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ChatLLM という AI スーパーアシスタントをご存知だろうか?

ChatGPT、Claude、Gemini などの主要 AI アシスタントサービスのどれを使用するか、どれに課金するかはとても悩ましい問題です。さらにその中でも様々なモデルがあり、それぞれに適したタスクがあります。上手に使い分けたいところですが、それが難しかったり面倒だったり。

そんな方は、ChatLLM を使えば全て解決です。そんな方じゃなくても全ての人にお勧めします。ChatLLM がいかに有能・有益であるかは以下の本文を読んでいただければわかると思います。サラッと簡単に説明していきますので、興味のある方は読み進めてみてください。


ChatLLM とは?

ChatLLM は世界初の AI スーパーアシスタントです。GPT-4o、Sonnet-3.5、Gemini 1.5 など、最先端の LLM すべてにアクセスできます。また、リリースされた最新の LLM もできるだけ早く製品に追加します。Web のクエリ、画像の生成、コードの実行、PDF でのチャット、テキストの人間化、グラフの分析、カスタム チャットボットや AI エージェントの作成、プレイグラウンド機能へのアクセスなど、さまざまなことができます。

What is chatllm and what are its benefits? | General | Abacus.AI

RouteLLM について

ChatLLM では、RouteLLM という革新的な技術が導入されています。これにより、入力したプロンプトを分析して自動で適切なモデルを選択使用してくれます。ChatGPT も内部でこれが働いていると思いますが、ChatLLM は各企業の多種多様な LLM が使えるのでより有効です。

ChatLLM を提供する Abacus.AI のビンドゥ・レディ CEO の投稿:

RouteLLM - スーパーインテリジェンスの誕生

RouteLLM は、o1-preview、Sonnet 3.5、Gemini Flash、o1-mini、4o、4o-mini のスーパーパワーを組み合わせています。

クエリに基づいて、応答の待ち時間、コスト、品質が最適化されます。

RouteLLM の優れた点は、次の点が組み合わされていることです。

- Sonnet 3.5 のコーディング能力
- o1-preview の推論能力
- o1-mini のハードコーディング機能
- Gemini の 1M コンテキスト
- 4o-mini の速度

古典的な MLで非常に効果的なアンサンブルモデルと同様に、RouteLLM や同様のモデルは LLM エコシステムで最も効果的です。

料金

ChatLLM のサブスクリプションは、ユーザー 1 人あたり月額 10 ドルです。最初の 1 か月は無料ですが、2 か月分の支払いが必要である点に注意です。アカウント登録時に、最初の 2 か月の 10 ドル(初月無料 + 翌月分)が請求されます。

なんかやり方がずるくない?と思うかもしれませんが、1 か月無料があるだけでも太っ腹だと考えてください。ないところの方が多いです。そして多機能・高性能でたくさん使えて月 10 ドルはマジで神です。使えばわかります。

使用制限

LLM の使用制限は、他のどの有料サービスよりも寛大です。Sonnet 3.5 や GPT-4o などの SOTA LLM では、使用制限に達することなく、添付ファイルなしのメッセージを何千通も送信できます。 ただし、大きな添付ファイルを使用すると使用制限がトリガーされ、レート制限が課せられます。レート制限に達した場合は、自動的に別の LLM に切り替えます。全体として、他のどの LLM サービスよりも約 10 倍多くのトークンを提供します。

What are the usage limits on the LLMs? | Billing | Abacus.AI

公式ドキュメントで述べられている通り、寛大です。寛大すぎます。

ちなみに、SOTA LLM とは、最先端の大規模言語モデルのことです。

詳細は、アカウントのプロフィールページに記載があります:

Compute Points

毎月、ユーザー 1 人あたり 2,000,000 (2M) のコンピューティング ポイントが提供され、さまざまな LLM に使用できます。プラットフォームはコンピューティング ポイントの使用量をレート制限し、月を通して均等に配分します。レート制限を回避したい場合は、いつでもコンピューティング ポイントを追加購入できます。

各モデルの制限に達した場合は別のモデルに切り替わるように設計されていますが、ChatLLM の制限に達した場合は、翌月まで待つか、コンピューティングポイントを追加購入することになります。

2M はかなりの量ですが、タスクによって大量に消費する場合があるので、ご注意ください。

スマホ版

ChatLLM は Web だけでなく、スマホ版も提供されています。iOS と Android の両方がリリースされています。

スマホ版では「音声」が重要視されると思いますが、音声入力は日本語でも精度が高く使い物になるレベルです。音声会話については後ほど。

気になる点は、新規チャット画面に出現するロボット画像:

