クラウドアトラス

原題:Cloud Atlas
ジャンル:SFドラマ、


はじめに
ネタバレのような記述は極力避けま〜す。

是非、前情報を知った上でこの作品をご覧いただけると、絶対に楽しい時間を、映画と一緒に過ごせますよ!という記事です。

最後の方に、内容に関する事や、個人的な感想を書きました。本作品を鑑賞後、読んでいただけると、答えあわせに最適かと思います。

「見逃していた大作を掘り出した感のある大作」
こちらは、私が長く、見逃していた作品です。
SF絡む壮大で、奇想天外な映画でした。

SF大好物なのに、タイトル、聞いた事ない……
映画好き同士での会話でも
話題にも上がったことの無い作品。

売れたの? 面白いの?

インディー映画にして史上最高額となる
制作費1億ドル(約80億円)で作られた大スペクタクル作!!
(しかし、儲けの方は、トントンだったそうです。)

本作は、デイヴィッド・ミッチェルの同名ベストセラー小説の映画化作品。
原作者であるミッチェル自身
「これは映画化するのは残念ながら無理だろう」
と思っていたという壮大な物語で、
1849年から約500年にわたってさまざまな国を舞台に、
6つの短編が一つにつながっていく構造です。
まず、この時点で、結構見る見ないが別れるポイントです。

6つの話が、グランドホテル方式で複雑に絡み合い上映時間が3時間を超える(173分)ものに、安易に、迂闊に手を出せないのが、観察側の気持ちです。
「だったら、もう一度ガタカを見た方がスッキリするわ!」
と思ったのもつかの間。

「観るか観ないか、2秒も悩んだ」

ここ、これは、 ……駄作なのか?
と、ふと頭をよぎる不安がありましたがが
ここは映画好きとしては、避けて通れない敵が潜んでいました!
と、半ば強引に視聴したわけです。約3時間もする超大作を……

何より、際立って「トム・ハンクス」「ハル・ベリー」の二大巨頭が引っ張る壮大感が興味を持たせてくれました。
(どちらも大好きな俳優さんです)
(他にも大物クラスもいましたけど)

「キャッチコピーもまた、SF好きを煽る一文!」

1)「人生の謎を解く」
・・・これは、言い過ぎ感ありますが……
各個人、登場人物の様々に変化する人生の謎を垣間見るという感じです。
なので、間違ってはいませんが、見る側(観察者)の人生の謎は解けることはありません。

※人間の人生の謎というか、運命などの一種の定義については、今後別のタイミングで、記事を作成したいと思う次第です。

2)「500年の時を超え、受け継がれる意志が革命を起こす」
『マトリックス』3部作のウォシャウスキー監督
トム・ハンクス&ハル・ベリー主演で贈る
新感覚SF超大作!
過去から未来へ。
500年の時を超え、受け継がれる意志が革命を起こす。

……まずここにはたくさんの情報が混在しています。

◼️『マトリックス』3部作のウォシャウスキー監督
実制作には、3名の監督が同時進行で制作にあたったようです。

マトリックスは、言わずと知れたSFアクションの金字塔。
そのウォシャウスキー兄弟が監督しているのだから一応のクオリティーは、確実に担保してもらえると信じました。

本作関係ありませんが、面白い事に、マトリックスの時はウォシャウスキー兄弟として作品を監督していましたが本作では、ウォシャウスキー姉妹になっていました。

性転換をし、身も心も女性という変化が両監督に現れていた事もありましたが、気持ち「マトリックス」より、はるかに深い深度で、困難な規模での撮影を感じさせますが、彼女らだからこそ、強い指針となって短い撮影期間(なんと約70日!)で、ここまでの大作を制作する事が出来たのでしょう。
作品では性別どうこうは関係ありませんが、こういう裏話的なものも、作品をより深く楽しむ為には、知っておいて損はありません。

◼️トム・ハンクス&ハル・ベリー主演で贈る、新感覚SF超大作!

このふたりはハズレないんじゃないですかね!
そして、「新感覚SF」という冠はどんなもんだろう?と。

最近の感覚は、観察者側も目が肥えてきて「新感覚」なんて、うたえる作品が乱立しているので、どうなんだろうかと。
もう「新感覚」なんて言葉に、踊らされる映画好きはいないんじゃないか。

「グラビティー」以来、新感覚を味わっていなかったので、新感覚を求めて映画界隈を徘徊していたわけです。

……それでも「新感覚」でした。
いい意味で。ホント!

