【SW2.5】フェンサーのすゝめ
👇🏻これの続きです。
どうも、KoNです。
本記事はTRPG「ソード・ワールド2.5」(以下、SW2.5)で遊びたい方向けに執筆していますので、ご注意ください。
また、本記事を読む際には、以下の用意を推奨します。
以上三冊は、以降「基本ルルブ」と称します。
特定のページを示す際は、(『Ⅰ』350)(『Ⅱ』36)
といったように、ルールブックの番号とページ数を記載します。
また、本記事中には「1H」や「2H」、「1H両」、等の記載がありますが、こちらは武器の用法になります。
詳しくは『Ⅰ』を参照してください。
技能解説シリーズ第二弾!
SW2.5において欠かせない存在。それは前衛です。
彼らは前線に出て、魔物たちを抑える役割を持ちます。彼らがいなければ、強力な行動ができるはずの魔法使いたちは、何もできないまま魔物に轢き殺されてしまうでしょう。
その役割を担うのが、戦士系技能と呼ばれるものです。
今回は、そんな戦士系技能のひとつ、フェンサーについて紹介します。
軽戦士、とも称されるこの技能の特徴や、長所短所、オススメの構成など、関連するデータについて今回は語ります。
主観の入り交じった記事になるため、あくまでこの人はこう考えているんだな、程度に受け止めてください。
この記事の通りにする必要もありません。ただ、あなたがキャラクタービルドをする際に参考になれば幸いです。
また、基本的にPCの冒険者レベルは初期作成~10レベルを想定しています。
11レベル以降の高レベル帯については、話が大きく変わってきますので、記事の後半に別途記載します。
フェンサー(軽戦士)
特徴と役割
フェンサーはファイターと違い、経験値テーブルがBテーブルの技能です。
これは、レベルを上げるのに必要な経験点が少ないことを意味します。具体的にはレベル1の差があると思ってよいでしょう。
その差を使って、命中力や回避力を確保したり、他の技能に経験点を回すなどして、器用に動くのが基本となっています。
ただし、フェンサーには装備の制限があります。
装備の際、「必要筋力を筋力の半分として計上する」という大きなデメリットがあり、これにより〈金属鎧〉の着用が困難になります。
また、他のA技能とは違い、防御関連の特技を自動習得しません。そのため、耐久力に難のある技能になります。
その代わり、《回避行動》という回避力を伸ばす常時特技を習得可能になります。それに加えてレベルを伸ばしやすいことから、フェンサーは回避力を伸ばしやすい技能になっています。
以上の事から、フェンサーの主な役割は「回避力で敵を抑える」前衛役、もしくは「他に習得する技能で仲間のサポートをする」支援役になるでしょう。
そのような傾向にあるため、フェンサーで最も重視するべき能力値は「敏捷」です。後は構成とあなたの好みで、優先する能力値を決めていきましょう。
これぞ王道シーフ!斥候基本型
はっきり言います。
フェンサーとスカウトは一緒に習得しろ!
それぐらい、フェンサーとスカウトの相性は良いです。
フェンサーは回避力に依存する性質上、敏捷を伸ばす必要があります。同様に、スカウトには先制判定がありますから、特に敏捷を伸ばす必要があります。
フェンサーも武器による攻撃を命中させたいので、器用は高い方が好ましいでしょう。スカウトも器用を使う判定が多いため、やはり器用は高い方が好ましいでしょう。
つまり、フェンサーとスカウトは必要とするステータスが噛み合っています。それにどちらもBテーブルで、経験点の消費は軽いものとなるので、他に経験点を回しやすいです。
だからこそ、これらの技能は一緒に習得したいんですね。
利点は、「スカウトが強い」「選択肢が多い」こと。
先述した通りスカウト技能の長所を伸ばしやすいのは勿論のこと、経験点に余裕があるため、様々な技能を習得しやすいのも良い点でしょう。
習得したい特技として、《回避行動》《防具習熟》《頑強》は前衛として前線で耐えることを目的としています。その上で、主動作で何を行うか、が重要になってくる訳です。
その選択肢が、《必殺攻撃》と《囮攻撃》
《必殺攻撃》はシンプルに火力を伸ばします。
フェンサーのC値を「-1」するという特性との相性がよく、クリティカルが発生しやすくなります。
ただし、クリティカル無効系の能力には無力です。
また、《必殺攻撃》で火力を伸ばすには運が必要で、安定しません。
そこで、《囮攻撃》という選択肢があります。
こちらは当たればそこそこの追加打撃点が貰える他、外れても一時的に敵の回避力に「-2」のペナルティ修正が入るのが良いところ。攻撃と支援のハイブリッド、というわけです。
また、それらとは別に《挑発攻撃》という選択肢もあります。
これは回避力に自信のある時のみ採用できる特技で、敵の攻撃を自身に引きつけることが可能になります。状況次第では効果を示さないため、この特技を選ぶ時は慎重になりましょう。
この宣言特技を使用する際は、いわゆる「回避盾」としての役割を求められます。回避には命を賭けてください。
そんなフェンサースカウトの基本型において、習得したいその他の特技についてはこちら。
会心の一撃!必殺特化型
フェンサー界隈の問題児です。
フェンサーを好む人は、その半数以上が《必殺攻撃》に脳を焼かれているといっても過言ではないでしょう。
やることは単純明快。
《必殺攻撃》でめちゃくちゃなダメージを出す!
