縫製グループ」のほかに、「ダンボールグループ」・「せんべいグループ」・「リサイクルグループ」…は、名前からなんとなーく活動内容を想像できますよね。
では、今回ご紹介する「企画・販売グループ」っていったいどんなところ?グループリーダーで生活支援員の岡田敬子さんに聞いてみました。
岡田:
「企画・販売グループ」は、自主製品を「企画」して、できあがった自主製品と仕入れた商品を「販売」するグループです。毎年、恒例の仕事としてTシャツとカレンダーの企画を行っています。缶バッジ・クリアファイル・バンダナなんかも単発で企画してきましたね。販売ということろでは、別のグループがつくったおせんべいや、第三もみじ作業所が作ったパンとクッキー、他社さんから野菜なんかも仕入れて「ミニミニバザール」という地域販売をもみじ作業所の敷地内で月1回開催しています。今ちょっとコロナなんでね、できない月もあるんですけど、近所の人がふらっとお買い物に来て下さいますね。
「企画・販売グループ」では、当人たちが意見を出して、考えてっていうところを大事にしています。話し合いの場も、他のグループに比べるとものすごく多くって、もちろん大変なときもあるんですけど(笑)「しっかり売っていこう!」みたいな気持ちづくりも含めて、仲間集団を意識して取り組んでいます。
「ぷくぷくマンボウTシャツ」ができるまで
「企画・販売グループ」には、11名の仲間と5名の職員さんがいらっしゃいます。Tシャツの担当は、伊世伸一さん、石澤美穂さん、河野由加里さん、小坂泰嗣さん、そして職員の木内知幸さんの5名です。担当者のみなさんから寄せていただいた声は「ぷくぷくマンボウTシャツ」をつくった5人の仲間たちよりご覧いただけます。
1. Tシャツになる絵の候補を描く絵画教室の企画
絵のモデル決めはもちろん、どのグループの誰に参加してもらうかも!(関係の深い仲間同士だからできることですね)話し合って決めます。グループ間で調整した後、絵画教室への「参加依頼文」を各グループに提出するところまで、担当者の仕事です。
2. 絵画教室でできあがった作品選び
絵画教室で制作された60枚の絵の中から、今年のTシャツに使う絵を話し合いで決めます。この時、誰がどの絵を描いたかはわからないように、作者名は伏せて。今年は、たまたま担当者のひとり、河野さんのマンボウになりました。
Tシャツになった絵の作者でもあり、Tシャツ担当者でもある 河野由加里さん
3. 絵の大きさ・配置決め
話し合いで決まった絵を使って、Tシャツのデザインを考えます。ベテランの伊世さんが、河野さんに「デザインも考えてみたら?」と提案されたことをきっかけに、河野さんと職員の木内さんがデザイン案を3,4種類作ったところで話し合い。ところが、全部ボツになってしまったそうです!(シビアですね!)
最終的に、小坂さんの「めちゃめちゃでっかくしたらどうだろう?」という提案が通って、大きくプリントアウトしたマンボウをTシャツにあててみながら大きさと配置が決まりました。
4. Tシャツに入れる文字決め
マンボウの絵の大きさと配置が決まったら、今度はTシャツにどんな文字を入れるか、そしてその文字を誰が書くかを決めます。今回は、職員の木内さんがたたき台を出して、それを元にまた話し合い。「NANISHITE MANBOU PUKUPUKU MANBOU(何してマンボウ プクプク マンボウ)」を同じ「企画・販売グループ」の新長大輔さんが書くことが決まりました。
5. 試作Tシャツの色決め
Tシャツのデザインが決まったら、いよいよ色を決めます。まずは試作生地の色決めから。Tシャツのカタログを見たり、仲間の好きな色を聞いてみたり、売れそうな色を考えてみたり。過去に作ったTシャツも振り返って、生地の色の提案をたくさん出した後、職員の木内さんが絵と文字の色のパターンをフォトショップで作って提案されたそうです。たくさんの組み合わせの中から、今年はなんと9種類の試作をつくられたとか…!本気度が伝わってきますね。
6. 商品にするTシャツカラー選び
9種類の試作Tシャツの中から、商品にするTシャツを決めます。例年、2色展開だったそうですが、今年はコロナ禍のため、営業にもなかなかいけない、でも売上をのばしたい…デザインもいいし、今回は思い切って3色出してみよう!ということになったそうです。
担当者のひとり、石澤美穂さん
「Tシャツを3色出すのは夢だった。いつもは2色で予算のこともあったから…お客さんも職員も好きな色が選べるから、3色作れたら素敵だな~って。それに、今回はゆかりさんのまんぼうの絵が上手だった。」
まとめ
「企画・販売グループ」の商品が魅力的なのは、きっと担当者のみなさんが、真剣に話し合って完成したTシャツだから。イラストや文字の大きさや位置など、ミリ単位の微妙な違いも(!)仲間同士で話し合うのだそうです。そしてその過程を知った今、「ぷくぷくマンボウTシャツ」がもっともっと魅力的に見えてきませんか?
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広島の障がい者福祉の現場で生まれた商品やアートを通して、作り手のみなさんと出会ってほしい。
一人でも多くのお客さまに「こんこん」と気軽にノックしてもらえますように。
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