作品単品として、そして見る度に説明書を手にすれば、より新感覚な感じ方ができるとおもいます。
(説明書は最後の方にまとめて書きます)

……説明書ないと分からないのか?!
いえ、分かる事はわかるんですが
バシバシとテンポ良く、数百年の歳月を行ったり来たりするので
SF好きには、たまりませんが、ドラマ部分(ストーリーの本質的な部分)を、理解するには、まず一回頑張って観て(3時間笑)
説明書片手に、もう一度見て、答えあわせ、辻褄が合わせをしながら、楽しめるので、二度美味しい作品です。
そこを「新感覚」として捉えて問題はないと思います。

◼️過去から未来へ。500年の時を超え、
  受け継がれる意志が革命を起こす。

……相対性理論を無視して、量子論でいうと
「時間という概念は、過去・現在・未来は、一つである」
全て重なっている状態で存在しており、観察者によって結果は異なる。
という事で、この作品は視点が、500年という長い時間を、あっちこっち行き来します。
(ここら辺が、批評家たちに酷評されていた部分です)

そもそも、批評家なんて職業の奴らは何様なんだと。
そういう奴らが、大嫌いであります。

・たくさんのドラマを混ぜ込んで、めちゃくちゃな映画
・理解しにくい内容にも関わらず、3時間と上映時間が長い
・テーマの「輪廻転生」「因果応報」が宗教的に理解できないから面白くない。

などの酷評もあったようで、
しかし、観察者の視点で、どのような見方をしても自由ではありますが
宗教的に、理解できないというのは、なんて頭が硬いのだろうか!

仏教では、輪廻は(生まれ変わり)基本的に理解しやすい事かと思います。
しかし、キリスト教ですと、そうもうまくいきません。
人生一度きりなので、その間に全ての罪を償いましょう!という
解釈の下だと、輪廻なんていい逃げ道になってしまうために、キリスト教は輪廻転生に触れることなく今日まで到るので、そこら辺の理解度が、宗教によって跳ね除けられてしまうのは、ただただ「頭が硬くて理解出来なくて、可哀想だな」と。

見ている側は、展開の速度に段々と引っ張られて
終盤に至っては目まぐるしく変化する事態に、
「これはきつい!」と思いつつ、画面に釘付けになる事でしょう。

そして「革命」というワード。
革命を起こすことに至る動機が、非常に過酷です。革命は悲劇がつきものですし。

革命は歴史上、数々行われてきましたが、
少数派による、大多数派への攻撃です。
血が流れようが、無血だろうが、革命は国家を揺るがす、大規模な作戦行動です。
本作における革命という出来事は、一人の女性が中心となって、織りなす悲劇的な革命です。
これが後世に良い結果としてもたらされるかが、ポイントです。
(じゃないと報われないですもん)

しかし、時間を1軸として捉えた場合
「過去からの影響が反映されることで、未来が変化する」
が、ごく一般的な分かりやすい構成ですが、
この作品では、過去行った行動の結果がある未来を変化させ、未来が変化することで、過去にも影響がある。
というような、1軸、1本の線としてみる事は出来ない仕組みが素晴らしかったです。

まるで、こんがらがった1本の糸を、いろんな角度や時代から観察するような仕組みによって、観察者は多くのドラマを濃縮して見せられます。

実際の放映時間が約3時間と、映画としては長編の部類ですが、大きく6つの時代に分かれ、それぞれの時代における主人公的な存在のドラマを楽しむので、分割して考えると。一人30分もありません。
そう考えると、少ない気もしますが、いい具合に納まってくれています。

「一般的な統計的な評価は?」

一般的な評価はどうなんだろう?
(人の評価なんて物は1番どうでもいい事です)
(評価なんか気にせず、自分を信じて生きる事が最善であり最高です)
しかし、この作品の見る意味を分かって貰いたく思いここに各前情報を記します。