です。
メインウェポンには〈首切り刀〉というSランクの富豪用の武器を使用するため、低レベル帯での運用を想定していません。
そこまでの繋ぎに用いられる武器もSランクの〈ピアシング〉であることが多く、本領を発揮するのはレベル5以上から、という尖った構成になっています。
《必殺攻撃》はフェンサーの貴重な回避力を削ってしまうため、そこをどうカバーするのかも重要になります。
レベル7以降は回避力のペナルティも-1になるため、そこまで気にしなくても良いレベルにはなりますが、注意は必要でしょう。
以下は、サブ技能についての私の見解です。
必殺特化型フェンサーとしては、「可能な限りC値を下げること」が重要視されます。要するにアビス強化で武器のクリティカル値に「-1」の補正を乗せようということなのですが、首切り刀でこれをやるとものすごーくお金がかかります。
フェンサーの癖して費用面でも中々キツいのが必殺特化型の特徴です。このビルドで気持ちよくなりたい時は、仲間とよく話し合ってから覚悟を決めましょう。
臨機応変に対応しろ!中衛型
これは上級戦闘に限った話なのですが、乱戦と味方後衛の間に陣取り、敵の射線を遮る「中衛」という役割があります。
味方の射線を遮ることはないため、敵の魔法使いにのみ圧をかけられる器用な立ち位置になります。
フェンサーは、いざという時に前衛としても振る舞える点、遠距離の手札を余った経験点で確保しやすい点から、中衛としての適性が高いです。
ただし、中衛は状況判断能力が強く求められる立ち位置ですので、初心者向けとは言えません。
このシステムに慣れてからチャレンジしましょう。
基本的には斥候基本型と同様ですが、経験点が限られているため、レンジャーはかなり不採用寄りです。
そんな中衛型の利点はやはり、「臨機応変に動けること」でしょう。
魔法使い系技能を採用できることや、どのBテーブル技能をとっても良いところが、大きなアドバンテージであるといえます。
《武器習熟》は、中遠距離でも活躍できる〈投擲〉の方が良いでしょう。
大型サプリメント「エピックトレジャリー」を採用する場合は、〈投擲〉は強い選択肢になるはずです。
魔法使い系技能を軸にして、《武器習熟》等の特技枠をそちらに割くのもおすすめの構成になります。
Bテーブル技能に対する説明は基本型と同様ですので、続いて魔法使い系技能の評価について記載します。
魔法使い系技能を採用する際、命中力が必要にならない点から、魔法使い系技能を先行してレベル上げを行う、という構成が多く存在します。
従って、魔法の種類によってフェンサーと魔法使い系技能、どちらを先行させてレベルを伸ばしていくか、についても言及します。
俺が前に出る!魔法前衛型
中衛型の構成を、前衛での運用に特化させたもの。
たったそれだけで、特技構成は大きく変わります。
このように、《魔力撃》または《マルチアクション》がほぼ必須となります。これを使わないなら、やることは中衛型と変わりません。
また、最前線で敵を攻撃する関係で、《武器習熟》は非常に重要になります。ファイターよりも重要です。
というのも、フェンサーはクリティカルで火力を捻出する性質上、素の威力が高くないと全くダメージが伸びないんです。
例えば、Bランク武器のクリティカル1回は、同じ筋力値をしたファイターの《全力攻撃Ⅰ》に期待値で劣ります。
そんなフェンサーの打点の足りなさを補う際、《魔力撃》はとても有用であると同時に、回避できない攻撃である魔法に対する耐性を捨てるデメリットがあります。
そのあたりのバランス感覚も個人差があるので、自分と仲間はどうなのか、ある程度事前に話し合うことを推奨します。
また、中衛型とは魔法の運用方法が異なります。
中衛型は支援重視でしたが、魔法前衛型は《魔力撃》や《マルチアクション》に焦点を当てるため、より攻撃的な魔法の評価が高くなると考えています。それにより、中衛型の時とは評価が変わるでしょう。
前衛運用のため、基本的にはフェンサーを先行してレベルを上げるものと考えてください。
個人的には上記のような評価をしますが、結局この辺は好み次第でもあるので、自由に決めるのが良いでしょう。
