よもやま話:ロシア料理とブランディング
某料理研究家の方がロシア料理にヒントを得た料理をこの時期に出したことに対して「不謹慎だ!」といった声が出ているそう。
今回はそれ自体に賛否というわけではなく、あくまで「プロデューサー」をやっていた人間が「ブランディング」という観点から見た場合のお話。
まず事後応対を見ていると、けっこう相手を寄せ付けない強い言動で対応していることが見てとれます。
中身を見て着目したのは、
ロシア料理店の看板が割られたりビーフストロガノフやピロシキが日本から消えたりそんな世の中になってほしくないんすよ(Twitter引用)
という部分。
これは確かに正論です。それはそうだと納得した人も少なくないのではないでしょうか。ですが、この前後の言動を見るに反発する人の感情を逆なでしてしまう要素も過分に含んでしまっています。
ブランディングを考えれば「動画の最初にその考えを伝える」か「初めにこれを伝えておけば良かったですね」と相手を立てて伝えるのが正解であっただろうと考えるのですが、恐らく強い口調になってしまってるのは彼自身の性根が純粋なのだろうなと感じます。
そして残念ながら人間社会において「純粋」とは「褒め言葉とは限らない」のです。むしろ愚かと言われることの方が多いのが現実です。
とはいえこの手のタイプは周囲が二極化して、濃く強い関係を築きやすいので、どちらが正解とは私的には言い切れないのですが。
物事を話す時、伝える時には「相手の立場にたって考えてみましょう」と低学年で教わります。これはコミュニケーションだけでなく、ブランディングやマーケティングの基礎でもあります。
発言が正しいかどうかだけでなく、相手がどう受け取ってどういう反応を示すかまで想定した上で言論を展開すれば、自らの望む結論へと導きやすくなります。
どうしても通したいことがあるならば、そして最終的な答えを譲りたくない時には、相手の立場にたってその感情をどう動かすかまで思慮して動いた方が良いというお話。
普段の感情に任せた言動が知能クソザコプレイすぎる私でも、ビジネス面においてはプレゼン無双、ファンサ無双と評されているのは「提供する相手にとってどうか」を常に考えた言動を心がけているからなのです。
せっかく創意工夫で美味しい料理を作って成功をおさめている方なので(私も鶏むね肉のレシピを参考にしたことありますし)、上手く立ち回って危なげなく長く続けて欲しいですね。