1)Yahoo!映画評価
3.5/5点…… まずまずの評価でした。
半分よりちょっと上。60%くらいの人が満足しているイメージです。

2)Googleユーザー映画評価
87%が高評価…… 固定ファンは確実だろうな。

ざっと総評すると、日本人の評価としては
60%の人がおススメ!(多分SF好きだろう!)
残りの40%が、

a)長過ぎる
……約3時間の映画です……
(……SF好きな人には内容的に、物足りないくらいですが……)

b)ストーリーが切り替わりすぎて、同じ人がたくさんいて、理解しにくい
……確かに、重要ポストの俳優さんは、1人6役を演じてます。
それも、良い人だったり、悪い人だったり、ちょい役だったり、顔や服装も人種でさえも、全然違うので、混乱するとの事でした。
この撮影の方法はグランドホテル方式で、撮影されています。ミステリーなどで使われる手法です。

また、アンサンブル・キャスト(ensemble cast)と呼ばれる場合もあります。
主人公を1人や2人に限定せず
数人のキャラクターのストーリーラインを並行して進行させたり、エピソード毎に異なるキャラクターに焦点を当てるという手法です。
……シンプルではなく、複雑な事は確かです。

「結果」

統計的な評価としては、まずます……
ですが、SF好きで、一気に色々詰め込まれても、最後は自分で納得のいく
答えを見つけて、一種の大規模なドラマとして楽しめるのであれば、ぜひおすすめしたいと言った印象です。
95点です! 
難解なドラマを3時間に渡る長時間楽しめる
心と知識の余裕のある方には、是非ともおすすめしたいです!
1度じゃ分からないから、2、3度観る! くらいの余裕がないと
真なる部分が楽しめません汗
(一見さんお断り的な印象)

「内容考察」

1849年、2144年、2321年の物語をウォシャウスキー姉弟が監督。
1936年、1973年、2012年の物語をトム・ティクヴァが監督している。

六つの時代があります。
それぞれが過去未来として繋がっていますが
各時代の主人公的な存在には「ほうき星」のアザが、体のどこかにあり、アザがある人を中心にその時代のドラマが展開していきます。

1)波乱に満ちた航海の物語
1849年の話。
米国の弁護士ユーイングは南洋で奴隷貿易の契約を終え、医師グース(ハンクス)と共に帰国の航海につく。
その船の中で、密航していた脱走奴隷オトゥアに出会い、一度は断るも、懇願されて助ける。
その後、ユーイングは船に積まれた契約金を狙うグースに毒を盛られ、
殺されかけていたところをオトゥアに救われたことで考えを改め、
奴隷商人の義父ハスケルと決別し、妻ティルダと共に奴隷解放運動へ身を投じる。

2)幻の名曲の誕生秘話
その82年後の1931年の話。
音楽を志す英国の青年フロビシャーは、往年の大作曲家エアズの下で採譜係として雇われる。
彼はユーイングの航海日記を愛読しながら自分の交響曲を作曲していたが
曲と自分の自由を奪おうとしたエアズを銃で撃ってしまったため逃亡生活を送ることになる。
フロビシャーは『クラウド・アトラス六重奏』を完成させた後、
手紙を書き続けていた恋人シックススミスに遺書を残し、拳銃自殺する。

3)巨大企業の陰謀
その42年後の1973年の話。
シックススミスは米国で物理学者となり、フックスらが進める原子力発電所計画に従事していた。
シックススミスは原発の欠陥を告発するためにジャーナリストのルイサ・レイに報告書を託そうとするが
原発事故を望む石油マネーが雇った殺し屋ビル(ウィービング)に射殺される。
報告書とユーイングの手紙を手にしたルイサも命を狙われるが、
ルイサの亡父の戦友ネピアと共に殺し屋に立ち向かう。
最後にはシックススミスの姪メーガンの協力により報告書は公開され、真実が明らかになる。

4)ある編集者の大脱走
その39年後の2012年の英国の話。
編集者カヴェンディッシュの手元には新人作家の原稿、『ルイサ・レイ事件』がある。
作家ダーモットは目の敵にしていた批評家をパーティの最中に殺害して時の人となり
ダーモットの出版元であったカベンディッシュは大儲けするが
ダーモットの舎弟たちに恐喝され富裕な兄デニー(グラント)に助けを求める。
カヴェンディッシュはデニーに騙され収容所同然の老人介護施設に入所させられてしまうが
入居者仲間と計画を立て、凶暴な看護師ノークス(ウィーヴィング)たちに立ち向かい施設から脱走する。
そして自伝小説『カヴェンディッシュの大脱走』を執筆しながら
青春時代の恋人アーシュラと愛に満ちた余生を過ごす。

