航空機の仕組みを口述する:イグニッション・システム
航空機のエンジンは飛行中に停止することは許されません。ですからレシプロエンジンの発火システムは、自動車のそれとは異なります。マグネトーを主体として、その原理と取り扱い方法をきちんと説明できるようにしましょう。
〇イグニッション・システムの構成
〇マグネトーの電力源と配置
◎離陸前のマグネトー点検
◎グランドアースの重要性
航空機のエンジンのイグニッション・システムは、シリンダー内の燃料・空気混合物を点火させるスパークを供給します。マグネトー、点火プラグ、インターコネクティング・ワイヤおよびイグニッション・スイッチで構成されます。
The ignition system of an aircraft engine provides a spark that ignites the fuel-air mixture in the cylinders. It consists of a magnetos, spark plugs, interconnecting wire and ignition switch.
マグネトーはエンジン駆動する自給式で、点火プラグに電気を供給します。航空機の電気システムとは完全に独立して、永久磁石を使って電流を発生します。この磁石が充分に高い電圧を発生し、各シリンダー内の点火プラグギャップ全体へ点火させます。このシステムは、操縦士がスターターをつないでクランクシャフトが回転し始めると、直ぐに点火開始します。クランクシャフトが回転し続ける限り、継続して作動します。
The magneto is self-contained engine-driven and supplies electrical current to the spark plugs. Completely independent of the aircraft's electrical system, it uses permanent magnets to generate electric current. This magnet generates a sufficiently high voltage to ignite the entire spark plug gap in each cylinder. The system starts igniting as soon as the pilot engages in the starter and the crankshaft begins to turn. It will continue to operate as long as the crankshaft continues to rotate.
マグネトーを2つ使用すると安全性が高まり、点火システムの信頼性が増します。2つのマグネトーは各々独立して作動します。各々が各シリンダー内の2つの点火プラグのうち、1つずつを点火します。2つの点火プラグを発火させると、燃料・空気混合物の燃焼を向上させ、結果として出力を僅かに高めます。
Use of two magnetos enhances safety and increases reliability of the ignition system. The two magnetos operate independently. Each ignites one of the two spark plugs in each cylinder. When the two spark plugs are ignited, the combustion of the fuel-air mixture is improved, resulting in a slight increase in power output.
片方のマグネトーが故障しても、他方は影響を受けません。一部の自走式モーターグライダーではエンジンを軽くするため、シングル・マグネトーのエンジンが採用されています。
If one of the magnetos fails, the other is unaffected. Some self-launched motorgliders have engines with the single magneto ingnition in order to make its weight lighter.
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