ChatLLM (Android)

Web 版のファビコンもこのロボットです。なぜこれを採用したのか。スタイリッシュさに欠けるので変えてほしいところ。不満は以上。

ChatLLM でできること

ChatLLM の機能と使用感について述べていきます。

モデルの選択

上バー中央でモデルを選択できます:

モデルの選択。デフォルトは RouteLLM。GPT-4o、Sonnet 3.5、Gemini 1.5 Pro など 15 種類から選択できる。

デフォルトでは RouteLLM が選択されていると思います。GPT-4o、Sonnet 3.5、Gemini 1.5 Pro などの主要 LLM を含む 15 種類から選択できます。

私は基本 RouteLLM ですが、特定の LLM でテストする場合などに切り替えて使用しています。

テキスト生成

例えば、「LLM とは」に関する記事のドラフトを作成したいとします。その場合は、その旨をそのまま入力しても良いですが、プロンプトバーの下にある「Editor」が使えます。これをクリックして有効化すると、プロンプトに「LLM とは」と入力して送信するだけで、入力を題材にした記事を生成してくれます:

「Editor」を有効化してプロントバーに「LLM とは」と入力する
ChatLLM が作成した「LLM とは」に関する記事のドラフト

テキスト生成には「Playground」が自動で使用され、右エリアに記事のドラフトが生成されます。Playground は、Claude Artifacts のような機能です。Playground については、また後ほど解説します。

モデルは Sonnet 3.5 が選択されています。Sonnet は文章作成に定評があるので、妥当な選択です。

また、チャットエリアの下に「Regenerate using: [GPT-4o] [GPT-4o Mini]」と表示があるように、他の推奨モデルで再生成できるようになっています。

使い心地はとても良いです。

メモ:Editor を有効化せずに「LLM とは」とだけ入力して送信した場合は、LLM に関する説明の回答が出力されます。

画像生成

画像生成もテキスト生成と同じようにプロンプトバー下のボタンを使用すると簡単です。「Image」をクリックすると、使用する画像生成 AI を選択できます:

プロンプトバー下の「Image」をクリックして、使用する画像生成AIを選択する

あとはプロンプトを入力して、画像サイズを選択します。最後に「Generate」ボタンを押して生成します:

プロンプトを入力して、画像サイズを選択する
  1. Modify the input prompt for improved image generation results: これは、画像生成の結果を改善するために、入力プロンプトを自動的に修正するオプションです。プロンプトを調整することで、より良い品質の画像を生成することを目的としています。

  2. Generate less processed, more natural-looking images: これは、過度に加工された印象を避け、より自然な見た目の画像を生成するオプションです。画像がよりリアルで自然に見えるようにするための設定です。

どちらも基本的にはデフォルトのままで良いですが、出力に応じて調整してみてください。

Flux 1.1 Pro Ultra が使えるのは嬉しいですね。アスペクト比が豊富で様々な用途に使えますし。

今回作成した画像はこの記事のバナーに使用しています。

Web 検索

Web 検索は、プロンプトに「最新」「最近」「現在」などの単語を入れることで発動します:

「現在の日本の首相は誰ですか?」-「現在の日本の首相は石破茂(いしば しげる)です。彼は2024年10月1日に第102代首相に就任し、2024年11月11日に正式に第103代首相として指名されました。石破氏は自民党の総裁でもあり、これまでに防衛政策の専門家として知られています。」

もしうまくいかない場合は、プロンプトを明確に入力してみてください。

コード生成

コード生成には、プロンプトバー下の「Code」が使えます。プログラミング言語とタスクを記載します:

プロンプトバー下の「Code」を有効にして「体重と身長からBMIを計算し、結果を表示する Python 関数」を作成する
RouteLLM は Claude Sonnet 3.5 を選択して「BMI を計算して結果を表示する Python 関数」を生成した

コーディングは、やはり Sonnet 3.5 が使用されています。良いですね。

今回のプロンプトの場合、「Code」をオンにしなくても分析により自動でコード生成が行われますが、コード生成を目的とする場合は、明示的に Code を有効化しておくと良いでしょう。

コードブロック右上の「Execute」ボタンで実行結果を確認することもできます:

「Execute」ボタンで実行結果が出力される

ファイルアップロード

画像・データ分析のためのファイルは、PCGoogle DriveOneDrive などからアップロードできます:

ファイルアップロードは、PC、Google Drive、OneDrive などから可能

Add from Files」の Files には、過去にアップロードしたファイルが履歴としてストックされており、再利用することができます。とても便利です。

Files

プレイグラウンド

テキスト生成のセクションで少し触れましたが、Claude Artifacts や v0 のように成果物のプレビューを確認できるあれです。プレイグラウンドは同じように機能します。ChatGPT Canvas でさえプレビュー機能はまだありません(24年11月26日現在)。

クイックスタート用のサンプルプロンプト「Make HTML landing page」を使ってテストしてみます。通常は自動分析でプレイグラウンドが使用されますが、念の為にプロンプトバー下の「Playground」を選択しておくと良いでしょう:

クイックスタート用のサンプルテキスト「Make HTML landing page」を使用してプレイグラウンドをテストする。念の為プロンプトバー下の「Playground」を有効化しておく。
プロンプト「Make HTML landing page」の成果物プレビュー

うん、いいですね。やはりプレビュー機能は必須。動作も遅い重いと感じることなくとてもスムーズです。

その他の機能

他にも、動画分析動画生成Web スクレイピングなどもできます。今回は省略しますが、ここまでのように簡単にできるので、ぜひ試してみてください。機能豊富すぎです。

その他の機能。動画分析、動画生成、Web スクレイピングなど。

Humanize」は、プロフェッショナル、ユーモラスなどの口調を選択して、回答に人間味を持たせることができます。追加の説明があれば入力することもできます。「Apply to …」をオンにすると、今後の全ての会話に適用されます:

Humanize 設定画面

Humanize を無効にするには、再度この設定画面を開いて、「Cancel」ボタンを押します。

音声会話(スマホ)

スマホ版 ChatLLM では、音声会話を使用できます:

スマホ版 ChatLLM 音声会話

会話の応答速度や割り込み可能であることから、OpenAI の Realtime API を使用していると思われます。

英語はもちろん、日本語での会話もスムーズで、ストレスを感じることはほとんどありません。

声の変更も可能です:

音声会話の声は8種類から選択可能

使用したのは Android のみですので、iOS では異なる場合があります。

ツール

ChatLLM には、ここまで紹介した機能以外にも、いくつかの連携ツールが用意されています:

TOOLS
  • GITHUB CONNECT: GitHub アカウントに接続して、すべてのパブリックリポジトリにアクセスできます。ChatLLM 上で、コードの提案、バグの修正、ファイルのレビューを行うことができます。

  • AGENTS PLATFORM: カスタム チャットボットと AI エージェントを作成できます。

  • PLATFORM CONNECTORS: Slack や Microsoft Teams などのコミュニケーション プラットフォームに接続したり、他の API やサービスと統合してワークフローを強化したりできます。

  • FILES: 先述の通り、過去にアップロードしたファイルを再利用できます。

これらの詳細については長くなってしまうので説明を控えますが、とても強力なツールばかりです。多くの方からご要望があれば続編で書きたいと思います。

設定

ダークモード

目に優しいダークモードも用意されています:

ダークモード

もうちょっと色の調整を頑張って欲しいところですが、全体的には問題なく使えます。

Custom Instructions

ChatGPT をしっかり使ったことのある方はご存知だと思います。ボットに自分自身と目標に関する情報を提供して、すべてのチャットに共通のカスタム指示を適用することができます:

Custom Instructions

プロフィール

プロフィールページでは、名前の変更、請求情報と使用量の確認、サブスクリプションの解約などを行うことができます:

Profile

まとめ

いかがでしたでしょうか。各企業の最新 LLM、豊富な機能と連携ツール、スマホ版の提供、そして月 10 ドルから始められる価格設定。素晴らしい。

1 つ問題点として、Mac で文字変換する際にメッセージが送信されてしまいます。アメリカの企業なので仕方ないことですが、これはマジで辛い。その旨を伝えたらすぐに返事が来ました。期待して待ちましょう。

komz: Hi 
@abacusai
. I've become a big fan of ChatLLM. The only problem is Japanese input. I input Japanese in Hiragana and convert it to Kanji with Space + Enter, but the message is sent at that time. This is a common problem on macOS. I hope it will be improved. Abacus.AI: We will look into it

追記(2024.12.04)

文字変換時の送信問題を解決する Chrome 拡張機能を見つけました:

Auto Apply」を有効にするだけで誤送信を防げます。機能しない場合は、一度ブラウザをリロードしてみてください。他のサイトで問題が生じる場合は、ブラックリストに URL を入れて除外できるので安心です。

IME Submit Blocker

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