5)伝説のクローン少女と革命
その132年後の2144年の話。
統一政府を戴く未来社会では、遺伝子操作で作られた合成人間(複製種)たちが
人間(純血種)に支配され、労働力として酷使されていた。
ネオソウルで給仕係をしていた複製種ソンミ451は、あるとき純血種の映画(『カヴェンディッシュの大脱走』)を見て自分の境遇に疑問を抱く。
その後ソンミは革命家チャンに救出され、解放されたはずの複製種の仲間たちが
殺され複製種の食事にされている実態を知らされる。革命軍は放送施設を占拠
ソンミは全世界に向けて演説を行う。
同時に革命軍は政府軍の強襲を受け、チャンと仲間は戦死。
捕らえられたソンミも、統一政府から派遣された官僚に真実とチャンへの愛を語ったあと……

6)崩壊した地球での戦い
その177年後の2321年の話。
文明の崩壊した地球。ある島では島民たちは凶悪な人食い族に怯えながら、女神ソンミを崇め
素朴な生活を送っていた。島の住民ザックリーは彼の心の闇の部分である
オールド・ジョージーに悩まされ続けており村でも孤立していた。
ある日、「昔の人」の技術を持つプレシエント族の女性メロニムが、
人々が恐れる「悪魔の山」へのガイドを探して村にやってくる。
ザックリーは過去の様々な魂の記憶を夢に見て巫女アベスから三つの啓示を賜る。
最初の啓示によってメロニムと共に人喰い族から逃れたたザックリーは、
姪の命を救ってもらう代りにガイドを引き受ける。
二つ目の啓示によってオールド・ジョージーの囁きに打ち勝ってメロニムの命を救い
無事に山頂にたどり着く。
メロニムは山頂の宇宙港から地球外コロニーへの救難信号を送信する。
汚染により地球人類は滅びかけていたのだ。
山から戻ると村は人食い族の襲撃により全滅しており、ザックリーは三つ目の啓示を守らなかったために追撃を受けて窮地に陥るが
メロニムの銃に助けられて生き延び
唯一助かった姪とともにプレシエント族の施設に移住する。

基本的に、この6つの話がグランドホテル方式で、3時間に渡って展開されます。

そして、各時代に、同じ俳優さんが、特殊メイクや衣装を駆使して、登場します。是非、誰がどの役を演じているのか、探してみるのが、面白いです!

各時代の主人公は、体のどこかに「ほうき星」の形をしたアザがあります。
(☆マークがほうき星のアザがある人です)

・悪人か、良い人かは、個人的な視点です。

◼️トム・ハンクス

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)

ドクター・ヘンリー・グース(悪人)
アダム・ユーイングの医者役。
病気の治療として毒薬を飲ませる強欲な悪いヤブ医者。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
安ホテルの支配人(ずるい奴)
若き作曲家ロバート・フロビシャーが宿泊している。
地味にコスずるい奴。悪人までもいかないけど
鼻持ちならぬ、嫌なやつ。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)

アイザック・サックス(良い人)左上
科学者。ルイサ・レイに何故か好意を抱く。
「ハル・ベリー」扮する役の人の魂に惹かれている。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
ダーモット・ホギンズ(悪人)
自分の作品に悪質な批評をした人物を
簡単に殺しちゃう極悪人。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
『カベンディッシュの大災難』の主演俳優(ちょい役)
作中の中の映画のワンシーンに登場する。
ちょい役だけど、クローン少女には大きな影響を与えるキッカケに。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
☆ザックリー(悩んでる人)
羊飼いのザックリー。自分の中の悪魔のささやき声に、いつもビビりながらも、何とか頑張る原始的な生活をする人。
メロニム(ハル・ベリー)についても
色々悩むおじさん。

◼️ハル・ベリー
1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
農園で働くマオリ族(ちょい役)

ホントちょっと顔を出すだけ。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
ジョカスタ・エアズ(ちょい役)
大御所作曲家の妻役。
若き美しき作曲家ロバート・フロビシャーに
手を出すユダヤ人。
(結構メイクが凝っているのでいい感じです)

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)