ここまでのまとめ
フェンサーは、回避力と経験点効率に優れた戦士系技能です。
その特性を活かして他の技能を習得し、パーティを縁の下から支える役割が基本となります。
そのため、フェンサーの動きはすべて斥候基本型及び中衛型に詰まっているといっても過言ではありません。
その他の構成に関しては、期待値で言えば他の戦士技能に劣る部分が多々あります。
必要筋力が半分になる装備制限や、技能配分など、総じて初心者向けではない要素が多いのも事実。
そのため、仲間との相談が何より大事な技能になります。特にキャンペーンシナリオをフェンサーで遊ぶ際は、しっかりと計画を練っていきましょう。
高レベル帯について
ここから先は、SW2.5に慣れてきた人向けの項目になります。慣れてない人は読まなくてよい項目です。
まず大前提として、冒険者レベル11以上の世界は、システムに慣れてきた人でも戸惑うようなインフレの進んだ世界になります。
PCや魔物の火力も予想以上に伸びやすく、とれる手段も非常に多いため、状況を理解できるかどうかがそもそもの障害となり、バランス調整がとても難しいレベル帯です。
そのため卓の環境に左右されることも多く、ここで私が述べることも、あなたの環境では全く見当違いのことを言っている可能性があります。この先の記事を読む際は、その内容を鵜呑みにしてはいけません。
その事に留意して、この先を読み進めてください。
具体的な構成
基本的には、先ほど話した4つの型から大きく外れることはありません。おガメルも沢山ありますし、《必殺攻撃》はレベル11からとんでもない強化をしますから、必殺型がとてもやりやすくなっています。
やることは高レベルになっても変わりません。
フェンサー技能で回避、宣言特技と豊富なサブ技能で味方や自分をサポートして、柔軟に立ち回る。このコンセプトはひとつの例外を除き、一切変わりません。
斥候基本型と必殺特化型
高レベルになると、ダメージを出すには高威力の武器を持つ必要があります。〈首切り刀〉の必要筋力20が最低ラインだと思ってもらってよいでしょう。
斥候基本型は、これを持つには様々なものを犠牲にする必要があります。筋力成長を優先したり、他の技能より【ジャイアントアーム】を優先する必要があったり、指輪を嵌めたい両手には〈大きな手袋〉を装備したり、ですね。
そんなことをしているなら最初から《必殺攻撃》寄りの構成をするべきです。キャンペーンシナリオであれば、最初は斥候基本型から最終的に必殺特化型にシフトしていくのもアリですが。
となると、斥候基本型に沿って成長する際は、最終的には《必殺攻撃》よりも《挑発攻撃》や《囮攻撃》の方が有用だと言えそうです。
逆に必殺特化型については、高レベルになると経験点が余り始めます。
そのため、「フェンサー技能とスカウト技能をガン伸ばしする」か「他の技能をひとつまみする」かの二択が迫られます。
そこで参考にしたいのが、斥候基本型です。
Bテーブル技能の集合体とも言えるこの構成で採用したいサブ技能は、余った経験点で習得するのにもってこいなものばかり。特にエンハンサーは伸ばしたいところです。
といった形で、斥候基本型と必殺特化型は互いを意識して成長を考えた方が良いと考えます。
脳筋必殺型
フェンサーこそ威力が大事?
必要筋力が倍になる?
じゃあ筋力を伸ばしまくれば解決じゃね???
というバカの賢い理論によってこの世に生まれ落ちた、SW2.0の頃から続く†理論上最強†のフェンサー構築。
この構成の終着点として選ばれるのが〈ダイナスト〉である。
その必要筋力、脅威の40(80)!!!バカ!!!!!
実際無理なので、基本的には必要筋力が30(60)の〈ガイスター〉が選ばれます。
〈大きな手袋〉「オーダーメイド加工」【ジャイアントアーム】で実質14(28)点ほど必要筋力を削減できるので、〈金属鎧〉ファイターの目標筋力とそう変わらない筋力値であの高威力を振り回せるのは、必殺教徒としては流石に魅力的と言わざるを得ません。
しかも!なんと!筋力が40を超えると!