☆ルイサ・レイ(正義感を持つ良い人)
ジャーナリストとして、巨大な陰謀に巻き込まれる。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
出版パーティーのインド人女性客(ちょい役)
(ここではインド人として登場。こちらもいい特殊メイクです)

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)

ソンミの首輪を外す闇医者オビッド(ちょい役)
(またまた特殊メイクで登場。しかも男役でマッドサイエンティストっぽいので、全然気づけなかった)

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)

メロニム(良い人・ヒロイン)
島に暮らすザックリー(トム)とは違い、高度な科学文明を持つプレシエント族。
とりわけ滅亡に向かう地球から、脱出しようと試みる種族の一人。

◼️ジム・ブロードベント
1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
モリヌー船長(悪寄りの人)
ラム飲んで、酔っ払ってて、感じの悪い船長。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
ビビアン・エアズ(悪人)
作曲家の巨匠。
若き作曲家ロバート・フロビシャーを
弟子のような形で関係する、わがままなじーさん。それは、ワシの曲じゃー! みたいな。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
出演なし

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)

☆ティモシー・カベンディッシュ
小説家ではなく編集者。
兄に騙されて老人ホームに入れられてしまう。
頑張るおじいさん。
コメディーパートで主人公です。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
路上の二胡弾き(ちょい役)
少女が窓から眺め、ふと気付く程度の音楽家。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
プレシエント族(ちょい役)

◼️ヒューゴ・ウィーヴィング
(マトリックスのあの悪い人)
この人はほうき星のアザはなし
(どの時代でも、ほとんど場合悪人)

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
ハスケル・ムーア(悪人)

奴隷商で儲ける悪人。
アダム・ユーイングの義父。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
指揮者ケッスルリング(ちょい役)
作曲家アダム・ユーイングと巨匠ビビアン・エアズの作成した楽譜を見て驚く人。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
殺し屋ビル・スモーク(悪人)
企業に勤めている殺し屋。始末屋。
分かりやすい悪役で、相変わらずの乱暴っぷり。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
女看護師ノークス(悪人)
介護相手の高齢者を、躊躇なく引っ叩く
残忍な介護士。
特殊メイクで女性になっており、良い仕事している。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)

メフィー評議員(悪人)
政府側の人間。クローン人間を差別している。
アジア系の顔に特殊メイクで登場。
違和感はあるが、悪い事を言わせておけば、ハマる感じに。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)

オールド・ジョージー(悪人)
この時代の主人公ザックリー(トム)の心に潜む
悪魔の化身。突如、どこからともなく
現れて、ザックリーに悪意を囁く不気味な存在。

◼️ジム・スタージェス

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
☆アダム・ユーイング(良い人)
若き弁護士。奴隷商の契約をし、船で故郷に帰る。
その帰路で、ヤブ医者に毒を飲まされて
半死半生の中、色々と意識が変わり
大きな渦を起こそうと立ち上がる。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
安ホテルを追い出される客(ちょい役)
ホント、追い出される客なだけ
タイミングよくカメラに映っちゃいました程度。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
メーガン(シックススミスの姪)の父親(写真のみ登場)
というわけで(ちょい役)

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)

スコットランド人のラグビーファン(ちょい役)
顔色が悪い。酒を飲んでラグビー観戦して
大暴れも堂々としちゃう悪寄りのちょい役。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
ヘジュ・チャン(良い人)
反政府組織の科学武官。
クローン少女を助け、愛を知り
知力、武力共に優れている革命家の一人。
アジア系の特殊メイクが結構馴染んでて
ホント見分けがつかないほど。
クローン少女のソンミ(ペ・ドゥナ)
に想いを寄せる。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
ザックリーの義弟アダム(多分いい人)
ザックリー(トム)の妹の旦那さん。
ちょい役。

◼️ペ・ドゥナ
※韓国人の女優。
邦画では「リンダリンダリンダ」という映画で
留学生役を演じていました。
こちらの作品も非常におすすめです。
彼女の魅力や勇気を感じる事ができます。

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)

ティルダ(良い人)
弁護士アダム・ユーイングの妻。
特殊メイクで西洋人風になっている。
ヘアスタイルといい、衣装といい
どんなファッションでも、決まって良く見える
お洒落な雰囲気を醸し出しています。
奴隷商ハスケル・ムーアの娘。
あんな悪人の父を持ちながら、よくぞ
立派に育ってくれた。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
出演なし

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
メーガン(シックススミスの姪)の母親(写真)
違法工場のメキシコ人女性(ちょい悪)
この時代では、基本的にちょい役。
メキシコ人女性として登場するが
見た目が特殊メイクでメキシコ人になっており
全然気づかなかった一人。
意外にも、やる気のある人。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
出演なし

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)

☆ソンミ451
ソンミ351、売春婦ソンミ(良い人)
基本的にソンミ451が主体。
人間に奉仕する奴隷といっても過言ではないクローン人間。

毎日、奴隷としてレストランで働くが
仲間に見せられた映画のワンシーンをきっかけに、自由という存在の意義に気付く。
そして、現実を目の当たりにして、革命を起こす組織の聖母的な存在になる。

表現力が優れており、そのスピーチは多くの人に影響を与える。

自由の象徴として、そのソンミ像が建てられるほど。
非常にハマり役で、その場にいるだけで
神々しく役を演じている。
ヘジュ・チャン科学武官に愛を抱く。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
出演なし

◼️ベン・ウィショー

※007スカイフォールでQ役をやってた美青年。
1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
船の給仕係(ちょい役)
見つけるのが難しいほどのちょい役ぶり。
絶の達人。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
☆ロバート・フロビシャー(良い人)
若き作曲者。後の「クラウドアトラス六重奏」を作曲する
野心溢れる天才。
ゲイ。

ルーファス・シックススミスとは愛し合っている。
作曲界の巨匠ビビアン・エアズに師事し

「クラウドアトラス六重奏」を完成させるも
貪欲じーさんビビアンに作品を著作権どうこうで
色々と面倒を抱える。
とても純粋な心の持ち主で、野心溢れ、エネルギーに満ちている。

シックススミスとは離れていたが、手紙を通して
連絡をしていた。
奇しくも「アダム・ユーイング弁護士の航海日記」を愛読している。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
レコード店店員(ちょい役)
主人公のルイサ・レイに「クラウドアトラス六重奏」を聞かせて、この曲いいですよね〜と発言する。
前世ではその曲の作曲者なので、おすすめする感じは、少し儚い。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
ティモシー・キャベンディッシュの
兄デニーの妻ジョージェット(ちょい役)
まさかの女性役。しかし、あまりセリフも少ない為に言われてみないと気づけない。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
出演なし

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
部族の男(ちょい役)
しかし、どこにいたんだ。
絶の達人。

◼️ジェームズ・ダーシー

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
出演なし

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)

若きルーファス・シックススミス(良い人)
主人公のロバート・フロビシャーとは恋仲。
こちらも当然、同性愛者。
皿を割るシーンは見もの。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)

老年のルーファス・シックススミス(良い人)
二つの時代をまたいで出演する唯一の存在。
ロバート・フロビシャーとの手紙を年老いても
大切に保管してある。
企業の陰謀に気づき、ジャーナリストのルイサ・レイに接触する。
待ち合わせのホテルは、改装されているが、若きロバートが住んでいた屋敷の一室。
ここら辺のカスリ感も心地良い切なさに通じる。

陰謀なんか気づいても知らん顔していれば良いものの、良い人はこうやって、顔を突っ込むから問題を連鎖的に引き起こすんだけど、まあ、良い人。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
施設の看護師ジェイムズ(ちょい役)
老人介護施設に勤めている役。
本当に介護士なのか、こんな介護士いたら
世も末だ。まあいるところには、いるんだろうけど。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
記録官(ややちょい役)
ソンミ(伝説のクローン人間)に様々な質問をし
その全てを記録する人。
こちらも、アジア系の顔にメイクが施されており
一見では気づけない。
クローン人間を差別しつつも、ソンミの話を記録していく中で、人間とクローン人間に大きな溝などない事を悟らせられている。
いくら規制が厳しい時代だかた仕方ないといっても、もうちょっと頑張ってくれてもよかったろうに。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
出演なし

◼️スーザン・サランドン
アカデミー賞受賞女優。

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
ホロックスの妻(ちょい役)
大女優のオーラを隠すほど、どこにいたか気づけない。
絶の達人。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
出演なし