高レベル帯でも通用する〈金属鎧〉を着れるようになります!!!
ダイスの出目が凡そ5以上で一回目のクリティカルが発生するような環境で、威力が70を超える武器を高筋力で振った場合。期待値は《全力攻撃Ⅲ》に比肩し、単発の爆発力は全戦士技能でナンバーワンといっても過言ではなくなるほどまで上昇します。
そんな脳みそが筋肉で染まっている構成ですが、悲しいことに敏捷の成長率がとても低くなります。
補助輪ガン積み筋力31ガイスターならまだしも、それ以上に筋力を伸ばすとなると、命中力のために器用を確保したいことからも敏捷の優先度は落ちます。
ということは、フェンサーの長所であったはずの回避力を伸ばしづらいというデメリットを抱えることになります。
そのため、【ビートルスキン】【バークメイル】の習得は大事です。
この辺はファイターと一緒です。だって基本的にはファイターの下位互換ですからね。
これらが理解できれば、あなたも立派な脳筋フェンサーです。
パワー!!!
”やってる”魔法フェンサー
魔法フェンサーの何が強いの?と考えている人向けの項目です。
主に以下の魔法技能を採用した時が強力です。
オススメ度は中衛型や前衛型を説明した際と変わりません。
コンジャラーとフェアリーテイマーはどちらもおすすめですが、突出した強みを持っているというよりは万能型なので、ここでの説明は省きます。
シーン信仰はレベル13の特殊神聖魔法がとんでもないことをしています。
燃費は最悪ですが、その効果は絶大でしょう。
パーティの中で最後に行動し、《マルチアクション》で【クレセント・シャイン】を相手にだけ押し付けるのも良いでしょう。
キルヒア信仰の場合、【プレコグ】でダイスの出目が8以上になることを保証できます。特定のSW2.0コンバート流派が使用できると、もっと大変なことに……
様々な魔法が使えるようになるのも強力ですが、中には行使できない魔法もあるので注意してください。
《足さばき》マギテックの真価は、PCが全員《足さばき》を持っており、前衛が全員《足さばき》マギテックであるか、距離が離れていても機能する構成にしている上級戦闘でのみ発揮されます。
【ミニマムリープ】は転移効果ですから、乱戦にいようが関係なく離脱が可能です。そのため、近接攻撃をしながらも乱戦外へ下がり続けることが可能になります。
そうして全員が毎ラウンド10m後ろに下がれるようになることで、いわゆる「引き撃ち」でのリターンを最大限とることが可能になります。
魔法使いはPCも魔物も関係なく、制限移動下でのみ行使可能です。これによって完封できる魔法使い系魔物も少なくありません。
フェンサーが苦手とする特殊効果類に対する耐性も持っているため、高レベル帯のみ相性は良いと言えるでしょう。
《マルチアクション》【コンシール・セルフ】【ミニマムリープ】のヒット&アウェイ透明コンボは使わないようにしましょう。裁定等の対処でGMが困ります。
(一応レベル15のウィザードであれば簡単に回答が出せます)
ドルイドは書いてある通りの効果を補助動作で得られます。
燃費は最悪ですが、そのほとんどが〈魔晶石〉でカバーできます。
キャンペーンシナリオの場合は、なるべく〈マナチャージクリスタル〉で代用したいところです。
高レベル帯のまとめ
高レベル帯において、経験点が少なく済むフェンサーの特徴はとても大きな優位性となります。
他の技能に回す経験点が多くなり、手札を増やすかフェンサーに特化するかで悩むこともあるでしょう。
魔法などのサブ技能に重点を置きたいときはパーティにレベルを合わせてみたり、必殺型を頑張るなら命中力確保の為にもフェンサーをガン伸ばししたり、自分なりの答えを見つけてください。
高レベル帯であっても、敏捷が重要なことには変わりありません。
状況に応じて自分のできることをしましょう。
さいごに
以上、フェンサーについてのお話でした。
いかがでしたでしょうか。
戦士系技能の中でも一番考えることが多くて大変なフェンサーですが、私はこの技能が大好きです。
だって!必殺攻撃が!!楽しい!!!
それだけではない魅力が、フェンサーにはたくさんあります。
慣れるまでは大変かもしれません。慣れてからもこの技能単体のポテンシャルの低さに悩む場面も多いことでしょう。
しかし、限られたリソースを上手く使って、パーティを支える軸となったPCたちも多く存在します。
あなたのPCも、そんなパーティの縁の下の力持ちとなれるように頑張りましょう。ビバ、ダイナストフェンサー。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。
ラクシアで紡がれる、あなたの物語を応援しています。