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)
出演なし

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
アーシュラ(ちょい役)
ティモシー・カベンディッシュの幼き頃の恋人。
最終的には、ハッピーな感じで登場する。
ありがたい存在。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
男性科学者ユースフ・スレイマン(ちょい役)
動画の中に出てくるちょい役。
男性役をしており、絶対に気づけない枠ランキングでは、上位に位置する。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)
アベス(良い人)
島に暮らす、占い師というかイタコ的な役。
主人公ザックリーに3つの啓示をもたらす。
イタコパワー全開の時に、目の色が変わる。
迫真の演技で、ザックリーをビビらせる事に成功。

◼️ヒュー・グラント
よくラブコメディーに出てくる人。
笑顔のかっこいいおじさん。
しかし、本作では徹底した悪役っぷりを
500年に渡って演じきった。

1)"波乱に満ちた航海の物語"(1849年)
ホロックス牧師(悪人)
奴隷商売に関する契約書を作成。
現代からしたら、奴隷商と癒着しているだけで
大悪人扱いです。

2)"幻の名曲の誕生秘話"(1931年)
高級ホテルの警備員(ちょい役)
マジでどこにいたんだ。
この人も絶の使い手。

3)"巨大企業の陰謀"(1973年)

ロイド・フックス(悪人)
石油関連の企業の社長。
陰謀の企みが漏洩しようもんなら
殺し屋を使って、暗殺依頼も厭わない悪人。
またその陰謀も、果てしなく危険思想。

4)"ある編集者の大脱走"(2012年)
デニー・カベンディッシュ
ティモシー・キャベンディッシュの兄。
出資している老人介護施設に、兄を騙して入所させる悪人。
老人の特殊メイクをしている為に
全然ヒューグラントと気づけなかったが
本作では悪人=ヒュー・グラントの概念でOKなので、なんとか繋がった人。特殊メイク力がすごい。

5)"伝説のクローン少女と革命"(2144年)
リー師(悪人)
ソンミなどが奴隷として働かされているレストランのオーナー。
クローン人間の命なんて、屁とも思っていない感じが、なんとも言えない悪意が溢れており、アジア人メイクもバッチリです。
クローン人間だろうが、自分が雇っている人間が
例えお客様からでも酷い差別や仕打ちを受けたら、その従業員の前に立って、従業員を守るのが
上に立つものの責任であり責務であろう。
しかしそんな人道的な事はお構いなしに
気に入らないクローン人間は即殺処分という
冷酷で残忍な役。
こういうハマり役の悪人は、鑑賞する際に
鑑賞者をムカムカさせたら、役者として成功です。もう、大成功の役所でした。

6)"崩壊した地球での戦い"(2321年)

コナ族の首領(悪役)
カニバリズムを行う下品で野蛮なコナ族のリーダー的存在。
島に暮らすコナ族以外の人間なんてのは「肉」としか思っていないが、同じコナ族が殺されたら怒るという大偏屈。
こちらは、レイダー色の強いメイクにより、もう判別不能。
首を刈ったマチェットなどの刃物についた血をペロペロするのは、蛮族として当然のこと。
しっかりペロペロして、任務成功してくれました。

と、まあ長くはなりましたので、あまり詳しく書かれていない人については
wikiの本作の項へ行ってみてください!

一人の俳優さんが、約5〜6役をこなし
年代、性別、いろんな枠からはみ出て挑戦し
ここの人が、ここの人と繋がっているのかー!!!
と、理解できたところで、ようやく味わえるようになる本作。

3回観たら、9時間です。
でも見れちゃうのが、この作品の魅力です。

でも、どこかは幸福で、どこかは悲劇で。
そういう全てが綺麗に収まらない所が切なくもあり、その切なさが、他の時代では逆の気持ちにもさせてくれる。
見る側の気持ちを何度も揺さぶる事に成功した作品だと思います。

同じ俳優さんがたくさんの役を演じる事で、魂の繋がりを意識できる。どの時代でも魂は不滅で、人生が繰り返しあり、何度も繰り返しては、悪行や善行を重ね、次の人生へと受け継がれており、その道のりは長く、大変なものとして、この3時間に濃縮して表現されています。

これだけの輪廻を、ハリウッドスタッフを大胆に使い、お金もたっぷりかけて、難しい撮影に望んだ結果が本作の素晴らしいところです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?